村田俊治さんのこと

村田さんとの初めての出会いは、スクリーンを通してでした。

機動警察パトレイバー劇場版。
1989年の夏、新宿松竹に、上智大学に通っていた戸梶くんと見に行きました。

映画の冒頭、富士の樹海で繰り広げられる自衛隊と無人レイバーの凄まじい攻防。
何だこれは?!こんな激しくすごい掴み、初めて見た!と、映画視聴開始1分で心は鷲掴みにされました。

その映画史に残るシーンを描き切ったアニメーターが、村田俊治さんでした。

三年後、僕が無責任艦長タイラーの設定制作として、ラジオ局の下請け制作会社からタツノコプロに転職した時、第二話の原画マンとしてリアル村田俊治さんと邂逅しました。

村田さんには「お前なんで転職してきたんだよ?」と訊かれ、その時に、劇場版パトレイバーの冒頭に感動して、あんなすごいもんが作れるならアニメもいいかと思ってみたいなことを話しました。そうしたら、「あれ描いたの、俺だよ」と。

一昨日、村田さんが亡くなられてたことを聞きました。

今年村田さんが出された著書にサインをもらう約束はどうなるんですか、村田さん。


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