片田直久

読む・聴く・書く・話す・編む。 YouTube「前田日明チャンネル」インタビュアー。 …

片田直久

読む・聴く・書く・話す・編む。 YouTube「前田日明チャンネル」インタビュアー。 著書『タモリ伝』(コア新書)。 宮崎県日向市出身。 首輪のない猟犬。 宮仕えよりも勤勉な痴れ者。 「その人の歌わなかった歌」に耳を傾ける日々。 公益社団法人日本ジャーナリスト協会運営委員。

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  • 鳴神どもの矜恃(全)

    総合格闘技イベントRIZIN。運営会社・ドリームファクトリーワールドワイドと代表・榊原信行は「不適切な交際」の威力を背景にビジネスを展開。結果的に裏社会に利益を供与してきた。那須川天心vs.武尊の世紀の一戦はなぜフジテレビで放映されなかったのか。フロイド・メイウェザーvs.朝倉未来戦の水面下で蠢動した勢力とは何か。2000年代に世界的な人気を誇ったPRIDEの時代から続く構造・体質にメスを入れ、格闘技界の実態を明らかにする。

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鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体「追撃戦」

榊原信行が「人生初」の土下座で「目くらまし」に成功  総合格闘技イベントRIZINとその運営会社ドリームファクトリーワールドワイド(DFWW)、同社代表の榊原信行の行状にメスを入れるルポ『鳴神どもの矜恃──の格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体』全14回の連続公開を終えた翌日。9月29日のことだ。  DFWWを何度目かの激震が襲った。  震源は「週刊新潮」10月16日号。「MONEY」欄に掲載された記事〈「きらぼし銀行」執行役員が不正融資でキックバックの証拠動画〉

    • 鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体③

      3.榊原信行代表への質問状(全文無料公開) 〈(前略) 冠省 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。フリーライターの片田直久です。  6月19日に東京ドームで行われた「THE MATCH 2022」について記事を執筆するに当たり、実行委員各氏による大会総括は必須と考えます。プレスリリースに明記され、大会当日に○○××(筆者註・広報担当者の氏名)様が「行う」と明言されていたにも関わらず、一夜明け記者会見ではその機会が予告なく奪われました。私が質すまで何ら説明もありません

      • 鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑭(最終回)

        14.米国に何度も入国を繰り返す「交際者」  榊原信行は事あるごとに「ファンのため」「子供たちのため」「未来の格闘技界のため」と強調してきた。だが、RIZINを持続させなければならない本当の理由は他にあるのではないだろうか。 「トラブルシューティング」で今も手腕を発揮する安藤陽彦。榊原の言う通り、本当に報酬は支払われていないのだろうか。RIZINの収益が安藤を介して暴力団を潤しているとすれば、問題はさらに拡大する。先述した「メイウェザー利権」のありようなど、注目すべきだろ

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        • 鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑬

          13.「桜田門」が「重大な関心」を抱く対象 「THE MATCH 2022」のチケットは強気の価格設定。VVIP1列席は300万円、最も安いA席でも1万5000円にもかかわらず、売り切れた。ゲート収益は「20億円」と榊原は胸を張っている。  当日の大会演出は「世紀の一戦」にふさわしいものだったのだろうか。「THE MATCH 2022」の全容をあらためて振り返ってみよう。  オープニングにはなぜか髙田延彦が登場。「出てこいやーっ」の声はどこか空虚に響いた。  立ち技格闘

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        鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体「追撃戦」

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑫

          12.「二つの事務所所在地」と税務調査  9月25日、さいたまスーパーアリーナで開催された「超RIZIN」「RIZIN.38」。両大会の目玉はフロイド・メイウェザーが朝倉未来と対戦する3分3ラウンドのエキシビションだった。  試合前のセレモニーとして政治団体「ごぼうの党」の党首・奥野卓志がリングに上がった。メイウェザーに花束を贈呈するはずが、奥野はその場で投げ捨ててしまう。会場は騒然となり、ネットでは炎上した。 「大会前にある企画が挙行されました。4枚だけ用意された西側V

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑪

          11.「一点の曇りもない」男の心情と挙動 ミロ・ミヤトビッチと川又誠矢が相次いで神奈川県警に被害届を出した2004年秋のことだ。別の思惑で蠢動する者たちもいた。前年の大晦日にしのぎを削った残るもう一つの敵対勢力に太田興業が狙いを定める。太田興業幹部・秋良東力は正道会館館長・石井和義を帝国ホテルに呼び出した。目的はもちろん石井の首根っこを抑えること。その一点に尽きる。  2004年5月22日、K-1は総合格闘技の大会「K-1 ROMANEX」をさいたまスーパーアリーナで開催。

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑩

          10.「2003年大晦日」、民放3局競合の裏側  まず口火を切ったのは太田興業幹部・秋良東力である。 「勘弁してくれよ。自分もわかっとるやろ? フジテレビの清原から『今回、ヒョードルを出されたら、契約を切る』って言ってきとるんや。そうなると、うちも困る。実質うちがPRIDEをやっとんのは自分も知ってるやんか」 1大会につき1000万円を太田興業に上納  石坂と榊原信行は清原邦夫から「猪木祭りにヒョードルが出るなんてもってのほか」と再三再四ねじ込まれていた。それを阻止する

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑨

          9.PRIDE「オーナー」・石坂徳州と太田興業  PRIDEは1990年代から2000年代にかけて世界的な人気を誇った格闘技イベント。当時、榊原はドリームステージエンターテイメント(DSE)の役員や代表として運営に携わっていた。  PRIDEの初代代表を務めたのは「KRS(格闘技レボリューション・スピリッツ)」会長だった石坂徳州(石川徳州、金徳州)である。その後も石坂は実質的なオーナーとして君臨。彼と特別な関係にあった暴力団・太田興業はさまざまな面で榊原のビジネスを支えてい

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑧

          8.格闘技を隆盛させた「敏腕経営者」  榊原は5月31日の記者会見で私の質問を受け、こんなことを口走っている。 「放送局の求める、放送倫理におけるコンプライアンスと、一般常識的なお付き合いをするコンプライアンスとでは若干ちょっと温度差があるのかな」  この「温度差」こそが鍵。スポンサー企業にとって、RIZINに対する安心感の醸成につながっていたのだろうか。 リスクを背負ってまでRIZIN放送を継続  DFWWの企業体質を知ってか知らずか、中継を続けてきたフジテレビの姿

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑦

          7.RIZINが「地上波」に固執する理由  吉羽美華をめぐっては他にも風評が飛び交っている。どれもなかなか味わい深い。並々ならぬ吉羽の「RIZIN愛」がうかがえるからだ。  まずはオーディションへのエントリーをめぐる疑惑。後述する「RIZINガール2022オーディション」にエントリーしたある候補が吉羽と同一人物と目されている。その名も「ニとル」。ツイッターアカウントは「nitoru/potential_ceo」で、Potentialを経営する吉羽のプロフィールと平仄が合う。

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑥

          6.出資者兼金主・「吉羽美華」逮捕の余波 〈ご通告〉にはもう一点、捨て置けぬ記述がある。フジテレビの〈コンプライアンス委員会においてもこの点に関する問題が取り上げられRIZINの番組放映を行うべきか否かが検討された〉との指摘である。  フジのRIZIN放送にはときどき不自然な形で間隔が空くことがあった。ファンなら周知の事実だろう。  2020年8月9日、10日にぴあアリーナMM(神奈川県横浜市)で行われた「RIZIN.22─STARTING OVER─」と「RIZIN.2

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑤

          5.フジテレビ社長に宛てた〈ご通告〉文書 それにしても、だ。榊原の説明はどうにも隔靴掻痒の感が拭えない。そもそも構成員や権限、位置付けすら明確でない「第三者機関」の判断にどんな意味があるのだろう。実のところ、榊原と安藤の距離はどんな塩梅で、安藤はRIZINでいかなる業務を担当しているのか。本人の説明からは何らうかがい知ることはできない。  私はある人物に面会を求めた。かつて格闘技界の中枢で切り盛りをした経験を有する大立者だ。おもむろに口を開くと、事もなげに言ってのけた。

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体④

          4.暴力団との関係を盾に金主へ「対応」  榊原信行宛の質問状は6月28日に送付。7月1日17時を回答の期限とした。  送信ボタンを押して1時間足らずの時点で珍しく笹原圭一から返信。回答ではもちろんない。次のようなご下問が記されていた。 掲載媒体は尋ねるも質問状には無回答 〈こちらの質問状ですが、どのような媒体にて記事にされるご予定でしょうか。〉  記事の差し止めに今回もまた500万円をポンと支払う。そんな奇特なご意向でもあったのだろうか。もちろん、私が受け取ることなど

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体②

          2.記者会見でも不明だったいくつかの点  実行委員諸氏を威嚇する意図はもとよりなかった。平均的な日本語のリテラシーを持つ格闘技ファンなら誰しも疑問に思う点を質したに過ぎない。だが、榊原はそうは受け取らなかった可能性がある。  フジテレビはなぜ大会直前に放送を中止しなければならなかったのか。私の取材に対し、同社企業広報部の担当者は次のように回答している。 「諸般の事情を総合的に考慮した結果、契約に至らなかったということです」 「両論併記」は報道の基本原則の一つだ。榊原の

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          鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体①

          1.失われた大会総括と取材拒否通告  格闘技史上でも特筆されるであろう絶頂を極めた至高の舞台。そこは「終わりの始まり」への入り口でもあったのだろうか。  2022年6月19日、東京ドームで開催された「THE MATCH 2022」。メインイベントでは那須川天心と武尊が文字通り死力を尽くして雌雄を決した。客席を埋め尽くした5万6399人(主催者発表)の観客は白熱のスーパーファイトに打ちのめされた。  激闘の余韻も冷めやらぬ翌日の昼過ぎ。東京ドームホテルでは一夜明け記者会見が

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           初めまして。フリーライター/編集者の片田直久と申します。このたび、思うところありましてnoteを始めました。  自分語りは禁じ手の筆頭に置いております。ただ初回ですので、お目こぼしをいただき、苦手な自己紹介など。飛ばし読みしていただけたら、幸甚です。  書籍や雑誌の編集者を経て、4年ほど前からフリーランスとして活動しております。  書籍編集者時代には久世光彦、宮崎学、西原理恵子、紀藤正樹、橋下徹、菊地成孔各氏らとご縁をいただきました。  雑誌編集者としてはカルチャー

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