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レバノンに自由で公正な声を取り戻す「Newspapers-Inside-the-Newspaper Edition」


Summary

レバノン国民の権利のために一貫して戦ってきた、言論の自由と報道の自由に対して大胆な立場を取ることで知られるレバノンの新聞、AnNahar(アンナハル新聞)は、レバノン政府による批判者への迫害が新聞の廃刊やジャーナリストの暗殺につながっている問題に切り込んだ。

この問題の原因は、腐敗したレバノン政府にあるが、「新聞が政府にコントロールされるはしょうがない」という、レバノンの市民やジャーナリストの諦めに近い認識もあった。

その認識の奥には、「新聞が消滅しても、自由に意見を表現する権利は失いたくない」というインサイトがある。このインサイトに応えるため、アンナハル新聞は「新聞の誌面は部分的に他の新聞に貸し出すことができる」という事実に着目。廃刊された6紙をアンナハル紙の中で復活させることで、自由で公正な声は決して沈黙しないことと、その声を取り戻すために、国民が行動を起こすきっかけとならないかと考えた。

そこで、同紙の元編集長が暗殺された日に、2011年から2020年にかけて政府の弾圧により廃刊になった6紙を復活させた「新聞の中の新聞」。それぞれの誌面はかつて指揮を執っていたジャーナリストらによって、自由な意思の報道が書かれた。迫害を恐れて永遠に沈黙すると思われていた出版物に、自由で公正な声を取り戻した。

このアプローチにより、「新聞とは、政府にコントロールされるメディアではなく、誰にも沈黙させられないレバノン国民の声である」という気づきを通じて、国民の間で、自由で公正な報道についての会話が火をつけ、雪だるま式に運動へと発展した。言論の自由を擁護する国会議員もこの新聞についてコメントし、レバノンの明るい未来を約束した。



Deconstruction


Brand

AnNahar(アンナハル新聞) - レバノン国民の権利のために一貫して戦ってきた、言論の自由と報道の自由に対して大胆な立場を取ることで知られるレバノンの新聞。

Target
レバノンの国民。

Objective
レバノン政府による批判者への迫害が新聞の廃刊やジャーナリストの暗殺につながっている → 報道の自由を守り、ジャーナリズムの精神を復活させる。

Barrier
新聞が政府にコントロールされるのはしょうがない。

Insight
新聞が消滅しても、自由に意見を表現する権利は失いたくない。

Thought starter
「新聞の誌面は部分的に他の新聞に貸し出すことができる」という事実に着目。廃刊された6紙をアンナハル紙の中で復活させることで、自由で公正な声を取り戻すために、国民が行動を起こすきっかけとならないかと考えた。

Idea
“Newspapers-Inside-the-Newspaper Edition”
同紙の元編集長が暗殺された日に、2011年から2020年にかけて政府の弾圧により廃刊になった6紙を復活させた「新聞の中の新聞」。それぞれの誌面はかつて指揮を執っていたジャーナリストらによって、自由な意思の報道が書かれた。迫害を恐れて永遠に沈黙すると思われていた出版物に、自由で公正な声を取り戻した。

Transformation
新聞の価値変容
政府にコントロールされるメディア → 誰にも沈黙させられないレバノン国民の声

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