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経済的豊かさと精神的豊かさは、必ずしもイコールではないという現実と、私なりの幸福論

皆さんは、幸福度の頭打ちの話を一度は聞いたことがあるかと思います。

年収800万までは、幸福度は年収に比例するが、800万を超えるといくら年収が上がっても幸福度は上がらないという話。

つまり、お金を稼げば稼ぐほど幸せになれるというわけではないということ。

日本とアメリカ、どちらの研究や調査でも同じような結果になったそうです。幸福度が上がらない理由としては、1000万以上になると付き合う人たちの年収が青天井になり、どれだけ稼いでも「上には上がいる」ということを痛感させられて常に満たされない思いを抱えるとか、5000万や1億稼ぐようになると同じ金銭感覚で遊べる人がいなくなり孤独を感じるとか。
そういったことが言われているようです。

そして私自身、年収800万を超えたあたりで「頭打ち感」は感じてしまいました。
たかが800万でわかった風な口を聞くなと言われるかもしれませんが、あくまで私個人が思ったことを書かせていただきます。

まず、私が年収800万に辿り着くまでの道のりを簡単に書かせていただきます。

私は底辺レベルの学歴なので、新卒で入った会社は都内の中小企業。当時の年収は、はっきり覚えていませんがおそらく350万くらい。家賃は5.8万か6.8万でした。

数年働いたのちに結婚して専業主婦になりました。最初は好きなことをやらせてもらっていましたが、子供のいない専業主婦なんて本当に暇なんですよね。
なので、派遣社員として働き始めました。そのころの年収もおそらく300万円台だったと思います。

派遣を2社くらい経験した後に、縁があって正社員としてお声がけいただいた会社があったので、派遣をやめて転職しました。

そこでの年収は、最初は500万くらいだったかと思います。そこで働き続けて6年後くらいに年収800万を超えました。

私の場合は、自分の年収が700万を超えるくらいまでは結婚していたため、年収800万の壁というのを感じにくい状況ではありましたが、おそらく世帯年収を一人当たりで割ると年収700万くらいの生活が数年続いていたかと思います。

離婚した頃に800万になり、一人暮らしを始めて完全に「年収800万の生活」となりました。

そこで得た感想はやはり「稼げるものならもっと稼ぎたいけど、これ以上稼いでも貯金するだけかな…」というものでした。

これ以上稼げるものなら稼げきたい。でも、今よりもっと忙しくなるのは嫌だし、そこまでして欲しいものもない、という感じです。

年収5000万を超えると時間に余裕ができるようですが、年収800〜1000万あたりというのは、すごく忙しいらしいです。
私の場合は、すごく忙しいということはありませんでしたが、精神的ストレスがとても大きかったです。

いわゆる中間管理職で、部下と経営側との間で常に気を揉みイライラしていました。そのイライラの発散方法は、とにかく寝るか買い物をするか。
若い頃はお酒を浴びるように飲んでいた時期もありますが、もうそこまでお酒への情熱はなく、寝るか買い物で紛らわせていました。

買い物は主に洋服や靴です。そしてたまにバッグなど。
常に、次はどのバッグを買うかということを考えながら、でも欲しいのにすぐには買えないという焦燥感を抱いて、ここでも結局ストレスを抱えていました。

さらに、時はコロナ禍。基本的にはリモートワークだったので、新しいアイテムを買っても身につけていく場所があまりないんですよね。

休日に出かける用事があればその時に使いますが、休日というのは大体月に8回程度。休日に毎回出かけるわけでもないので、人にあったりきちんとした場所に行くのは月に4回くらい。

あたらしい物を買ったとて、お披露目する機会がほとんどないんです。

それに、私の場合は、ということになると思いますが、これといった趣味がない上に消費し続けることに焦燥感を抱くタイプでした。

毎週のように通っていたレストランは、単価1.5万くらい。そしてたまに3〜4万の店にいく。毎月4〜5万は洋服を買い、冬には定価30万のコートをセールで16万ほどで購入するなどしていました。

高級なレストランに行くのはもちろん楽しいです。上質な料理、接客、雰囲気、特別感。特別なルートがないと予約できない紹介制のレストランで、プラチナシートと呼ばれる席に座ればもちろん高揚感はあります。

でも、それを何度も繰り返しているうちに、高揚感は薄れていくんですよね。
では3万円のお店に行っていたのを5万にして、次は10万にすればいいのかというと、もちろんそんなわけではない。

特にグルメでもない私の個人的な感覚としては、一人当たりの単価が4万を超えると、あとは大差ないように思います。

高級食材が多用されるようになるとか、高級ワインを飲むなどで単価はいくらでも上がっていきますが、あくまでそれはそういう希少な食材に払っているお金なだけなので、素敵な空間で美味しい料理をいただくという経験のMAXは4万円。あとは原価費が上乗せされていくだけなんだ、と考えるようになってからは、高級レストランへの情熱も薄れてしまいました。

ただ、これは私の場合の話なのでもちろん、「そんなことはない」と思われる方はたくさんいると思います。

幸福とお金は切ってもきれない関係です。
お金で買えないものはもちろんありますが、とはいえほとんどのものはお金で買えたり、解決できたりします。

幸せになるためにお金は絶対に必要ですが、お金だけだと頭打ちになります。
そこで必要なのが、適度な渇望なのかなと思います。
どんなにお金持ちになっても、「こうなりたい」とか「これが欲しい」や「こういうことをしたい」などの渇望。それって結局希望なのかなと思います。

ただし、渇望だけではなく渇望以上の「潤い」も必要です。
潤いは、安心や安定という言葉にも置き換えられると思います。

きっと、年収800万が渇望と潤いのバランスが逆転する地点なのでしょう。
年収800万までは渇望の方が自分の中に多く存在する。でも、年収800万を超えると渇望よりも潤いの方が多くなる。そんなところかと思います。

だから、年収800万を超えてもなお、「渇き」を持っていられる人こそが、真の幸福な人生送っていると言えるのかな。
それをひとまずの私の中の答えにしたいと思います。


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