ファンメイドアニメ制作振り返り2023
2023年最後のアニメ制作が終わったので、ここまでを振り返ります
2か月半、長かった…
まずはストーリーを決めよう
ショートといえどストーリーなのです
「ちょっとしたネタを突っ込んだ日常風景的なショートストーリーを作ろう」という感じで出発して、そんな大きなシナリオでもないし雑でええジャロ、という感じで見切り発車しました。
結論から言うと、失敗しました_(:3」∠)_
映像っていうのは当然映像の内容以上の情報は伝わらないわけで、シナリオで表現されてないことは視聴者には分からない、こんな基本的なことが抜けていました。
昔学んだストーリーの構築の仕方に、最初のうちに世界観・問題(敵)・主人公の状態、目的がわかるようにしておきましょう、っていうのがあったと思い返しました。後から😇
たった数十秒だし適当でええジャロで出発しましたが、結局映像にしたときに「結局この2人は何がしたかったんだ?」とか「なんでこのキャラが唐突に出てくるんだ?」とかいろいろ問題がでたので、やっぱり序盤での説明は必要だなって。二次創作なので世界観や主要キャラの説明は不要としましたが。
後からキャラクタに目的を直接しゃべらせるよう変更して解決しました。ショートストーリーなのでコレが一番手っ取り早かったと思います。
Stroypencil(Blender標準Addon)の利用
映像でStoryboardToolsと書きましたが、これカテゴリ名でした…
正確なアドオン名はStorypencilですね。
使い方の説明を見ながら頑張って使ってみました。GreecePencilベースなので保存ファイルがモリモリ大きくなるのが難点(圧縮すると一気に小さくなる)ですが、ほぼBlenderの機能だけで実現されているので機能の使い方で迷うことは少なく、各作業画面の移動がスムーズになるよう専用のボタンが追加されるので作業はしやすかったです。
まぁ結局使い勝手はBlenderの機能ベースなので、良くも悪くもBlenderってことでした。
背景制作
ストーリーが決まったら、キャラクタはモデリング済みなので背景の制作を開始します。
空の制作
基本的には奥から手前に向けて作るので、一番奥、つまり空から作ります。今回からTerragenを使うようになりました。今回は空だけなのでまだベータですがTerragenSkyの方を使ってみました。
今回は序盤が昼下がり、後半が夕焼けシーンということで、次の2枚を用意しました。このくらいだとわりと簡単に作れるのですが、レンダリングの時間は結構かかります😇
空はBlenderの環境マップで使用するので360度パノラマでレンダリングしたものを.exrファイルで出力しておきます。
山の制作
空の次は遠景の山を配置していきます。Terragenで遠景の山を追加することもできますがまだあまり使い方に慣れてないので、今回はBlenderで作りました。
山を作るAddonがBlenderの標準アドオンに入っているのでそれを使っています。
山のマテリアルにはMusgraveとNoiseを混ぜ合わせたものを使用しました。遠景だとこれくらいで十分それっぽく見えますね。
近景の制作
今回は麦畑のイメージでした。結局最後まで納得のいくモノは作れませんでした。
最初パーティクルで麦を生やそうとしたら、物量に耐えられませんでした。麦って細い上遠くまで見えるシーンなので、敷き詰めようとしたらポリゴン数が大変なこと(3000億ポリゴン)に…
仕方ないのでローポリにしてテクスチャで誤魔化すだけの方向にしました。
地面もローポリでテクスチャでそれっぽく凸凹をつけただけの物になります。
ブラッシュアップ期間まで放置してましたが、最後の最後でもうちょっと地面の境界を何とかしようとしてみました。
完全に理想通りとはいきませんでしたが、今回の浸食マスクについては今後も使えるかなって。
主要キャラ以外のオブジェクトを制作
主要キャラはすでに制作済みなので、それ以外のオブジェクトのモデリング。この辺はただのモデリングなのでさらっと流します。
荷車のわら山
まずはパーティクルでわら山を作ります
ParticleそのままだとMeshにコンバートできないので、ScrewモディファイアをつけるかCurveにコンバートしてからCurvesにコンバートを経由してMesh化。
ScrewはデフォルトだとStep数が多くて直接パーティクルにつけるとBlenderが死ぬので、一旦別オブジェクトにつけてStep数を落としてからアウトライナでコピーします。
荷車本体はSubstance3DPainterでざくっと塗り上げる。
あてちゃん・鬼刃衆
数日前に誕生日があっておめでとうコメントもらったついでにいつかキャラ使わせてねって言ったら快諾もらったので、じゃぁもう今回で使っちゃえって。
シナリオ急遽変更して鬼刃衆との掛け合いを突っ込むことにしました。というわけで鬼刃衆も作成。
お面をポリゴンでチクチク制作するのメンドウだったので、スカルプトでざざっと作ってリトポしました。
あまり見えない(予定だった)2人なので、雑にスピード重視で作って配置しました。思った以上に問題が無かったので、最終的にはさらに寸劇を追加してお笑い担当になってもらいました。
カットの制作
今回はmovieフォルダの中にcut01,cut02…のようにカットごとにフォルダを作り、その中にカット用の.blendを置くようにしました。キャラクタ等のモデルはmodelフォルダに背景はbgフォルダに入っているので、そこからLinkで取り込んで使用します。
キャラアクションの作成
いきなり動きをつけられるほどの力はないので、ポーズを繋ぐだけの作り方_:(´ཀ`」 ∠):_
初期ポーズを作って配置して次のポーズに繋いで、、、という作り方なのですが、初期ポーズ作った段階で配置までできるのでレイアウトはやりやすいです。
AfterEffectsで合成
Blenderではキャラ、荷車、近景、を個別に出力しています。それぞれの影も別出力です。
今の自分にはエフェクトをやるだけの力がないのですが、そこを努力で補おうとすると完成しないので、当面はお金で補う方向にしました。なのでエフェクトは基本AfterEffects(のプラグイン)頼みで行くことにしています💸
次のような荷車が動いて上の方に向かっているカットは、Blender上では動かずその場で車輪が回ってるだけでレンダリングして、AfterEffectsで縮小させながら上に移動させています。
これで背景の位置やサイズが変わっても、レンダリングし直す必要がなくなり修正が高速に行えます。
大事な点ですが「作る時の工数を増やしてでも、修正時の工数が減るよう工夫しておく」
ゲーム制作でもアニメ制作でも、制作に共通する考え方です。作る時間よりも修正してる時間の方がたいてい長いしMP消費量も激しいので、修正の工数を減らすことがとても大切。
アドオンの制作
今回も制作の中で欲しいと思ったアドオンを作りながら進めていました。特に今後の制作に大きく関わる3つのアドオンは作って良かったと思います。
・OpenCVを使ってCannyエッジ検出を行うアドオン
・アウトライナの階層の開閉を行うアドオン
・お化けブラーを出すGeometryNodesを追加するアドオン
アウトライナの開閉とかどうでもいいと思われるかもですが、意外とアウトライナの開閉に時間を取られてるんですよね。何より自動化によって(コレクションのONし忘れとか)事故が少なくなるのがいいかなって。
演出効果も大切
今回Gobo効果というのも使ってみました。ライトによる影をシーンに落とすことによって画面中には存在しないものの存在を意識させる、みたいなやつです。
今回はお堂の障子?みたいな奴の影をだしてお堂の中にいることを強調してみたのですが……前後のつながりがイマイチだったのであまり良く見えなかったかも(´・ω・`)
口パクについて
最初は台詞に合わせてBlender内で口パクさせてましたが、タイミング調整に時間がかかってしょうがない(´・ω・`)
実際のアニメ制作ではAfterEffectsでタイムリマップ使ってコマ打ちしている、っていうことを大分作ってから知りました。というわけで最後の方は顔だけ口パクと目パチの種類数分出して、AfterEffectsで合成するようにしました。
目と口を同時に動かしたいときはAfterEffects内でマスク使って分離すればいいかなって思って分離しませんでしたが、割と目を動かすことって少ないのでそれで良かったと思います。
分離して出力するときにはライティングが変わりやすいので、そこだけ気をつけなきゃなって。
ここが次回の重点改善項目のひとつになります。
音声
今回はVOICEVOXで声を入れました。声が入るとやっぱりいいですね~☺️
思うように発音させられてないのでやっぱりおかしな所はあるのですが、一部ハマったかなってところはとても( ・∀・)イイ!!
ちなみにVOICEVOXであってVOICEBOXじゃないよ。最初よく間違えてました😇
BGMは最初アイギス10thのページで配布しているのでそれを使えばいいかなって思ってたら、DLして聴く以外の目的では使用不可って書いてあって断念😢
困ったときの魔王魂様よりBGMを選曲させてもらいました。暫く見てないうちに曲めっちゃ増えてました😱
次回作以降はもう最初っからお世話になる気まんまんです。
効果音は毎回SONNISSさんベース。GDCの度に数十GBのSE配ってくれているのをせっせと集めていたのが役立っています。
後は効果音ラボさんで補完した感じです。
エンドカード?
Youtubeとかで動画の最後に一枚絵で止まってる奴、てっきり最後の絵で止まってるのかと思って、最後で止まるなら秒数いらないよねって3秒くらいだけ静止画いれてみました。
結果、すぐ終わってしまった_(:3」∠)_
よく見たらエンドカードの設定というところがあったので、そっちで設定するものでしたかね……
でもYoutube用の特別な設定だったらどのみち他のプラットフォームで反映されないので、結局普通に最後に静止画突っ込んでそこそこ長い秒数止めた方がいいんじゃ無いか、と思いました。
データ管理
途中までGitHubを使っていましたが、だんだん大きなデータが増えてきて100MB制限で引っかかりまくってモウダメダ。
というわけでローカルリポジトリに移行したのですが、それならGitでないといけないということもないので、PerforceHelixCoreを使ってみることにしました。
5人までタダですが、ストレージは自分で用意する必要があります。
サーバの知識がいるのでわりと難しいですが、WindowsでローカルPC1台で運用する場合はそこまで難しくないかも? NASを使おうとするとWSL入れてLinuxベースでの設定とかになるので、ちょっとだけむずかしいかもです。
ぼっち制作なのであんまり恩恵はなかったのですが、過去のデータが開きやすかったり失敗したコミットが消しやすかったりするので、これはこれで使えるかなって。
でもやっぱり、ぼっち制作なのでGitLFSとあんまり違いがない_(:3」∠)_
クライアントは使いやすいので、10GB程度でいいので月300円くらいでHelixCoreの小規模向けクラウドリポジトリサービスやってくれないかなー(´・ω・`)
次回作に向けて
次回はもうちょっと背景に力を入れる予定です。後やっぱり1分は長かったのでできれば30秒のCMみたいな感じに押さえていきたいかなって。
将来的には謎解きというか推理モノというか、そういった方向でそこそこ大きなストーリー(15~20分くらい?)をやりたいと思っているのですが、まだ勉強段階なので一つの作品をどっしり作るより、細かいモノをいろいろやった方がいいかなって。
でも大きなやつもたまにはやらないと大きいモノならではのワークフローが見えてこないので、小さいモノばかりでもやっぱダメなのよね(´・ω:;.:...
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