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伸ばしてあるやつを

電車の前の席の人がグリコのカフェオーレを飲んでいた。座席の隙間から窓脇に置かれた紙パックが見える。見慣れたパッケージだが、久しぶりにちゃんと見たせいかなんだかやけに美味しそうに思えた。

グリコのカフェオーレの何がいいって、やはりあのミルクとコーヒーが混ざり合う様を描いたパッケージのイラストだろう。子供の頃あれを見てなんて美味しそうなんだ!と衝撃を受けたのを覚えている。イラストの躍動感の成せる技だ。テレビCMだとその混ざり合う様がアニメーションになっていたりして、これまた魅力的なのだった。

あとはなんといっても「カフェオーレ」という商品名である。「カフェオレ」ではなくあえて「カフェオーレ」にすることで生じる気品と特別感。それがこの商品の魅力をグッと高めている。この商品において、実は伸ばし棒こそが一番重要な部分なのではないか。会議で「伸ばしましょう!」と言ったグリコの社員は偉い。その後出世していてほしいし、伸ばし棒御殿でいい生活を送っていてほしい。

今度久しぶりにカフェオーレを買ってみようか。前にいつ飲んだかも覚えていないくらいだから、きっと懐かしい味がするに違いない。くれぐれも間違ってカフェオレを買わないようにしなくては。僕は伸ばしてあるやつを飲みたいのだ。

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