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能動経済#107 反抑圧アプローチ(AOP)とSNSクリエイター

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反抑圧アプローチ(反抑圧的ソーシャルワーク/AOP)という運動がある。詳しくは下記の記事に詳しい。

私達は社会に属している以上、しがらみや権力構造を目撃する。しかし、その実態を掴むことは難しい。

そもそも権力構造というのはそれが隠蔽されている故に機能する。現代社会の権力構造とは、宗教と言い換えるほうがいいかもしれない。

近年増えているSNSクリエイターの傾向として、この権力構造を指摘し真っ向から批判、及びそれに対して個の力で現状を打破しようと説く者が多い。

ネット上で議論するクリエイターの多くにあてはまると思う。私の知る例で言えば、陽キャ哲学普及協会やFPもとこだ。

FPもとこ氏の掲げる「能動経済」はAOPと主張がよく似ている。大企業やメディアの情報に惑わされず、堅実な購買行動を心がけようという主張が主に展開されている。

私はAOP含め、彼ら半匿名的SNSクリエイターに共通する主張は歴史的に言えば共産主義に関する主張と殆ど同等だと考える。

「日本」を1つの島国と捉え、そこ住む者は皆「社会」の構成員であり、等しく人間としての権利を持つ。

よくも悪くもここまでは日本国憲法に書いてあるので、間違っているとは言えない。ただ、資本主義社会において経済的に成功していない者は、自分の不遇の原因を上記の社会の権力構造に求めてしまうのである。

資本主義のルールで負けたから、共産主義の主張を借りて自身はクリエイターとしての成功を目指す。まさに愚かさの極致だ。

彼らには芥川龍之介の「蜘蛛の糸」という小説を読んで欲しい。1抜けは不可能なのだ。

ドストエフスキーの「罪と罰」も良いかもしれない。卑劣な手段で1抜けしたところで、あなたはその卑劣さに耐えきれるか。清濁併せ呑んで今後の人生を生きていけるのか。

是非考え直してもらいたいものである。

また、FPもとこ氏は能動経済やmetoo運動ではなく、AOPやヌーソロジーを真剣に評論したほうがいい気がする。

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