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「愛国心はガラス細工?」/逢坂誠二 #7545

【23年8月29日 その5848『逢坂誠二の徒然日記』 #7545
党の役員会などのため昨夕、上京しました。夜明け前の気温は26度。多少雲がありますが、曇りのち晴れの予報です。予想最高気温は35度で、相変わらずの暑さが続いています。今日は久々に議員会館、そして党本部に入ります。

1)愛国心はガラス細工?
2014年の選挙の折に、縁があって私の応援のマイクを握ってくれた、一水会の元最高顧問だった鈴木邦男さんのインタビューが、週刊女性(2017年6月6日号)に掲載されました。鈴木さんは、いわゆる右翼と称される方ですが、私の思いと一致するところがたくさんあります。興味深い内容なので、全文を紹介します。

==以下、引用==

 政治団体『一水会』の元最高顧問である鈴木邦男さんは不思議な存在だ。愛国者を自認するのに「憲法は変えないほうがいい」と言って右翼から怒られ、「愛国心はあやしい」とまで言う。森友学園問題をきっかけに最近、クローズアップされている「愛国と教育」について、鈴木さんに聞いてみた。

(以下、鈴木さんの発言)

 50年ぐらい、愛国心に基づいた運動をやってきましたが、いいこともあったし素晴らしい人もいた。しかし同時に、でたらめなことをするのに愛国心に逃げ込んで、利用している人が残念ながらいるんですよ。

 例えば愛妻家とか、愛犬家だというのはわかる。犬も奥さんも実際にいる。でも愛国心ってわからない。国が証明してくれるわけではないですから。「俺は愛国者だ」と言う人にはいい加減だなと思う人たちが多かったし、森友学園問題を見ていてもそう思う。

 僕は純粋な意味での愛国心は必要だと思うんです。例えば、謙虚な民族だったことが素晴らしいとか、日本の日記文学は素晴らしいとか。でも、それは心の中で思っていればいい。

 ところが、愛国者の俺とあいつは違うとか、愛国者だから韓国は許せないと言って、よそに憎しみを向けて自分が愛国者であることを証明しようとしているのが、いまの愛国心。愛国者なのに、愛がないんです。

 近隣諸国と仲よくする。少なくとも戦争はしないという合意を取りつける。それがいちばんの安全保障。なのに、韓国、中国に負けるな、やっつけろ。軍備を強固にしろ、核を持てなんていう人もいます。国家が強くなったら自分まで強くなれたような錯覚を持つ。反対ですよ。国家が強く大きくなるほど、反対にひとりひとりは弱くなる。

 強い日本、強い憲法を作ろう、軍備を増強しろという男性は、自分たちのテリトリーに踏み込まれるのが怖い。女性に対してもそうです。企業でも政治の世界でも女性がどんどん強くなって、活躍するのを恐れている。昔は親父がしっかりしていて、お母さんはおおらかに支えて、子どもはお父さんの言うことをよく聞いた、それこそが日本の家庭だと言う。復活せよと訴える。女性天皇反対も同じ構図でしょう。右傾化って、要は男性化なんです。

==以上、引用終了==

つまり鈴木さんは、真の愛国者は、自分を愛国者などと誇らない。真の愛国者は、他国を貶めるようなことで、自国の存在を誇ったりはしないだろう、こんなことを言っているのですす。全く同感です。

さらに「国家が強く大きくなるほど、反対にひとりひとりは弱くなる」、この言葉は重たく感じます。

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「愛国心はならず者の最後の逃げ場」、これは、18世紀のイギリスの文学者であるサミュエル・ジョンソンの言葉です。シェイクスピアの研究で有名な方です。

原文は、Patriotism is the last refuge of a scoundrel. です。

原文を「愛国心は政治家の最後の口実」と意訳する人もおりますが、この訳の方がわかりやすいかもしれません。

政治家が、愛国心を強調するときは、何か裏があると思った方が良いのです。

私は愛国心はガラス細工のようなものだと捉えています。美しい、綺麗、魅力的なものです。しかし手荒に扱うとすぐ壊れて、多くの人を傷つけてしまいます。愛国心というものを大きく振りかざすと、粉々に砕け散ったガラス片が、多くの人に刺さってしまいます。当然、自分にも刺さります。愛国心は大切なものですが、落ち着いて大切にしておくべきものだと私は考えています。

(今日のこのテーマは以前に書いたものを多少修正したものです。鈴木邦男さんと会いたいですね。改めて鈴木さんに哀悼の誠を捧げます。)

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.8.29===

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