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10年前からリモート婚ーたまに、あの人の変な意思表示を感じます。(10)

※これまでのおはなし。

全くもって霊感のない「わたし」。

夫が空へと旅立ったのに、夫は夢に立つこともなく、化けて出てくることもなく、悲しくさびしい日々過ごしていました。

が、ある時に気づいてしまいました。

あれ……

これ、あの人(夫)の意思表示!?

なんの意思表示だよ!!

という、たまに、謎の、あの人の変な意思表示を感じる時が出てきました。

おかげでちょっと前向きに生きていられる、「わたし」の備忘録です。

今回が最終話となります。


わたしたちの交際はスローライフ恋愛だった?

夫との付き合いは、スローライフといってもいいくらい、ゆるく長く細々としていました。

初対面から交際まで4〜5年、交際から結婚まで6〜7年、結婚から夫が先立つまで7〜8年。

ようやく、交際期間<結婚期間 になった!という矢先でした。

なんか見かける・いたな〜という存在から、某サークル・コミュニティ内の仲間に、仲間としてアレコレお互いに活動したり膝を突き合わせて話し込んだりしているうちにようやく交際=遠距離恋愛になり、ほぼ毎日の電話と2〜3ヵ月に1度のデートを積み重ねての結婚です。

いまこうして文字に起こしてみると「長っ!!」「まどろっこしいなあ!」って思いますね…

こんな長くゆるい、わたしたちの交際期間でも続いたのは、「結婚」を見据えて、お互いにほどよい安心と信頼があったからと思いますが、

ほんと、かなりゆるかった。

遠距離恋愛をつないだツールはほぼ電話だったのですが、ただテレビを見るだけなのに通話にしっぱなしとかはしょっちゅでした。もとい、それが日常でした。

電話の向こうから彼の笑い声が聞こえてくると、一体どの瞬間で笑ったのかを確認したくなったり、お互いにその場で感想を言い合ったり。

これは遠距離恋愛あるあると思ってます。今のYouTubeの実況系みたいな状態。

さらに彼(夫)の話があまりに面白いので、一時期は電話しながら「文字起こし」したり。彼(夫)は話し上手を通りこしてたので、大喜利をはじめたり、替え歌を披露してくれたり、電話の向こうから笑わせてくれることが多かったです。

彼(夫)は「話してストレス発散」するタイプでもあったので、電話は9割が彼からの着信でした。

「なんでそっちから電話かけてくれないの?」

と言われた時には、「わたしから電話する暇もないくらい、毎回かけてくるからだよ!」と言い返すくらいでした…裏を返せば、うまい具合に私がさびしくなる暇もなかったです。彼(夫)の話したがり屋が功を奏したのかもしれません。


10年前に「リモート婚」をプレゼンした過去


しかし、ずっとゆるく平穏だったわけではありません。

交際期間から結婚に至るまでの長い期間、時に「結婚する際どうしよう?」という話題も積み重ねてきました。

夫は兄弟で長男、わたしは姉妹で長女(家長)。

「長男が実家を引き継ぐもの」

「いやそっち男いるから長男関係なしに来てくれても!」

「いやオレ、シティボーイだからミニストップない所に住むの無理」

「住まいはシティボーイに合わせるから籍だけ入れてくれない?」

…とまあ、こんな平行線をただただ突っ走るやり取りを、比較的穏便に行っていたわけです。長男・長女が家長(男兄弟がいない)の結婚は…まあ色々あるわけです。

そこで私が思いついたのが「リモート婚」とも言える、自分たちなりの結婚生活スタイルでした。

・結婚しても今まで通りにお互いに実家暮らし

・子供が出来た際に生活スタイルを見直す

・お互いの両親を看取る等したら2人で同居する

要は、遠距離恋愛のまま籍を入れて私たちの関係さえ「公式」にしてしまうだけでいいんじゃないか?という提案・プレゼンをしたんですよね笑

・2人が互いに認め合い愛し合い信頼していればぶっちゃけ結婚しなくても、わたしは良い

・結婚は「交際の公式化」なので法律的な部分、相続等のメリットは受容したほうが良いとは考える

・結婚すれば会いたい時に堂々と会える!子供がいつできても公式化している点では問題なし!

・籍をどちらに入れるか問題はさておき「家にいてほしい」という互いの両親の願いも叶えられる

・お互いに今の仕事を続けられる(辞めなくても良い)

……‥。

いや、わかります。

なにこの「愛人でもいい宣言」……と今の自分でもちょっと思います。^^;

約10数年前の私、何言ってたんだろうなあとも思います(笑


で、彼(夫)の答えは……


「一緒に暮らさないんじゃあ、いやそれじゃあ結婚する意味ないだろ」


はい、却下です(笑

”わたしのかんがえたさいきょうのけっこん”=「リモート婚」は、彼(夫)という仲間であり親友でもあり戦友であり最愛の人だからこそできる提案・やってもいいプランであって、その彼(夫)がNOといえば、即取り下げです(笑

この形の恋愛・価値観にYESと言ってくれる人とじゃなきゃ結婚しない・パートナーではない、ではないんです。

彼(夫)とわたしが、どうやったら現状維持以上の関係にステップアップできるのか?といったことを考えた末の、わたしなりのプランです。笑


かくして『リモート婚』プレゼンはあっさり撃墜・終了し、彼から夫に、彼女から妻になる際に、仕事と姓を取り払って彼の元に行きました。

望まず「リモート婚」になった今。

さて。

結構な歪曲化はされているものの、「謎の夫の意思表示的な何か?」を語りたくなった理由に2つ、思い当たることがあります。

まず1つが「わたし以外に夫の面白さ・ユーモアさ・おちゃめさを語れる人はいない」ということ。ディスニー映画の『リメンバー・ミー』みたいな気持ちといえば、なんとなく伝わるでしょうか…。

もう1つが、「謎の夫の意思表示的な何か?」をほどよく受け入れられるようになったら、少し日常の景色が明るくなりました。

はっきりいってしまえば、霊感とか霊能力者やスピリチュアル系に依存しすぎて身を滅ぼした人、身内や周囲の人たちを傷つけまくった人を知っているからこそ、私は「変な意思表示」は自分の思い込みや幻想に過ぎない…としていました。

実際、「あの人(夫)の変な意思表示」と思っている全ては、ただの私の勘違いの思い込みかもしれません。

でも、「謎の現象」が、規則性と謎にうまく行き過ぎる偶然性が重なりすぎた時に「謎の現象」を「あの人(夫)の変な意思表示(仮)」と命名したら、目の前の全てがちょっとだけ、明るく優しくなった気がしました。


なので…


今でもたまに、あの人(夫)の変な意思表示を感じることがあります。


ランダム再生で流れてくる曲が突如意味をもたらしたり、

ネット環境を整えたのにタイミングよく電波妨害が起きたり、

晴れてほしい時には必ず晴れたり。

普通にしていたら会えないような人や仕事・物事と接するようになったり。


霊感まったくないので、マジで夫の気配とかなんにも感じないけれども

「なにやら夫の意思表示なのかコレ…」

と思わずにはいられません。


ビジネスの師匠に唐突にこんな感じのことを言われたことがあります。


「見えない旦那さんとのパートナーシップ、愛が深すぎるよね」


「愛が深い」にはピンとこなかったのですが。

「見えないパートナーシップ」


そうか…


今、わたし、夫と「リモート婚」状態なのか…!


10年前、わたしと夫の住まい(ふるさと)との「リモート婚」推してたけど

今まさかの、人間界と非人間界との「リモート婚」…

見える世界と見えない世界の「リモート婚」か…


そう考えたら、ちょっと面白いかもです(笑


リモート婚、新しい価値観としてアリと思ってます!


あの人(夫)の変な意思表示を感じる時、

わたしはちょっとうれしくて陰で泣いたりもしますが、新しい価値観とアイデアと人との出会いをもたらしてくれることに感謝しきりです。


霊感とか夢見とか全くできない私のような女性でも、あの人(夫)の変な意思表示を感じる=わたしと夫とののろけ話な物語をつづったnoteで伝えたかったこと。


このnoteは、

日常のどこかに、あなたが歩む人生のどこかには、

大事な人の存在だったり、思いや言葉が「溶け込んでる」「サインを出している」から、

どうか気づいて、思い出して、受け取れますように、

そしてあなたの日常がちょっとでも明るく楽しくなって、泣いた分以上に笑えますように!


そんな思いと願いを込めて書き終わります。

(完)


追記:

なぜこんな物語があるの?と思った方などは、こちらの一番はじめの物語を参照してみていただけたらと思います。


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