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後何年

せねばせねばと思っていた両親の介護や病院、亡くなった後の手続き書類などの処分をした。
介護保険を目一杯使いながら父が足腰の悪い母を診ていたのだが、ある日父の末期肺がんが見つかり入院、同時に母は認知症を発症あっという間に進んだので特養施設に1ヶ月の最終日のみ自己負担になるショートステイのロングで入所。
父がはそれから1ヶ月後には亡くなってしまった。

書類を見ていたらこの時両親は後何年で自分がいなくなるなんてわからなかったのだなぁ、、、となんとなく思った。

そして
あの時すぐ介護ベッドを返却などせず少しでも
実家で母と私で暮らしていれば母の認知もあれほど急激には進まずその後の生活も実家でヘルパーさんに来てもらいながら一人でも生活できたのではないのか、と言う自責の念が押し寄せてきた。

それこそあの時は
その後こうなるなんて私も想像しなかったし余裕もなかった。

そう思いながら処分をしていると
考えても仕方がないものに
引きずり込まれてしまいそうになった。

でも、私は悲劇のヒロインにはなりたくないし
なれないからね。

そんなことを考えていてふと思ったのだけれど
「してあげられなかった」と言うことより「どうしたいのか聞かなかった」ことの方が良くなかったのかも知れないと思った。
その通りにはできないとしても聞いた上で、ではどうするかを話せばよかったのだろうか。
認知が始まったと言っても父が動けなくなったショックで混乱もあり認知がすすんだもかもしれないのに。

実家近くの施設からほんの少しの間家に寄った時、車からうちの中へ頑張って歩いて入り、いつもは決して言わない「頑張らなくっちゃ」と言った母が忘れられない。

今振り返っても仕方がない。
そんなことをくよくよ考えていても仕方ない。
あの時5年後には二人ともいなくなるなんて知らなかったんだから。
と自分をなだめてみた。

そんな日も時々あるよね。