◎それでも旅するカフェ/近藤史恵 おいしい人 2024年1月14日 08:42 シュークリームを一口かじる。最初、甘くない、と思った。乳脂肪の豊かな味がして、その後シュークリームの香ばしい香り。それからやっと砂糖の甘さを感じた。チーズクリームの文字を見た時は、もっと濃厚なものを想像したが、驚くほど軽い。なにより甘さがかなりの控えめなのだ。それでも物足りなくないのは、牛乳のおいしさがはっきり感じられるからだ。クリームチーズと生クリームの中間くらいの爽やかさだろうか。癖がないので、子供だって嫌いではないだろうが、お酒にも合いそうな気がする。それでも旅するカフェ真っ赤なスープはトマトではなく、ビーツの色なのだろう。野菜と牛肉がゴロゴロ入っていて、おいしそうだ。湯気に誘われるように、まずスープを一口。思ったよりずっとさっぱりしている。それでもたくさん入った野菜の複雑な甘みが出て、とてもおいしいし、なにより身体が温まる。それでも旅するカフェカフェ・ルーズのバインミーはおいしい。レバーのペーストのようなものと、大根とにんじんのなます、パクチー、薄切りのローストポークが、少し柔らかいフランスパンに挟まれている。なますと、レバーペースト、パクチーとバターとニョクマム。フランスとベトナムの味がうまく馴染んでいる。それでも旅するカフェサンドイッチと聞いていたが、サンドイッチのイメージとは全然違う。四角いなにかが皿にのっていて、たっぷりと溶けたチーズがかかっている。更にその上に目玉焼き、トマトソースのようなものがかかっていて、まわりにはフライドポテト。そしてパンの中には、サラミやソーセージや焼いた牛肉が挟まっている。それでも旅するカフェピタパンからあふれそうなくらいに野菜とひよこ豆のコロッケが詰まっている。ミントティーはドライハーブではなく生のミントがたっぷり使われている。それでも旅するカフェチョコレートがかかっているのは、表面だけだ。中は白いムースとスポンジが層になっている。見たことないケーキが、とてもおいしそうだ。ミントの葉を飾り付けた「鳥のミルク」が前に置かれる。フォークを入れると、とても柔らかい。口に運ぶと、甘い風味が広がる。ムースはカスタードだろうか。優しいケーキの味に、表面にかけたチョコレートがアクセントになっている。それでも旅するカフェ見たことも聞いたこともないスイーツがたくさんでてくるけど、食べてみたいなあって思える。それは近藤史恵さんの素敵な食描写のおかげだろうなあ。 それでも旅に出るカフェ www.amazon.co.jp 1,707円 (2024年01月14日 08:41時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する ダウンロード copy #料理 #本紹介 #近藤史恵 #それでも旅するカフェ この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート