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【開催レポート】『移民の子どもの隣に座る』読書会【著者・玉置太郎氏参加】 2023年12月2日(土)

今年10月末の新刊書『移民の子どもの隣に座るー大阪・ミナミの「教室」から』を課題本とした読書会。
多くの「移民」が暮らす大阪・島之内。そこにある移民の子どもの学習支援団体「Minamiこども教室」。この教室でボランティアを続けた新聞記者が「共生」の在り方を問う話題のルポルタージュが課題本です。

大学生から定年退職された方まで、幅広い年代の男女が集まりました。
主催者さまにとって初めての読書会が主催側ということもあり、開始時間まで緊張されていました。参加者の中には読書会主催経験のある方がいらっしゃり、読書会のアドバイスを行って緊張をほぐされていました。

最初に著者・玉置氏の自己紹介と執筆までの経緯を話されます。
10年以上Minamiこども教室のボランティアを続け、その間には2年間のイギリス留学。帰国後も週に1回ボランティアとして足を運んでいるそうです。
未読の方のためにと、Minamiこども教室について写真付きでの説明も。カラーで見ると、普段の風景が鮮明に見えます。

Minami子供支援教室の写真を見せる玉置氏

説明が終わると、参加者ひとりひとりの意見や質問について、玉置氏が答える時間に。
多くの方からでたのは「読みやすい」という意見。これは玉置氏も意識して書いたそうです。言葉にもこだわりがあり「移民のルーツを持つこども」という言葉を選らんでいます。その理由はぜひ本書を手に取ってお確かめください。

取材の様子は朝日新聞にて連載されていましたが、なぜ本にしたのか、という問いも。記事より本のほうが読者のレスポンスがよいのではないか、という考えがあったそうです。参加者には記事を読まれている方もいましたが、本になったから知ることが出来た、という方が多くいらっしゃいました。

ボランティアを続ける苦悩もお話しされました。続けるには時間の余裕が必要だったり、若い人は価値を見出せずやめてしまったりと、本書の中でも書かれています。読書会参加者の中にもボランティア経験者の方がとても共感されていました。学生ボランティアには短期的には見えない価値を見出してほしい、という言葉が大学生の私には刺さりました。

ボランティアのヤマダさん、ロンドン留学中に出会ったカリムなど、著者・参加者ともに印象深い人物の話題も多く出ました。本書には書かれていない人物についても話され、こども支援教室には多くの方が関わっていることを実感しました。

満席だったこともあり、2時間を超えてもまだ足りないのではないかという盛り上がりでした。最後は時間が足りず、質問しきれないという参加者も。読書会終了後にはサイン会もありました。

アカデミズムとジャーナリズムの間でいたい、という玉置氏。移民や移民のルーツを持つこどもと今後どのように関わればよいのか、本書を読めばヒントを得られるかもしれません。

【書誌情報はこちら】
朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:移民の子どもの隣に座る (asahi.com)

文責:青谷夏野



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