#8 この映画、どこか変。
※ ネタバレ含みます!!!
『トップガン マーヴェリック』にはすこし妙なシーンがある。しかも1つではない。まずは映画冒頭、マーヴェリックが極超音速機"DarkStar"のテスト飛行を行うシーンだ。
この音速機は航空史上未だかつて到達したことのないスピード、「マッハ10」の壁を破る。第1部で記したが、音速の単位「マッハ1」が既に時速1225キロメートル。"Darkstar"は私たちが普段使う民間機の約14倍もの速さで飛ぶ。「マッハ10」がいかに意味不明なスピードかご想像頂けるだろうか。
まだほんのり薄暗い朝焼けの空を、一筋の閃光のごとく翔びぬけてゆく漆黒の機体 "Dark star"。その様はこの上なくドラマティックでありながら、どこか霊的なものを感じさせた。加えて、あのシーンが何の為にあったのか私にはよく判らなかった。
もちろん、「マッハ10」に挑むため実験飛行する必要があったから、というのはまず物語上の正当な理由としてある。そして、これまた歴史的名作『ライトスタッフ』(1983) へのオマージュであるという事実も見逃せない。『ライトスタッフ』も"新型戦闘機X-1"で音速「マッハ1」に挑むというミッションのシーンから始まる。『トップガン マーヴェリック』の監督ジョセフ・コシンスキーも、『ライトスタッフ』からインスパイアされたとインタビューで話している。
スーツにもご注目!
あるいはマーヴェリックというキャラクターの性格や人間性を観客に最初に理解させるためのシーンと単純に考えても良さそうだ。前作を観ていない人にも彼の破天荒ぶりや限界を越えようとする挑戦的な人柄が一発で伝わる。
「じゃあもうそれで十分じゃないか!」という声が聞こえてくる...確かに。けれども私は、加えて、あのシーンにこんなメッセージが託されているようにも思われた。
「マーヴェリックは本当は存在しない」
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