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大人の女性になりたい

先日、職場であまりの暇さにYouTubeを開いたら、懐かしの『金曜日の妻たちへ』というタイトルが飛び込んできた。
いしだあゆみさんの無造作なおろした髪が好きだったことを思い出しながら一話を観た。
すると止まらなくなり、あげられている動画を次々に一気見してしまった。


あの当時はロングスカートにきちんとブラウスをインして細い腰を主張していたファッションだったなぁと改めて思う。
ロングソバージュの髪の毛。
肩パッドが、カットソーにまでしっかり入っている。
おかげで顔が小さく見える。
身体も華奢に見える。
所作まで綺麗に見えるから不思議だ。
女性が女性らしいのだ。キラキラしている。
それでいて落ち着いた品があって大人の余裕が感じられる。
そう、そんないしだあゆみさんの、ふわっと髪の毛を掻き上げる仕草にどれだけぼうっとなっただろうか。


わたしはつい先日、髪の毛をミニボブにしてきた。
前髪をしっかり下ろして欲しいと言った。
大人の女性に見えるようにという、難易度高めの要望も付け加えた。
それを聞いた美容師さんが、うーんと唸った。
丸顔で目も丸く、団子鼻。
年齢でほおの位置は下がり、下ぶくれ。
加えて二重顎ももはや隠せない。
それでいて前髪ぱっつんのボブをご所望のおばさんに何て言えばそれを回避させることができるだろうか。
数秒のうちに駆け巡ったであろう問答が聞こえた気がした。


彼は逃げなかった。
持っている技術を総動員し、縦長のラインで子供っぽくなりがちなボブをすっきりさせ、あまり短くせず、甘さを出さない前髪を完成させた。
大人にしてみました。
彼は鏡の中でホッとしたように笑顔を見せた。
ありがとう。


50過ぎてもカッコいい大人の女になりたいのだ。

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