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「物書き」と自称する人間が嫌い

自分は30年ぐらい雑誌業界にいる(しがみついている)が、仕事のうえで「自分は物書き」と名乗ったことは一度もない。名乗ってきた人間もほぼいない。

以下は、最近見つけた、いまから10年以上前の質問サイトの回答より。

よくわかる。

飲み屋ではそういう人間、たまにいる。ゴールデン街で会った人間とか。飲みながら、あまりに自称連呼するんで、「いま、どこでどんなの書いてるんですか?」と聞くと、「いや、最近は書いてないんだけど」。

いま、YouTuberで何人かいるようだ。「オレは物書きだから(話題の記事や裁判案件の)文章がわかるんだよ」みたいな。現状、書く仕事メインではやってない人間。過去のことは知らない。一回ならいいが、ひとつの動画で何回も言われると耳障りで仕方ない。興醒めする。喋るたびにいちいち言わなきゃいけないんかいと。

そんなに肩書きにこだわるなら、一回でも二回でも、過去に書いた己の文章を動画に上げればいいと思う。それでコトは済む。だが、やらない。

考えたらわかるが、例えば、売れっ子の書き手(作家でもライターでも、みなさんが好きな書き手を頭に思い浮かべていただきたい)は「自分は物書き」なんて、わざわざ言わない。言わなくてもわかるから。

「元週刊誌記者」とか「元月刊誌記者」とかも意味がわからない。仕事していた雑誌の誌名を出せばいいじゃん。

自分は30年、一貫して「ライター」と名乗っている。ほかの自称はない。思うに、たぶん、「物書き」と自称する人間は、ライターを下に見てるんじゃないか。

一見、温厚そうに見えて、変にプライドが高い業界人。そして、年配の業界人(自分も十分年配の人間だが)。そういう人間が「物書き」をしつこく自称する。

やだやだ。

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