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SNSのスクロールをパーキンソン病の治療法に変える「Scrolling Therapy」

Summary

ブラジルの製薬会社Europharmaは、パーキンソン病の治療法として1日に約40分間顔の筋肉を動かすフェイシャルセラピーが有効であるにもかかわらず、その運動が肉体的および精神的に疲れるため、実際にこれを行っている患者が全体のわずか3%に過ぎないという問題に焦点を当た。

この問題の背景には、「40分間のセラピーはただ耐え忍ぶしかなく、苦痛である」というパーキンソン病患者の認識がある。

しかし、その認識の奥には、「楽しく、無理なく表情を動かす方法があればいいのに」というインサイトが隠れている。このインサイトに応えるため、Europharmaは「SNSをスクロールすることは夢中になれる。1日に平均2.5時間を費やしている」という事実と、「顔の表情は顔認識AIツールでトラッキングできる」という技術に着目した。これらを組み合わせることで、SNSを夢中でスクロールする行為を、フェイシャルセラピーに変えられるのではないかと考た。

そこで、顔認識を使用してSNSを閲覧する革新的なモバイルアプリケーションを開発。これは、患者が行うフェイシャルセラピーの重要な練習をSNSへのコマンドに変換するアプリである。

このアプローチにより、「フェイシャルセラピーは、苦痛と向き合いながら捻出する時間ではなく、日常に溶け込む自然な時間である」という気づきを通じて、パーキンソン病の患者に無理なく楽しい40分間のフェイシャルセラピーを提供することに成功した。



Deconstruction


Brand

Europharma - ブラジルの製薬会社。

Target
パーキンソン病の患者。

Objective
パーキンソン病の治療法として1日に約40分間顔の筋肉を動かすフェイシャルセラピーが有効であるにもかかわらず、その運動が肉体的および精神的に疲れるため、実際にこれを行っている患者が全体のわずか3%に過ぎない → たくさんのパーキンソン病患者が40分間のフェイシャルセラピーを行うようになる。

Barrier
40分間のセラピーはただ耐え忍ぶしかなく、苦痛。

Insight
楽しく、無理なく表情を動かす方法があればいいのに。

Thought starter
「SNSをスクロールすることは夢中になれる。1日に平均2.5時間を費やしている」という事実と、「顔の表情は顔認識AIツールでトラッキングできる」という技術に着目。これらを組み合わせることで、SNSを夢中でスクロールする行為を、フェイシャルセラピーに変えられる。

Idea
"Scrolling Therapy"
顔認識を使用してSNSを閲覧する革新的なモバイルアプリケーション。これは、患者が行うフェイシャルセラピーの重要な練習をSNSへのコマンドに変換するアプリ。

Transformation
フェイシャルセラピーの価値変容
苦痛と向き合いながら捻出する時間 → 日常に溶け込む自然な時間

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