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いつのまにか年下

密かに心の支えにしていた好きな映画に出てくるダメな主人公が年下になってしまった。「大学を出て何年とか言ってるけど、入るとき浪人してるかもしれないし!」とか勝手に都合のいい解釈を加えて誤魔化していたが、久しぶりに観直してみて、さすがに年下だと認めざるを得ないと悟った。

たとえフィクションとはいえ、自分より年上のダメな人間が楽しそうにしているのは救いだ。こいつがいるから大丈夫、と心のどこかで思えていろいろなことが楽になる。しかし、残念ながら彼らは歳を取らないので、こちらが歳を重ねるにつれて次第に歳の差は近づいていき、いずれ追い越すときがくるのである。

ダメなりに人生を楽しむ姿を見せてくれていた年上がいなくなることの喪失感は大きい。さらに、これまで拠り所にしていた分、あいつより年上になってしまったという事実が重くのし掛かってくる。あいつも今の自分の歳になったら地に足のついた生活を送っているのかもしれないな、などと考えると憂鬱になる。

大至急、ダメなおじさんがダメなりに楽しくやっている的な内容の好きな映画を見つけなければ。見たことないけど寅さんってそうなのか?だからあんなに皆に支持されているのか?わからないが候補の一つに入れてもいいかもしれない。あと名監督の皆様は40代のダメな人がダメなりになんとかやっている系の作品をじゃんじゃん撮ってください。


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