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2020.3月の終わり

しばらくこちらに顔を出していなかったけれど、久しぶりに何かを書きたくなって筆を取った。

2020年の三月が残りわずか。世間はコロナで相変わらず騒がしい。

コロナに関しては、日本でさまざまなものが自粛されはじめた当初は、正直「そんな大袈裟な」と思っていたし、楽しみにしていたさまざまなことを奪われる悲しみに打ちひしがれたりしていたけれど、いよいよ日本も爆発的に感染者が増えるのでは?という実感と、「正直インフルに毛が生えた感じなんでしょ?」という認識の甘さを打ちのめすような他国の死者数に、遅ればせながら危機感を募らせている。なにが恐ろしいって、自分がひとが多く集まる場所で仕事をしていて、そこにはさまざまなひとが来店していて、このウイルスが犬や猫にもうつるということ。わたし自身がどうなったとしても、たとえばわたしから感染したおはぎや両親や祖母が大変なことになったら、と思うと背筋が凍る。

かといって、お客様に来ていただいてこその仕事ではあるので、なんの保障もなく休業して収入がなかったり、明日の暮らしをも知れないひとと比べると、自分が置かれている状況はどれほども幸福なんだろう、とも思う。かくゆうわたしも仕事がもしいまやすみになったら、たちまち暮らしがどうにもこうにもいかなくなってしまうだろうから、決して他人事ではない。明日のこととか、もっと先のこととか、幸せかどうかと考えると暗くなりがちだけれど、幸い家で過ごすのはプロなので、このところはよほど用事がないとき以外は家でゆったり物を書いたり花を愛でたりクッキーを焼いたり、おいしいものを食べたりおはぎとゆっくりしたりしながら、そうして過ごしている。

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先日は、外でごはんを食べたりもした。

スーパーで集合して食材を買い込んで、あんまり水が流れていない川を眺めながら、むちゃくちゃ天気がいい中パスタとワッフルを食べた。なに食べる?とかなに飲む?なんて話しながらする、スーパーでの買い物が好きだ。基本的にひとりとマイペースを愛しているので服も食材もひとりでさっさと買い物したい派のわたしだけれど、たまにはいいよね、って思う。あと、おいしいものに対しての意識というか、好みがおなじひととのスーパーでの買い物はとても楽しい。食の好みが似ているひとをパートナーに選べ、とはよく言うけれど、あながち間違っていないように思う。桜の蕾が膨らむぽかぽか陽気の中食べるごはんは格別に美味しかった。

さまざまなことが自粛ムードの中、従姉妹が高校を卒業して、春から大学生になる。3歳の頃、うちの階段でトトロのメイちゃんごっこをしていた従姉妹が。

勤めている店にも毎日のように親子連れがやってきて、新生活への準備を整えている。毎日おんなじ制服を着ていた日々を抜けて、この春からは毎日すきな服に身を包んで、楽しくあればいいなあと心から思う。新しい友達ができてもできなくても、なにかやりたいことが見つかっても見つからなくても、毎日ひとつどんなに小さいことでもいいことがあって、自分で自分の幸福度を上げていけるような、そんな未来があればいいな、と思っている。

雨で桜散ったかなあ、と思っていた矢先、関東の友達から絵葉書が届いた。おとなになってからの友達との手紙のやりとりが楽しくて、たまに各々気が向いた時に手紙のやりとりをしている。すっかり手書きで書くことが減ったので、いつのまにか「読めるのに書けない」とか、「想像できるのに書けない」漢字が増えた。あとこの年になって、間違えて覚えていた漢字の多さに驚く。

なんでもLINEやメールで終わらせられる時代だけれど、手紙を受け取ったときの嬉しさや幸福はやっぱり何ものにも代え難い。最近めっきり手紙を書いていないから、明日の予定の中に「手紙を書く」を組み込む。たのしみがひとつ増えたな、とすこしずつ温まってきた布団の中で、ひとりでにこにこしている。

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