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「与えておいて、なぜ奪うの」ほんと、それな。おまけにそれミーガンのセリフ。

朝起きると、右の頬の耳寄りの部分にポチッとした何かができてて、痒い。
なんだろう、まったく。

それはさておき、やっとM3GANを見た。
M3GANってAIロボットと女の子と、それを開発した女性のお話。
響きが似てるけど、菜食主義者のお話ではない。
(こういうのピチピチの時には絶対言わなかったよね・・・。)

交通事故で両親を亡くした女の子を、おもちゃメーカーに勤めている優秀な叔母さんが引き取って育てることになる。
叔母さんはおもちゃ会社のお仕事で、フィービーみたいなロボットペットを作ってて、それなりに売れてはいるのだけれど、ちょっとお高いから廉価版を作るようにと会社から言い付けられて奮闘している。
かと思いきや、それはそれなりにやりながら、逆にもっと高性能なモデルを作って他社を圧倒する方がいいし、そっちの方が作りたいものだから、こっそり開発している。

引き取ることには決めたし、それを嫌がってもいないんだけど、独身のジェマ(叔母さん)は仕事人間だから、両親を亡くしたケイディにどんなふうに接したらいいかもわからないし、初めのうちは見てて「そりゃないだろ」的な部分も多々見受けられる。
おまけに今開発中の高性能お友達ロボットの方を優先させるような考えで、ケイディを利用する部分もある。悪気はないんだと思う、ああいう性格っていうだけで。

なんだかんだあって、ミーガンはこの世に生を受ける。もちろん優秀なAIロボットだからどんどん成長していくし(中身が)洞察力が半端なくて、まあ、生まれた時からなんだけど、ある部分では人間が敵うはずもない能力を身につけていく。

ケイディにとっては、両親がいなくなった部分を埋めてくれる最大のお友達だし、おまけに勉強も、躾もしてくれる存在。
何回言ってもトイレの水を流さないケイディとのやりとりなんて、人間の親だったらブチ切れて感情的に怒りそうなところも、言葉を選びながら何度もやらせようとする。
そのやりとりが結構好き。

ある日ジェマから「ケイディを心身的に守るのがあなたの役目」みたいなことを言われて(それは君の仕事だろと思うが)ミーガンはそれを忠実に、かつ想像以上の完璧さをともなって行動するようになる。
そりゃそうなるわ。

で、人間から見たら度をこして行動しちゃうものだから、結局、排除されてしまう。

映画の中で、大好きで信頼してるミーガンを取られそうになった時にケイディが叫んだ言葉がある。
「与えておいて、なぜ奪うの」

それだよね、なんでもそう。

ケイディ、その年で身をもってその経験をしたってことは、本当は素敵なことなんだよ。生きて行くってことは大なり小なりその繰り返しだったりするんだ。

いつもそう。

どこのどいつがそんな風に仕組んだのか、思いっきりなんの理由もない偶然でしかないのか知らないけれど、生きて行くってそんな感じみたいよ。
それにね、ミーガンからすれば、ジェマから命を与えられて、ジェマからケイディを与えられて、それを全部奪われた事になるんだよ。
そんな勝手な事ないよね。

誰から「与えられた命」かなんてはっきりわからなくて存在してる人間は、かわいそうだったり、奪っちゃいけないものみたいな暗黙の了解みたいな空気があるのに、確実に「与えた方」がわかる生命体(AIロボットだってあそこまでいったら、生きてるっていう感じするし)だったら「与えた方」の勝手で全て奪ってもいいんだ。変なの。

ミーガンはジェマからケイディに与えられた。それは間違いない。
だったらケイディは誰から両親に与えられたんだろう。
ケイディの両親は誰からケイディに与えられたんだろう。

ましてや生きていく時間を「与えられた時間」なんて表現することがあるけれど、それって「誰」もしくは「何」から与えられたのだろう。
与えられるって言葉には、はっきりとした「与えた方」の存在が必要な気がする。
ケイディの場合の「与えておいて、なぜ奪うの」はキチンと成り立つ。
「与えた方」がジェマだって明確にわかるから。

「与えられた時間」なんて表現はあんまり好きじゃない。
私たちの時間は、この世界に偶然生を受けた時から、自分自身で手にしながら進んでいく時間なんだと思う。その方がピッタリする。
誰にも与えられてなんかいない。

両親から与えられたんじゃ?って言う人もいるかもしれないけれど、だったらその両親は誰から与えられたの?両親の両親?これは卵と鶏みたいなもので、進化論的には卵だとか、生物学的には鶏だとか言ったとしても、どっちにしたってこんなに長い間、頭のいい人たちによって考えられてるのに結論は出ていない。

「せっかく与えられた時間なんだから」みたいな事いう人もいるけれど、だからなんだとも思う。
だからどうでもいいっていうのではなくて、時間の制約を受けない生き物なんていないんだから、その中でどう過ごすかってことを、自分発信で物事を考えたいし、行動したいって感じかな。

まあいい。ミーガンを見てそう思いました。とさ。

ミーガンのダンスがカッコ良すぎて、真似してみたけど土台無理。
演じてた女の子はなんかのダンスのチャンピオンなんだって。

ミーガン、クールだよね。
やりすぎかもしれないけど、やられた方にもやられた理由があるし、私の中から道徳心と理性を削ぎ落としたら、ミーガンっぽい行動に走らないとは言い切れない。
ちょっとだけ羨ましかったりする。
大切な人を、なんのてらいもなく守ろうとする強さ。
おまけにミーガンはチタニウム製の重たい体を失ったおかげで、もっと自由に存在できる世界で、色々楽しく謳歌できるみたいよ。やっちゃえ!

いつもこういう映画を見た時思うんだけど、なぜか、ミーガンとかレクター博士とか、そっちの気持ちの方がしっくりくるのはどうしてだろう。

昨日のnoteで書いた通り、メモったよ。
映画ノートの1ページ目がM3GAN




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