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それを気づかせるため

仕事で展望台に行った。展望台といえば付きものなのが「100円入れると見ることができる望遠鏡」だ。子供の頃何度か使ったことはあるが、感激するほどの景色が見られたためしはない。そこそこのズームに狭い視界。どう楽しんでいいかわからず、けど課金しているので一応終わるまで見るものの、「もっと見たかった」という感覚は皆無だった。展望台の100円望遠鏡とはそういうものだ。

むしろ望遠鏡から目を外し肉眼で景色を見たときに、改めてその美しさと広がりに感動した記憶がある。一度視界を限定することで、これこそが展望台の醍醐味だ!と再確認させられるのだ。一度喧嘩して距離を置くことで、友人以上恋人未満だった幼馴染の存在がいかに大切なものだったか気づく、みたいなものだろうか。

100円望遠鏡は、それを気づかせるためにあるのかもしれない。

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