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批評とは印象批評に回帰するもの

筒井康隆に『文学部唯野教授』という作品がある。大学の文芸批評理論の歴史の授業という体裁を取りながら哲学史の入門書になっている。

文芸批評と哲学史は密接な関係がある。哲学史自体がテクストをいかに解釈するかに落ち着くからだ。

『文学部唯野教授』では唐突にハイデガー哲学の講義が入ってきたりして、文芸批評と哲学史が必ずしも対応しない唐突感も感じる。

一方、小林秀雄などは「印象批評」と言われ、西洋哲学史とは隔絶した評論をしている。それは正しくないという批判者もいた。

最近スーザン・ソンダクの批評を読んでおり、「印象批評」に最終的には行き着くのではないかと思い始めた。

〜主義批評という立て付けでなく、テクストをもっと直感的にテクストそのものに接近するスタイルが批評のあるべき姿なのではないかと思い始めている。

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