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お雛様でしたね。大人になってからの方がなんだか可愛い行事で楽しい気がする。

昨日は少し寒い日だった。
でも、この間までひっそりとしてたベランダの植物たちをよく見ると、ちっちゃな新しい芽が出てきてる。
毎年のことだけど、毎回だけどなんかすごいなと感じる。
冬はゆっくり英気を養ってるんだろうね。

紫陽花なんて近所のおばあちゃんからいただいた花を挿木して、ただそれだけのことなのに、毎年しっかり花を咲かせてくれる。
まだ花は先だけど、枯れて枝だけになってたそれに、緑の元気な葉っぱがもう結構のついてて、花の時期が来るのを楽しみにさせてくれる。

昨日はお雛様だったから、お寿司のケーキを作った。

寒かったから買い物にもあんまり気が乗らなくて、冷蔵庫にあるものお寿司ケーキだ。こんな時近くの好きだったスーパーがあったらすぐに買い出しに行って、もっと派手なものを作ろうと画策したはず。

とりあえず雑穀米にして酢飯をピンクっていうか若干紫?っぽくして、シーチキンとにんじんを甘く煮たものをその酢飯の間に挟んで、卵はあるから錦糸卵を作って、本当は桜でんぶが綺麗なんだろうけど、代わりにロースハムを微塵切りにして、焼き海苔も細かく切って散らした。
白があったらもっと綺麗かもと思い立ってキリチーズをちぎって載せた。

それだけでも華やかになって、ウキウキで美味しかった。
そんなのでも、何もないよりましってことで納得のお雛祭り。

お母さんたちにあげるお茶はジャスミンティーにしてみた。
今日は加賀棒茶。金沢に旅行に行ったときにカフェで出てきた、琥珀色のお茶の香りが良くて、味も気に入って時々飲んでる。

なんかの本で読んだけど、仏様は香りで楽しむらしい。
本当か?とは思うけれど、いいではないか、そんな事があってもと思うことにしている。

お父さんのところにはちゃんとしたお仏壇を置いてあるんだけど、あの人はお母さんに毎日お茶と炊きたてご飯をあげてる。
そしてそれらをお供えした後、オルゴールを鳴らす。一曲分。
お花とか果物はもちろんだけど、時々お母さんが好きだったプリンをお供えする。
「お母さん、このプリンが好きだったから」って。
お父さん、香りと一緒に音も届くといいね。

そういうのを見てると、お父さんより先に逝った方が幸せなんじゃないかとも思えてくる。
そうしたら、私にお花とかチョコレートとか、音楽とか毎日供えてくれるんでしょ?私にはしなかったりして。
今のうちに好きなものリストと、好きな曲リストを書いて渡しておこうかな。

でも、いつもお母さんに手を合わせる時「家族が健康で、私とか弟が楽しく過ごせるように、見守ってあげてください」ってお願いするらしい。
私が呑気に暮らしていけるのは、今でもお母さんのおかげだって言う。

ってことは私にもお願いするかなあ。
でも、私にお願いしても、なんだか頼りないなって思ってしないかもね。

だとしたら、やっぱり生きてて、今、お父さんがして欲しいことを叶えてやるしかないか。
しょうがないなあ、だったらそうするか。

私にいるはずの弟には子供がいる。女の子が2人。
この2人は本当に仲が良くない。
見てると性格がまるっきり違う。そしてお雛様になると思い出すことがある。

片っぽはこっそり地道に努力するタイプ。そして自分のやりたいことがはっきりしてる。片っぽは、いつも誰かに構って欲しくて、自分が一番注目されてないとあからさまに不機嫌になるタイプ。

自分が一番注目されてないと不機嫌になる方が先に生まれてるから、お雛様は先に来るわけで、おまけに初孫だから、うちのお父さんとお母さんから立派なお雛様を買ってもらってた。

当然、地道に努力するタイプにもお雛様が来るわけで、普通の家はどうか知らないけれど、私は勝手にそんなもの一家に1セットでいいんだと思っていたら、お母さんからもう1セット買うから、一緒に見に行ってと言われた。

そんなものなのねと思っていたら、自分が一番注目されてないと不機嫌になる方が、お雛様をリビングじゃなくて自分の部屋に飾って、私に買ってくれたものだから、妹には絶対触らせない大騒ぎしたらしい。

同じお父さんとお母さんから産まれても、こうだから不思議。
でも、こんな2人にも共通しているところがある。
お爺ちゃん(私のお父さんね)が大好きなのだ。

離れた場所に住んでたけど、夏休みとか冬休みとかそういう長期休暇の時は、うちの実家に入り浸る。
それもフルフルの期間。
そして、子供の頃からどっちがお爺ちゃんに好かれてるかで喧嘩する。

いい大人になってからも、いつも誰かに構って欲しい方の姪っ子は
「お爺ちゃんは、私のことが一番好きだから」とか、お爺ちゃんと離れた場所に暮らしている地味な妹にわざわざ電話までして言ったりする。

そいつがあんまりしつこくそんなこと言うもんだから、地味な妹は「〇〇ちゃん、そんなことないよね」ってこっそり私に聞いてくる。お前たちはまだそんなことが気になるのかと、いいかげん大人になれよと思う。どっちもどっちだろと。

孫に対して違いがあるのかと思って、お父さんに聞いてみたら
「どっちが好きとかあるの?」って聞いたら、
「どっちってことはないよ。どっちも可愛いさ」
と言った後、すかさず
「娘には敵わないけどね」と付け加えた。

そういうとこね、そういうとこ。
実は若い時、そういうとこ関係で、ちょっとお母さん以外の女の人に好かれて・・・みたいなことをお母さんから聞いたことあるんだから。
と思いながら、姪っ子よ、まだまだだなと内心ほくそ笑む私がいる。
あいつらもあいつらなら、私も私だ。

お父さん、なんか欲しいのかなあ。

まあ、でもどんなに頑張ったってお母さんには敵わないんだけどね。

鮭もイクラもないけど、まあいこれはこれで。






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