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わたしの「ずばり東京2021」

開高健さん「ずばり東京」は、先回の東京オリンピック前夜の東京風俗風景をルポしたもの、今回「ずばり東京2020(武田徹さん)」がリメークしました。50年以上もたつとさすがに前の面影がなくなります。そこで、わたし版「ずばり東京2021」、いま記しておきたいと思います。

1964年ころの東京は知りません。初めての東京は、オリンピックが終わってずいぶんたったころ、中学校の修学旅行でした。2回目は、大学入学時ですからさらに4年くらいたってからです。

本郷。修学旅行の宿が東大正門近くだったと記憶しています。せっかくの機会なのに誰も下見をしようともいわず、定番の枕投げで疲れて寝ただけ。それがせいか、同級生で赤門をくぐれたのは誰もいない。志を高く持ててればその後の人生、少しちがったかもしれませんね。本郷界隈の散歩で構内を何度か歩きました。2021年、コロナで部外者立ち入り禁止が続いています。

お土産に買ったのは、なぜか東京区分地図。いま手元にないのが残念なこと、あれば、当時を想像しながらの散歩ができるのに。地図眺めで覚えているのは新宿西口。もちろん都庁もなく、浄水場跡がだだっ広く残されていて空白部になっていた。今は副都心、高層ビル特有の寂寥感がただようのは当時と同じかもしれません。グーグル地図で時代ごとの情報がひきだせれば、振り返りがきっと面白いものになると思います。そんなサービスを期待しています。

最後は神保町。御茶ノ水駅から明大前を下って三省堂、びっしり軒を並べていた店が、年を経て歯が抜けたようになってしまいました。大学1年のとき、文学の教科書を買いにいったのが最初でした。めったにでない授業にでると、偶然にも出席確認があり、教授自著の教科書に添付の「出席用紙」を切り取って出すのだという。古本にそんなものが残っているはずがありません。せっかく出席したのに出席かなわず、ケチったのが間違いかと後悔。あとは実力でと試験をうけると、なんと結果はA。すごい!すごい! でも喜んじゃいけません、校歌を間違えずに書けばAだというもっぱらのウワサでした。

「ずばり東京」、当時出来たての国立競技場はリニューアルされた。ふたつの時代が過ぎ、つぎのオリンピックがあるかどうかは知らないけれど、「ずばり東京○○」のために、いまの東京をよく記録しておきたいと思います。