「丁寧」という評価

ここ一ヶ月ほどの間に、色々な場面で自分の成果物に対して「丁寧ですね」という評価をいただくことが立て続けにあった。ここでいう成果物とは大学の課題に限った話ではないが、いずれもいわゆる提出物の類であって、何かしらフィードバックをもらえること自体は不思議ではない。しかし、自分の成果物に対してことさらに「丁寧」などという評価をもらう経験がほとんどなかったのでびっくりした。と同時に、嬉しかった。以前はどちらかといえば丁寧さよりも速さを自分の成果物のアイデンティティにしていたので、クオリティを多少犠牲にしてでもとにかく短時間で何かを形にするということを目指していた。それもあってか、「こんなにすぐにできたんですか!すごい!」という好意的な驚きをもらうことはあったが、一方で丁寧さを褒められたということはあまり記憶にない。クオリティを犠牲にして得た高評価にはいつも暗黙の枕詞がつく。すなわち「"作業時間のわりには" すごい」と。この枕詞はずっと喉の小骨だった。でもこの一ヶ月でもらった「丁寧」という言葉は、枕詞のない、純粋なクオリティへの評に感じられた。もちろん、クオリティよりもスピードが優先される場面だって世の中にはたくさんあるわけだから、どちらの姿勢が良いのかは一概には決められない。しかしそれはそれとして、「丁寧」という評価は想像以上に嬉しかった。という話。

よろしければサポートお願いします!