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サラリーマンです。アラフォーです。カタい小説(短編)とユルい小説を書いています。疲れた…

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サラリーマンです。アラフォーです。カタい小説(短編)とユルい小説を書いています。疲れた同類たちに、癒しを!

マガジン

  • 【各話読み切り】ざんねんマンと行く!

    飽和状態のヒーロー業界に、こそり足を踏み入れた男あり。その名はざんねんマン。多くの場合ヘマをやらかし、たいした見せ場もなく最終盤を迎えるその姿は、さながら現代のしがないサラリーマンか。だが、その頼りなさが人々の眠れる力を呼び起こし、難題を乗り越える触媒の役割を果たす。今日も結果オーライでミッションコンプリートなるか。

最近の記事

【歩き旅と思索】仏教とのつながり

初めに言葉があった そこから人間の世の中が始まった これは間違いない 聖書の指摘するとおりだ 一方で、その言葉が生まれる以前から世界はあった それは恐竜が地上を闊歩していた時代であり、微生物すら登場する以前の原始地球の時代である 世界は、言葉がとらえる範囲を超え出ている 言葉に依りすぎることなく、世界をとらえようとする姿勢の一つに、仏教があるようにみえる 「無分別智」という発想がまさにそれだ その視点からは、自と他という絶対的な区別は発生しない 絶対者、唯

    • God of drink

      i am a kind of Non-bee, which means those who love drinking. yes drinking gives me much fun , excitement not only drinking itself but chatting with guys is also fun everytime i drink with people, i get so upbeat and very often carried aw

      • 【ショートショート】「倍返し」の世界

        21☓☓年。時の内閣が一つの法案を提出した。 俗称「倍返し法」 国も会社も地域も、争い諍いが絶えない。 技術が進んでも、人のこころまで進歩するわけではない。それが悲しい現実だ。 弱い者はいつまでたっても弱いまま。ジャイアン、もとい、強者はどこまでものさばっている。 どげんか、しちくんない。 一般ピーポーの言葉にならないルサンチマンを嗅ぎ取ったセンセイたちは、票を掘り起さんとばかりに悪目立ちしそうなアピールに出た。それがこの珍妙な名前の法案というわけだ。 ルールは

        • 歩き旅と思索~一筆書きの旅

          私は大学2年生のころから歩き旅をしている。 ひとつのまちを出発し、日が昇っている間は歩き、どこかあたらしい土地で休む。 日が明けたら、再び歩く。次の土地に着く。休む。次の日も同じだ。 こういう形で点と点をつないでいき、振り返るとおそらく2000㌔は歩いた。 私の頭の中には、日本列島のオリジナルグーグルマップが埋もれている。たまに脳内再生するが、これが結構楽しい。例えば、超早送りで東京~鹿児島間の沿道風景をリプレイできるわけである。 初めてこれに挑戦したときのことを綴

        【歩き旅と思索】仏教とのつながり

        マガジン

        • 【各話読み切り】ざんねんマンと行く!
          8本

        記事

          【短編】異次元居酒屋

          長らく呑兵衛をやっているが、こんな面白い居酒屋があるとは知らなんだ。 あれは先日の週末だ、私は郊外の自宅に直帰するのももったいなく、いつものように新橋SL広場に向かった。 これから酔いどれていくであろう背広姿の中年連中を眺めているだけで、寂しいこころが癒されるというものだ。 さあて、今日はどこでしっぽりやるかしらん。からっぽのアタマでSLの黒い車体に見入っていた。 「こいつに乗って、どこか行けたらなあ」 実際にそうつぶやいたかどうかはよく覚えていない。ただ、なんとな

          【短編】異次元居酒屋

          空間を歩く

          空間を歩く

          40と創作

          40を超えて初めて短編小説を書き始めた 空想に身を任せ、書きたいように物語を展開させる 弱い者が弱いままで救われるような、そんな世界を描くよう努めている これが実に楽しく、書き進めること自体がストレス発散であるとともに自らに養分を与える手段となっている 世の中は不条理が幅を利かせている、強いものが勝つ、しばしば裏切りが歴史をつくりあげている だけれども、本当は弱い者だってそのままであって赦されるはずだ 知恵が回らず、気配りが行き届かず、行間を読めず、裏側を見抜けな

          40と創作

          【ショートショート】しあわせメーター

          IT系のスタートアップが斬新な商品を売り出した。 「しあわせメーター」 ぱっと見はメガネだが、縁についているボタンを押すと、目の前にいる人の幸せレベルを数値化してくれる。 日曜の空いた電車で、私はたまたま向かい合った初老の女性にフォーカスしてみた。 「幸せレベル:85」 お、なかなか満たされていらっしゃるようだ。そういえば落ち着いたたたずまいの中に、なにか満たされたものを感じるぞ。醸し出される雰囲気のとおり、日々の暮らしの場面場面で幸せを見出していらっしゃるのかなあ

          【ショートショート】しあわせメーター

          脱・独我論考

          学生のときから妙な考えに苦しめられてきた 一言でいうと「独我論」だ 世の中で唯一間違いない真実とは、「考える私」しかないという思想である 手に取るカップ、遠目に映る白雲など、あらゆるものは ただ私が眼で受け止めているだけの感覚であり、瞳の向こうにそういったものものが本当に存在しているかどうかは分からない 中学生のころからこうした感覚に薄ら薄ら気づき、なんだか分からないため意識の向こうに放りやっていたが 大学に入り、専攻を選ぶ段階で哲学に決め、いろいろと先人の書いた

          脱・独我論考

          若い人の中にも気配りが効いて周りを和ませてくれる人がいる  どちらが学ばせてもらっているのか分からない だからこの世の中は続いているのだろう 乾杯

          【SF短編】7色の星

          宇宙は探検するほど発見がある。自分たちの常識がいとも簡単に覆されるのは、多少ショッキングではあるが、驚きと喜びがはるかに優る。 知れば知るほど、己の視野の狭さに思い至り、頭が垂れる。 ともあれ、こちらの星もまた我々地球人にとっては奇想天外な世界だといえる。 一言では表現しづらいが、あえていうなら性別が七つあるのだ。 我々の世界のように、男性女性という見た目にも分かりやすい区別はない。 いわゆる生殖器に相当する突起物や窪みのようなものがない。ただ、それ以外の点では人間

          【SF短編】7色の星

          【SF短編】こころめがね

          23××年××月××日 快晴 手記を綴りだしてからもう何年になるだろう。人生も折り返し点を過ぎると、何やら自らの足跡を残したくなるようだ。 それにしても、市場にあの商品が登場してから、世の中は一気に変わったと感じる。私の半生も、そしておそらく地球上のあらゆる人たちの暮らしも。 変わった、と今書いたが、正確にいうと「止まった」ということなのかもしれない。 文明は発展を続けてきた。技術の飛躍はめざましく、その歩みはこれからも足を止めることはないだろう。ただ、私がいいたいの

          【SF短編】こころめがね

          【SF短編】繰り返しの未来

          私は遂にタイムマシーンを発明した。 苦節50年、長かった。ああ、気づくともう喜寿だ。 感慨にふけっている暇はない。往生こいてしまう前に、見たいものを見ておくことにしよう。 ふっふ、私が見たいものは、古代の恐竜やら近未来の文明生活やら、ミーハーな衆生が鼻息荒くしそうなトピックではない。 私が見たいのは、川柳の未来だ。 考えてもみよう。我々のご先祖様が生み出した稀代の暇つぶし言葉遊びは、実に多くの笑いとちょっぴりの涙を生み出してきた。 それは毎年表彰される「サラリーマ

          【SF短編】繰り返しの未来

          【SF短編】過去なき世界

          その惑星の住民は、見た目こそ我々地球人と似ていたが、決定的に異なる特性があった。 過去がなかったのだ。 正確にいえば、彼らは過去への関心が極めて薄かった。その代わり、目の前の「今」に注意力のほぼすべてを注いでいた。未来については、あくまでその延長線上に浮かぶ白雲のようで、フワフワとしてつかみどころがなかった。 そうでありながら、地球人に劣らないほど進歩した文明と技術を構築していた。知識の蓄積はできたからである。 感情もあった。喜怒哀楽は、ときに我々に劣らぬほどの豊かさ

          【SF短編】過去なき世界

          【SF短編】未来の天動説

          今思えば、100人を乗せた宇宙船「cosmo ship」が初めて彼の地に着陸した瞬間が、地球の我々にとって興奮と期待のピークだったのかもしれない。 西暦28XX年。人類は遂に念願の火星植民化を果たした。地球は温暖化が加速し、南北の氷河が溶け、陸地は狭まり、気候変動で各地が豪雨に間伐に苦しめられていた。人類も100億人を超えて食料も不足しはじめ、一部の人々の引っ越しはもはや避けられない道となっていたのだ。 気圧は地球の100分の1。重力は3分の1。太陽の強烈な電磁波から地表

          【SF短編】未来の天動説

          【随想】輪郭

          名前をまとうと、そこに個性が現れる 個性は輪郭を伴う 輪郭は、自と他を分ける境界線である そこから相互作用が生まれる あるときは発展であり、あるときは対立である 今の世の中は、対立が幅を利かせているようにみえる 本来は名も無い統合体が 己が内の分裂作用によって自らを切り刻み、うめき声をあげている 名前をまとう前の状態に戻れないか あるいは、名前をひとときでも忘れられないか 私はAという国のB地方で暮らすCという会社の人間である、Dという教えを奉じている。こ

          【随想】輪郭