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2024年4月7日の乾杯


新しい乾杯、今日は歌舞伎見物のおじさんとおねえさん、その前に腹ごしらえということで軽い食事をしながら、青年団やこまばアゴラ劇場のこと、おじさんが観た「EPOCH MAN」、やはりおじさんの少し前の観劇になるけれど『新ハムレット』などのお話を。

👨演劇のおじさんと
👩おねえさんです。こんにちは。
👨こんにちは。4月に入りましてね、だいぶ暖かくなってきましたね。
👩桜ももう満開ですね。
👨私の両親のお墓には桜がたくさん植わっているので、明日あたりお墓参りに行こうかと思いますが。
👩うふふ、なるほど。
👨で、今日は午後の収録ということで、これから四月大歌舞伎、夜の部を観にいこうということでね。
👩その前に、腹ごしらえを兼ねて、銀座やまうさんでご飯を食べながら、収録をしています。

銀座やまう


👨はい、これがメニューですね。
👩えぇ、どうしようか。悩むなぁ。ほら、夜の幕間の分のおなかを開けておかないともったいないのでね…慎重に。
👨私はきのこ雑炊にしようかなぁって思うけれど。そんなに量はないような気もするし。
👩私は雑煮がいいなかぁと思うのだけれど、冬限定とか書いてあるから。たぶんもうない。
👨訊いてみれば?すみません。
💁はい。
👩季節的にこれはもう終わってますよね。お雑煮…
💁あぁ、まだ大丈夫ですよ。ありますよ。
👩ほんとですか。嬉しい。じゃあ、わたしはそれをお願いします!
👨私はきのこ雑炊で。
💁お雑煮ときのこ雑炊ですね。かしこまりました。
👨ここって、メニューのほとんどにお漬物がついているのだね。あとちょっとしたあまいものも。
👩そうですね。
👨ここは漬物屋さんでもあるしね。あと、甘味もおいしそう。
👩とても!
👨あぁ、おなかがすいた。ところで、最近の話題といえば、こまばアゴラ劇場がいよいよ来月閉館でね。
👧そうですね。
👨青年団がこまばアゴラ劇場で「さよならアゴラ劇場」のシリーズを始めているじゃないですか。
👧あれが、アゴラの最後の公演なんですね… 
👨前売りチケットが全シリーズ綺麗に売り切れ。
👩それはそうだよ。
👨こまばアゴラ劇場の支援会員の特典として、一度観劇をすれば同じ公演でもそのあとの予約を再度できるのだけれど、それがもうできなくて。
👩もう無理なのね。
👨制作の方に訊いてみたのだけれど、いやぁ・・・みたいな。
👩やっぱり。
👨今後の3作品は多分無理。『S高原から』だけは増席なども検討はしているらしいけれど。あとは当日券もできるだけ出すので並んでみて欲しいと。
👩そうかぁ。それはみんな観たいよねぇ
👨しかも今度の「S高原から」、めっちゃ良いのよ。

こまばアゴラ劇場


👩もう観たんですか?
👨うん、昨日観たの。
👩誰がでていらっしゃる…?
👨最近いろんな舞台でお見かけする瀬戸ゆりかさんとか、和田華子さんとか。
👩和田さん!
👨あと、井上みなみさんとか
👩もう大人になられた…
👨たしかもう、三十路にはいられたのではないかな。
👩びっくり。10代の時から知っているから。
👨私は彼女が14歳の時から観ているからね。
👩私は彼女が17歳くらいの時が最初かなぁ。女子高校生だったのよ。時間はあっという間!
👨当時からほんと上手かったけれどね。
👩うん、とてもお上手で。尊敬してました。
👨でね、その『S高原から』なのだけれど作品全体をなんかね、すごく自然体なのよ。たとえば瀬戸ゆりかさんと田崎小春さんが演じるのが、入院患者に別れを告げに来たのけれど言えなくて代わりに友達がやってくるというエピソードなのだけれど、それを演じるふたりも男性ももう抜群に良いの。
👩それはチケットなくなるわー。
👨評判自体はまだ流布していないとは思うのだけれど。まだ一昨日が初日だったのでね。
👩一昨日と言うことは金曜日始まりか。
👨うん、そう、金曜始まりで土曜日のソワレを観たの。
👩二日目かぁ、いいじゃないですか。
👨初日というのはちょっと硬い気がしてね、だからそれを外して2日目を観ることが多いのだけれど。
👩二日目落ちって言葉もありますが、ちゃんと力がある人達だからそんなことにはならないから。
👨まあ、青年団自体がなくなってしあうわけではないので。劇場が無くなるだけなので。
👩こまばアゴラ劇場がなくなって、どこかへ移るとかは?
👨どうなんだろう。まだなにも決まっていないらしい。今は劇場がなくなるということだけ。ただ、アトリエ春風舎は残るから、青年団として都内に持ち小屋がまったくなくなってしまうわけではない。あと、豊岡にも劇場を持っているからね、青年団は。
👩なんでこまばアゴラ劇場がなくなってしまうのだろう。
👨それは、平田オリザさんがある程度齢を重ねてこられたので、万一のことがある前に謝金を返しておきたいと言うことらしいですよ。公式にそうアナウンスされている。
👩そこははっきりしているんだ。
👨そこは明確なのだけれどね。
👩ほんとだ、良い買い手が見つかりって書いてある。
👨今、支援会員の中ではその後あの建物はどうなるのだろうねというのがちょっと話題にはなっていて。
👩うんうん。
👨若干古いとはいえ劇場のファシリティはちゃんとあるから、吉本とか松竹が買い取るのではないかとかね。
👩なるほどなぁ。でも場所があそこだよ。行くのがけっこう面倒くさいところだから。
👨そういう意味では躍進する本多グループではないかという話もあって。あそこは拡張路線でシアタートップスも手中に収めてしまったから。また、駒場東大前なら本多グループの本拠地的な下北沢とも近いし。
👩というか本多グループはシアタートップスも手の中に?
👨そう。いまTOPSって本多グループの持小屋だよ。
👩ええ、そうなんだ!
👨劇場のこともさることながら、話は戻るけれど、私って『高原から』を初めて観たのはまだ20世紀のころで、それから再演を何度かみているのね。でも、一回ずつ全部違っていて、とても暗い印象のものもあったのだけれど。今回のものは、なんていうのだろう、とてもクリアに淡々としていて。まあ、青年団は俳優の層が恐ろしく厚いから、その時々に応じて、新らたな味わいの『S高原から』を作っていけるのかもしれないけれどね。
👩こうなるとアゴラの会員としてはいろいろと不便になるのではないんですか?対象の公演も減るだろうし。
👨確かにね。でも、アゴラの会員って豊岡の方でも青年団の公演を一回は観ることができるのね。ちょっと遠いからなかなか気軽にいくことはできないけど。
👩それは遠い。
👨あと、アトリエ春風舎での公演も増えるだろうし、外部の会場での公演という可能性もあるしね。
👩外でやるとなったらさ、アゴラの会員さんはいままでのことがあるじゃない。いつでも観ることができるという利点というか、そのあたりが変わってこない?
👨いままでも、青年団の公演が吉祥寺シアターなどであって、その時にアゴラ劇場とは違うということを会員としての使い勝手で感じたことはなかったのだけれど。ただ、今年の支援会員というのはいくつか前年より条件が悪くなっている部分はたしかにあって。たとえば前年度までは年会費に65歳以上の割引があったりしたのだけれど、そういうものが廃止になっていたり。
👩そうかぁ
👨でもそれは、私がいうのもあれかもしれないけれど、そうやって年寄りを優遇しているとじじいの巣窟みたいになってしまうので。実際のところ、あごらの支援会員ってかなり平均年齢が上がっている気がするし。むしろ改善と捉えるべきなのだと思う。
👩若い人が観ることが出来ないみたいになってしまうよりはずっといいものね。年代が上の方を安くするよりは若い人とフラットにする方が正解だとおもう。
👨うん。私が言うのもなんだけれど、年寄りを優遇しても未来はないわけで、若い人を優遇するのが正解だと思うよ。
👩このまま若い人が演劇を離れて観劇人口が減っていったら業界は衰退の一途だものね。
👨そうそう。
👩俳優とかが順調に出てきても、観劇の人を育てないとさぁ、人間はいずれ死んでいくのだから。
👨うん。
👩どんどん歳をとって最後は終わりを迎えるのだから。確かにまだあんまりまだ観ていない層こそ優遇した方がいいかも
👨俳優の方達の年齢も上がり気味だとは思うのだけれど。でも、若い俳優も出てはきているから、観客も20代から30代の方たちを積極的に掘り起こしていかないと、彼らの観劇経験の蓄積は年寄りの付け焼き刃じゃなくてやがて一生ものになっていく気がするし。
👩うん、そうだね。だから若い観客を育てる。
👨そうそう。
👩観劇人口を増やすために、内々だけではなくて、もっと広く育てていかないと観劇は衰退の一途をたどると。ただでさえ、なかなか観てもらえないのだから。
👨そうですよ。
👩でも、何故なんだろう。そこから考えてどうして厭なのだろうなぁって。小劇場をあんまり観てらえなかったりするのは。ある程度大きいところだったら、それなりファンもついているし、ある程度はクオリティも担保されているから勧めやすいし、観るハードルは下がるのかなぁとも思うのだけれど、それが小劇場となると、まず作品のクオリティがどうか分からないという。
👨まあね。
👩でも、それが醍醐味でもあるのだけれどね。近さとかライブ感はとてもあるし。確かにクオリティがわからないというところはあるけれど、だからこそ観ている中で人生を変えるような作品に出会えるようなこともあるじゃない。でも一方で、もし小劇場が初めての人に紹介した作品が駄目…苦手…!ということになったら二度と観てもらえないじゃないですか。難しいなぁって。
👨多分ね、観劇脳みたいなものってあるんですよ。たとえば『S高原にて』にしても、目の前にあるのはただの談話室の風景だし、そこに物語を紡いでいくのは俳優なり、もっと言ってしまえば戯曲や煙室の力なのだけれど、一方で観る側がその奥にあるものを創造するからこそ受け取れるものもあるわけじゃないですか。それが演劇じゃない。でも、確かにその奥を創造したり受け取ったりするための慣れみたいなものはあるわけで。そこに至るまでにどれだけ興味を持てるものを観ることができるのかというが勝負だし。
👩でもさ、劇場にはどの作品も観ているのではないかと思ってしまうようなハードウォッチャーの方々っているじゃない?おじさんも含めてね、そういう人がこの先生まれてくるのかという不安はある。若くてそういう人はいる?
👨多分そういう人って一定の確率では出てくると思うんだよ。それなりの歩留まりでは。でも、演劇を支えるためにはその母数をしっかりと作らないと。
👩嵌ってくれるひとね。
👨そう、はまってくれる人というかそれで人生を棒に振っている人が生まれるためには、そこまでではなくても演劇が楽しいと思えるひとの数を増やさないとね。
👩いやいや、振らないで欲しい、人生は。というか、演劇でどういう風に人生を棒に振っているの?
👨うーん、たとえば、人生を顧みた時家を建てる分のお金が劇場通いにまわってしまっているとか。多分本人達には自覚はないけれど、冷静に考えていくら使っているかと計算するとそんな感じになっているような気もするし。
👩家が建っちゃうんだ!
👨うん、ちゃんと計算するとマジにそんな感じになるかも。
💁こちらがお雑煮でございます。
👩はーい。
💁こちらが雑炊ですね。
👨あぁ、ありがとうございます。
💁熱いのでお気をつけください。
👨はいはい。
👩食べながら話しましょう。おいしそう。
👨うわっ、本当に熱い。
👩気をつけてくださいー。
👨話は戻りますけれど、そういう人達が老後のことを考えたり実際に老後を迎えたりすると、例えば退職金とかの一部は観劇のためにとっておいたりもするんですよ。
👩なるほどね。
👨そういうふうに考えていくと、もう一生レベルというか、時間つぶしなんてものではなくもはや人生潰しだからね。
👩あははは。そこに価値があると感じてくれているのなら嬉しいけれどね。
👨だって私だって若いときには正直こんなふうに一生時間を潰していくとは想わなかったもの。
👩ちょっと言い方にはちょっと気をつけて欲しいけれど(笑)
👨まあね(笑)でもね、こんなことを話しているうちにも時間は過ぎていって、アゴラでの青年団の公演も終わりに近づいて、観客としてもだんだん寂しい気持ちになっていくのだろうなぁとはおもうのだけれど。
👩そうだね。
👨まあ、いろんなものが無くなっていくのは寂しいけれど、でもしょうがないよね。
👩うむ、!
👨寂しいといえばうちでは最近家電が次々と壊れているし。
👩おっしゃっていましたね。
👨でも、いろんなパターンがあって、この間オーブントースターが壊れたって話をしたじゃないですか。ちょっと場所を移動したら電源が入らなくなってしまったって。
👩はいはい。
👨で、ないとトーストが食べられないからどうしようかなぁって思っていたら、たまたまたまりにたまったJREのポイントでもらえることに気がついて、初めてポイントで交換したのよ。
👩へぇ。
👨でね、ちょっと今っぽいオーブントースターが来たから、10年以上お勤めごくろうさんってお礼を言って、古いトースターをどけたのよ。そうしたら、ほら、オーブントースターって中に赤外線の管がついているじゃないですか。
👩はいはい。
👨それがちょっとズレているような、カタっていうがして、えっと思って扉をあけて、網を外して、指できゅっと押したらスポっとはまってね。
👩直った?
👨直った。
👩じゃあ今おじさんのところにはオーブントースターが2台並んでいるんですか?
👨うん、あのさ、私昔からご飯とジャケの切り身の朝ご飯って凄く憧れがあったのね。で、もしかしたらアルミホイルに乗せたらオーブントースターで鮭を焼くことができるんじゃないかって思いついて。まあ、パンを焼くトースターと共用だとパンに魚臭い匂いがついてしまうからしなかったのだけれど、二台になったのなら分けて使えばいいじゃないかって。
👩なるほど。
👨けっこう美味しく焼けるのよ、シャケ。
👩ふーん。
👨それにしても、この雑炊全く冷めないなぁ。あの、すみません、お水をいただけますか
💁はい、すぐお持ちしますね。
👨これ土鍋だからさぁ、いつまでも熱いのよね。本当に冷めない。口の中が熱くて。
👩でもとても美味しい。
👨おいしい。やっぱりさ、このあたりみたいな昔からの街には美味しいものがたくさんあるんだよ。ところで話は変わるけれど、最近は一段と見応えのあるお芝居にもけっこう巡り会えていて。EPOCH MANという団体があるじゃないですか。
👩はいはい。
👨団体というか小沢道成さんが何かやるときのユニットと認識しているのだけれど、そのEPOCH MANの名義で小沢さんが一色洋平さんと二人芝居をされて。『漸近線、重なれ』という舞台なのだけれど。

新宿シアタートップス


👩一色洋平さん。昔もされてましたね。
👨そう、それがまた組んで二人芝居を。
👩あのお二人の芝居、めちゃくちゃ面白かった記憶があります。
👨基本的に小沢さんってお芝居が滅茶苦茶上手いのよ。
👩うん。
👨一色さんも上手いのだけれど、あと体も効くのでね。玉置玲央さんなんかもそうだけれど、彼も年齢を重ねる毎に熟していくような身体の効き方に思えるし。で、その二人で須貝英さんの戯曲を演出して演じたのだけれど。
👩それはおもしろそう。彼らはクレバーだしね。
👨ほんとそう。それでね、美術もけっこう目を惹くもので。アパートに越してきた一色さん演じる青年が建物の取り壊しで出て行くまでの話なのだけれど、その建物の外壁が斜めに舞台を覆っていて、その八百屋舞台の上でお芝居をするの。窓なんかも生きていてそこからの出入りもあってね。そこに、隣人や家族との関係が描かれていくのだけれど、一色さんはその青年専従でその他の登場人物等を全て小沢さんがやるの。
👩凄いことを考えるなぁ。
👨自分の身体で演じるものもあるし、人形を使いながらそこに台詞を乗せて演じていくみたいなこともあるし。何役やったのだろう、6とか7役くらいやっていた気がするけれど。
👩なんか以前の乾杯でお二人の話ってしませんでしたっけ。
👨したと思う。やるんだよっていう話をした気がする。
👩うんうん。やるんだよって言う話。感想も話した気がするけど…この乾杯て始めてどのくらいになりますか。
👨4年がすぎたのかな。
👩はあーーー、あっという間ですね。
👨うん。まあね。でも、おねえさんみたいにまだ若ければよいですけれど、私のように一年が堪える人間にとってはなかなかに長い時間ですよ。
👩あはは。
👨ところで、須貝さんの作るものには独特の時間への感覚があって、また、彼はひとつの戯曲のなかに仕掛ける時間の動かし方がめちゃくちゃ上手いのね.すっと動くのよ。気がつけば1年が過ぎているとか。
👩うんうん。
👨あとアパートだから契約の更新みたいな話もあってね、そういう話がさりげなく織り込まれていて、新たに時間の歩みに気づくとかね、そういう工夫がいくつもあって。
👩鮮やかだね。
👨そうなんですよ。
👩それは須貝さんの舞台を観ていると確かに思うな。
👨さすがに新国立での戯曲提供をしているだけのことはあって。なんだろ、そういう色んな手練がさりげなくしっかりとタッグを組んでいるような感じがあってね。その力でさりげなく、でもくっきりとその人が過ごし過ごした人生の断片とか風景が語られていくのだけれど、それが観る側にとって絵空事にならず、なんかそこに暮らすことの感覚というのが実感としてわかるのよ。
👩なるほど、良い。
👨うん。
👩ところで、食べながら収録していますけれど。このお雑煮、美味しかった。本当に美味しかった。
👨雑炊もすごくおいしかったよ。また、さすがに漬物屋さんで出すものだけあって、このべったら漬けの良くあうこと。
👩この場所も載せておきますか。
👨でも、今よりも知られるとその分人がくるようになって込むものなぁ。東銀座某所とかしておきましょうか。
👩いいじゃないですか。良い物はみんなで分かちあわなければ。
👨まあね。そもそも、場所的にもすでに超有名店だろうしね。こういうところは歌舞伎座の楽屋に出前なんかもしているんじゃないかなぁ。いうても道向こう、とことこって歩いて1分もかからないだろうし。
👩あるかもね。私たちは今日デザートについていた甘味しか食べていないけれど、そういう注文もあるかもね。疲れたらやっぱり甘い物が欲しくなるだろうし。
👨俳優の方もきっと体力勝負でしょうしね。
👩漬物をすこし買って帰ろうかなぁ。とにかくとても美味しかったので。
👨うん。帰りに見ていこう。
👩梅干しも、どの漬物も美味しかったです。歌舞伎の幕間がもう少し長ければねぇ、急いで来て食べたいなぁともおもったけれど。
👨さすがにそれは無理だろ。
👩繰り返し言うけれど、すごく美味!うちも母がつくるのですよね。母の作る梅干しが好きだから。何年かに一度作るのだけれど、それはもう一切遊びのない、梅としそと塩!っていう、塩っ辛い、今はもうあまりないというか…歓迎されない、塩分過多になってしまうし血圧があがってしまう私の大好物の梅干しなんですけど。
👨うふふ、それはそれで良いけどねぇ。あのさ、雑炊とべったら漬けを頂いた美味しさから話が戻ってしまうのだけれど、そのEPOCH MANを観た時、なんだろと須貝英さんと演者との相性がとてもいいともおもったんだよね。ふたりが須貝さんを選んだというのもすごくわかるし、その組み合わせで舞台が描こうとしていたものも純度高く伝わってきたみたいな。
👩まあ、相性が良いというかきっと彼らは選ぶのも上手だしね、そこからもう創作は始まっているわけだし。
👨そうそう。
👩なにかどんどん観ていたくなる作品だし、お二人なのだろうなぁと思った。あの方々は。
👨あとねぇ、まあ、歌舞伎はこれから観るからまた、次の時に話すとして、そもそも歌舞伎の話は随分したものね、これまでにも。尽きないと言えば尽きでないのですが。
👩まあね、
👨あと、これもアゴラがらみなのだけれど、アゴラでは『S高原から』の前に『新ハムレット』という作意が上演されていてこれも観たのよ。それは純粋にシェークスピアのハムレットではなくて、それを下敷に太宰治が描いたハムレットでね。青空文庫でも読めるのだけれど。最初に男がでてきて観る側を物語に導くのだけれど、それも太宰の作品のとおりで、そこから凄く良いの。でもねぇ、あのアゴラ劇場に回り舞台を作るという。

こまばアゴラ劇場

👩えぇ。
👨回り舞台というかセットだけれどね。その、セットが回転するんだ。あれにはびっくりしたねぇ。
👩凄いねぇ、やれば出来るんだ。
👨でね、さすがにフォーティンブラスまでは出てこないけれど、オフィーリアとかガートルードとかクロディアスとかは普通に出てくるので、というか原典の面影があって初めはシェークスピアの紡いだハムレットに寄り添ってみていて、要は描かれている物をハムレットの面白さに当てはめて観ている部分があったのよ。でも、終盤にはこの物語が面白かったので、二度見をして、二回目は、シェイクスピアと重ねるのが違うような気がして、その物語のおもしろさでというかあくまでも舞台に紡がれたものをみるように心がけたのね。そうしたら、また新たにものすごく面白いのよ。
👩めちゃくちゃ良い見方をしているじゃないですか。
👨なんか、太宰さんが何故これを書いたのかというのは考えたのだけれどね。でも、作家というのは、既存の世界を自分のものとして描いたときにはどうなるのかみたいな作業というのはあるのかもしれないなぁとも思ったし。
👩なるほどなぁ。でも、そういう話を聴いていると、私もそろそろお芝居をみないとだなぁ、ほんとうに。でも、そうだ、私、みたい舞台があって。あの、今huluで『十角館の殺人』という綾辻行人さんの小説、ミステリーの大御所だけれど、彼の作品をやっていて。
👨あぁ、Amazon PrimeVideoなんかでも宣伝しているね。あれでしょ、あの茶碗が十角だっていう。
👩茶碗って。
👨あぁ、茶碗が十角だったら持ちにくいか。
👩コーヒーカップね。それがhuluで公開になるということで。私はミステリーが大好きなのですよ。
👨はい、存じ上げております。
👩ミステリー小説を好んで読むのですが…この作品を映像で観るか小説で読むか…とても悩んだのですけれど。私は基本的には映像化された作品を見る前に自分がどう思うか知りたいから、先に小説を読むようにしているのですよ。
👨はいはい。
👩で、小説を読んだの。そうしたら凄く面白かったのね。それがまあ、とても好きで。でも、これをどうやって映像化しているのかなということにも興味が湧きまひて。で、ドラマを観たんですよ。
👨なるほど。
👩そのドラマを見て、多分オーディションで受かった方なのだけれど、出ていた男優さんがとても良かったんです。それでXで検索してみたらまだフォロワーさんが5~600で。
👨へぇ、まだこれからなんだ。
👩小劇場の人なの。所属劇団は劇団あしからずというところですね。もし彼が出るのでば観たいなぁと思いまして。
👨なるほど。私もちょっと調べて見ますね。彼がご出演ならお勧めに上げますね。
👩はい。
👨私の方からは、まずね、ちょっとお勧めするのにはためらいもあるのだけれど、Peachoysという団体をご存知ですか?
👩はいはい。
👨あの、はらぺこペンギンの白坂さん、彼がDJ Bokky a.k.a クソ旦那の名義で作・演出をして『新性器エヴァンと下痢男』という作品を下北沢シアター711で上演するのですけれどね。
👧ほう。
👨まあ、そもそも潔いくらいに下ネタしかない作品なのよ、Peachboysの公演は。
👩へぇ。
👨一時期は良心をしっかり持った白坂さんがぱらぺこペンギンの作品たちを清廉に昇華させて、悪い部分をすべてPeachboysにぶち込んでいたのだけれど、最近はらぺこペンギンもそのバランスが少し変わってきて、白坂さんも流石に疲れてきたみたいで、Peachboysは今回最終公演ということになって。私も2回に1回くらいしか見ていなかったのだけれど。正直毎回だとけっこう疲れてしまってね。またアゴラの最後ともまた違うけれど、話題になった団体だし最後は観ておきたいなぁと思って。まあ、おねえさんのお口にはちょっと合わないかもしれないけれど。
👩でも、どういうものかわかっているのはいいですよね。選べるし。
👨確かにね。まあ、以前の公演ではわかって観に行ってそれでも疲れたという方もいらっしゃったけれど。過去には想像を絶するものだったとかいう方もいらっしゃったし。
👩うん。
👨でも、けっこう実力ある俳優も出られるし楽しみということで。あともうひとつお勧めを上げるとすれば、やみあがりシアターかな。。
👧ほうほう。
👨『フィクショナル香港IBM』という公演があるので、そちらもお勧めしたいなぁと。やみあがりシアターは毎回新たに面白いのでね。また主宰の笠浦静花さんは11月にプテラノドンという俳優3人のユニットの公演でも作・演出をされるみたいで、今からそれもたのしみなのですが。
👧はい。
👨今回はこの2作をお勧めということで。
👧はい。
👨まあ、春から夏へとどんどん魅力的な舞台の噂も聞こえてきますしね。また、いろいろとお話できればと思います。
👧そうですね。
👨さてと、おなかも満たされたことだし、通りを渡って仁左衛門・玉三郎ご両人を観にまいりましょうか。
👧はい。
👨それでは演劇のおじさんと
👩おねえさんでした。
👨いってまいります。

こまばアゴラ劇場

(ご参考)
・青年団『S高原から』
2024年4月5日~22日@こまばアゴラ劇場
脚本・演出:平田オリザ
出演: 島田曜蔵、大竹直、村田牧子、
井上みなみ、串尾一輝、中藤奨、
南波圭、吉田庸、木村巴秋、
南風盛もえ、和田華子、瀬戸ゆりか、
田崎小春、倉島聡、松井壮大、
山田遥野

・EPOCH MAN『漸近線、重なれ』
2024年4月1日~@7日@新宿シアタートップス
脚本:須貝英
演出・出演:一色洋平、小沢道成

・早坂彩 トレモロ『新ハムレット』
2024年3月22日~31日@こまばアゴラ劇場
脚本:太宰治
演出:早坂彩(青年団/トレモロ)
出演:太田宏*、松井壮大*、たむらみずほ*、
清水いつ鹿(鮭スペアレ)、大間知賢哉、
川田小百合、瀬戸ゆりか*、黒澤多生*(*=青年団)

(今後のおすすめ)
・Peachboys 『ピーチボーイズ ~新性器エヴァンと下痢男~』
2024年4月24日~29日@シアター711

脚本・演出:DJ Bokky a.k.a クソ旦那
出演: GO、KYOKYO、KYOSUKE、
生粋万鈴(ハグハグ共和国)、佐藤友、つ
つじあゆこ、根本こずえ(演劇ユニットG.com)、
福永理未、熊野善啓、
島田雅之(かはづ書屋/studio4093)、園田シンジ、
三宅法仁、山田健太郎、
【回替わりゲスト】長田大史(踊る演劇集団ムツキカ)、
河村岳司(劇団AUN)、永吉明日香、森口美樹

・やみ・あがりシアター『フィクショナル香港IBM』
2024年5月1日~6日@北とぴあペガサスホール
脚本・演出:笠浦静香
出演:奥山樹生、梶川七海、加瀬澤拓未(ノックス)、
加藤睦望(やみ・あがりシアター)、小嶋直子、
小林義典、三枝佑(ターリーズ)、笹井雄吾(guizillen)、
佐々木タケシ、サニー、さんなぎ、
冨岡英香(もちもち/マチルダアパルトマン)、二宮正晃(本若)、
波世側まる、森田亘、湯浅くらら(ノックス)


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