第66話 ホットライン ~ 小説「ドラゴン・タトゥーの少年 桜の朽木に虫の這うこと(三)」
「ディオティマを逃亡させるための手助けをしろ、か。アメリカもたいへんだな、マギー?」
「われらは国家とその国民ごと、質に取られているようなものなのよ。まったく、苦しい立場だわ」
総理官邸執務室。
内閣総理大臣・鬼堂龍門は、ホワイトハウスにいるアメリカ合衆国大統領マーガレット・ミンクスとホットラインをつないでいた。
「実質的にアメリカは乗っ取られてしまっている。あのいまいましい魔女と、そのパトロンである大ユダヤ会の資本力によってね。わたしは単なる傀儡なのよ。やつらの