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インボイス制度への恨み節

今年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まる。請求書に税率ごとの消費税額を明示し、インボイス登録番号を記入することが決まっている。

売上が1千万円以下の事業者は、これまでは免税措置がとられ、消費税として「預かった」ものは国に納める必要はなく、収益として換算すればよかった。今回、3年間の経過措置(預かった消費税の20%を納付する)があるとはいえ、そのまま納めなくてはならなくなった。そう、売り上げが減るのだ。

そんなの、当たり前じゃない。預かった消費税を収益として見込む方がおかしい。

ごもっともだ。

ウチの会社はひとりでやっている。身体(頭?)が勝負、そう、ソフト開発や変更業務の下請けなのだ。設備投資もない、仕入れるものもほとんどないから控除できる経費もない。黒字を出そうとすれば給料をおさえないといけない。

取引先は1社だけだから、相手はウチが免税業者だとわかっている。だから請求書は税別になっていても、税込み金額が商品代だとの認識はお互いに持っている。

とりあえず、消費税額の20%を商品代に入れて値上げしようか。昨年の売上は600万円だったから、掛ける10%の20%、そう、12万円ほどになる。担当者にそれとなく言ってみた。

「勘弁してよ、社内手続きがややこしいから、そのくらいならおタクでなんとかしてよ」

ウチはややこしくない!
こんなことなら、税別の請求書など出さなきゃよかった。
最低賃金が上がるから、これを理由にしようか。
あなた社長でしょと言われるのがオチだなあ。

友人のTさんの「恨み節」だった。