先日夫が
私の母が認知になった時私がどんな気持ちだったんだろうと今考えるんだ、と言った。

夫の父が91歳となり、その父が衰え認知症になったらどうすればいいのかを考え始めたのだろう。
夫は最近父親が話をしたことを忘れていたり、ちょっと理解力が落ちてきたことをその度に「あー、とうとう来たか」とすぐ悲観的なことを言う。
私からしたら91歳なのだから当たり前で、
その年齢にしては記憶力もいいし、身体的にもまだまだ元気だ。
色々事情があり高齢者マンションに入居はしたがまだ要支援1で自立している。

自分の親の老いを目の当たりにすると人はうろたえるのだろう。
母が施設にいた頃入所者の家族を見ても人により親に対する対応は全く違った。
いつまでも「何やってんのよ！」と受け入れられず苛立ちと怒りの感情から抜け出せない人。
全く関心のない人。
受け入れて親が機嫌よく快適に過ごするようにと思う人。

勿論、それまでの親子関係で変わって来るのだろうけど。
逆に今まで酷い扱いを受けたから私もと仕返しをしようとする人もいるのかもしれないが
仕返しをしてどうするのだろう。
そんな自分を愛せるのだろうか、と疑問に思う。良くも悪くもその人の親への依存度によるのだろうか。

そして、夫が言った言葉を聞いた時、私は思った。

私が母の認知が急に進み、自宅でみるのか施設に入ってもらうのか悩み、施設で発症した脳出血で胃瘻を受け入れるかどうかの判断を迫られ、繰り返し誤嚥性肺炎で入院して右往左往している時、夫はどんな気持ちでいたんだろうか。
私があの時どんな気持ちでいたか、と何故今考えるのだろう。

やっぱり人は自分のことにならないと深くは考えないものなのかもしれない、と。

まあ、私のことで気に病んで不機嫌になられるよりは深く考えないでいてくれた方がいいかもしれないけれど。