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会社を代表するのは、あなた

新入社員のころ、先輩から言われたものだ。
「お客さんのところに行ったら、会社を代表しているのは、あなた、だ。だから言動には注意するように」
そのとおりだと、今も思う。新入社員でも、社長でも、お客さんにとってはその会社が言っていること。個人が言っているのであれば、その言葉に重みはない。

▼毎日新聞を家で購読している。読売新聞や朝日新聞などから比べると、トップネタが少し遅れて報道されるような気がする。そのかわりといってはなんだけれど、コラムが面白い。2面には月曜日から土曜日まで論説委員や編集委員が署名入りで時事問題をとりあげる。なかでも、土曜日担当の伊藤智永さんの「土記」は、こんな見方もあるのかと、毎週たのしみに読んでいる。

▼今日、12月2日(土)は「亡きテロリストの母」というタイトルで、テロとはなにか、テロリストとは誰かを論じている。直近では、やはりイスラエルとハマスが俎上にあがる。ハマスをテロ組織として扱う報道機関がほとんどだ。ところが、伊藤さんはハマス=テロ組織に疑問をもっているようなのだ。引用すると、
『人質の交換が進むにつれ、今さら驚くのは、襲撃前からイスラエルが拘束していたパレスチナ人の多さだ。BBCによると、過半が理由を示さず司法手続きも経ていない行政拘禁だという。それって国家的「拉致」では。つまりイスラエルこそ「テロ国家」だったのか(個人的疑問です。本紙の見解ではありません。念のため)。』

▼たまげましたね。毎日新聞の看板記者が、「毎日新聞が言っているのではない、個人的意見だ」と毎日新聞に書く。これってどういうことなのかしら。平社員でもお客さんの前では個人的意見は言わないし、もし仮に、断って言ったとしても、だれも相手にしないだろうに。

▼「個人的疑問」はそのとおりだとわたしも思う。社員(記者)であれば、社内(毎日新聞)コンセンサスを得、堂々と書くべきでしょう。「個人的」なことは書くべきではないし、いわんや「断り」をいれても同じことだ。読者の信用度が下がる。

▼伊藤さん、「個人的」なことを書くなら、noteにしてはどうですか。