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伏線鍋の季節

先日、地元の情報番組で新スタートのドラマのPRをやっていたのだが、司会のアナウンサーが「3つのストーリーが徐々に繋がっていきます!そしてあちこちに散りばめられた伏線が最後に全て回収されるということです!今夜放送の第一話にも伏線があるそうですよ!」と言っていて、なんと丁寧な説明なんだと感動した。「丁寧に説明していく」と言って何も説明しない系の政治家の皆さんは見習ってほしい。こちとら手取り足取り伏線回収の予告までしているのだ。サカナクションもびっくりの丁寧さである。

「伏線があります!」という予告は、もはや「コラーゲン配合!」とかに近い感覚だ。わざわざ食べる直前の鍋にでっかいコラーゲン玉を入れる演出をやる店があるが、そのノリである。でっかい伏線玉をお客様の目の前で鍋に入れて差し上げているのだ。ほら、見てください!伏線がたっぷり入っているでしょう?こうすることでストーリーに深みが出るんですよ!こんなにたくさんの量の伏線を入れるのはウチぐらいですね!後ほど係の者が取り分けますので存分に回収なさってくださいね!

ちなみに、料理にコラーゲンを後入れしても体内には吸収されず無意味だという説もあるが、そんな指摘は全くもってナンセンスである。欲しいのは健康効果などではなく「コラーゲンが入っているという事実」なのだ。なんとなくそれでテンションが上がっているのだから、実際に栄養としてどうなのかなんて関係ない。野暮なことを言うなという話である。

このところ朝晩がめっきり寒くなってきた。あったかい伏線鍋を楽しもうじゃないか。

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