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食レポの気持ち

食レポ風のテレビ番組がおおい。とくに魚市場などで刺身をひと口ほおばって、「旨い!」という同じセリフをきくたびに、もっとほかに言いようがないのかなどと、ぶつぶつ言うのはトシヨリだけではありますまい。が、今回その気持ちがわかりました。

肥薩おれんじ鉄道、鹿児島川内駅から熊本まで、1日のんびりと海岸線を呑み鉄した。お昼は「阿久根」駅で降り、すぐのところにある魚市場の「市場食堂」なるお店にはいった。すでに車窓?み鉄でベースはできている。とりあえずビールと刺身(1000円)を注文した。

魚にも好きなのとそうでないのがあるので、いつもは盛り合わせはたのまないけど、まあいいか。運ばれてきた皿には2切れずつ5種類ほど、変哲もなく無造作にならんでいる。タイかなあ、ヒラメか?、スズキ?、わたしにはそう見えた。

まずタイから。
「旨い!」
しこしこと身がひきしまった感触にもちもち感がプラス。九州の甘口醤油によく合う。

つぎは、ヒラメ?
「旨い!」
スズキ?も、同じ。

見た目はちがうが、その魚の味差がわからなかった。「旨い!」だけが共通している。ようやく、アジだけが判別できた。これもひきしまった感と甘さは格段だ。

タイもヒラメもスズキもそれなりにわかっているつもりだった。数えられないほど食べてきたんだから。1切れずつ、一周して、残りも慎重に味わったが、魚種を明確には見分けられなかった。呑み鉄のせいか、とも思ったがそこまでは舌は麻痺していないはずだけど。

そうか、あの食レポも、差がわからないほど「旨い!」ということなんでしょうね。わかったような気がします。