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制裁裁判、法廷録音で話題の裁判!気になる判決の行方は!? 傍聴小景 #105(ストーカー規制法)-判決編

今回の記事は過去の記事から続きとなります。是非過去記事よりお読みください。

自分はこういった記事や、動画などで裁判について知ってもらいたい、よくわからないというイメージを払拭したい、などと考えております。
その中で自分の課題というのは、「情報が届くのは既に一定の関心がある方で、そんなに関心のない方にどう届けるか」という点でした。

その点で考えると、この裁判はイメージを払拭したい自分にも勝手に「裁判とはこうだ」という固定観念があったんだなと気付かされたものであったように思えます。やはり新たな層にリーチすること、そして何か物事を動かすというのはとても大変なことですね。

と、少し感慨に耽りながら、とうとう迎えた判決期日の法廷に向かう僕。
しかし判決の日であっても、そんな感慨をふっ飛ばす刺激を与えてもらったのでした。


開廷前に思ったこと

なにかと話題が多かった裁判。前回裁判は人も多かったし、判決はどれほどの人が来るのか。

ここまで追っておいて、判決聞けないなんてありえないということで、早めに法廷入りしました。その法廷では、直前まで別の裁判がやっていたのですが、僕と同じように判決を傍聴しなければと思う方がいたのか、ぞろぞろと人が入ってきました。

その裁判の被告人にとっては、いきなり裁判の公判にぞろぞろと人が入ってきて、この後にいったい何が行われるのかと驚きだったでしょうね。
大阪桐蔭の試合を前に、8ウラあたりからぞろぞろ人が入ってくる甲子園球場のようなざわめきでした。


さて、アルプススタンドも入れ替わり、今回の裁判の準備が粛々と行われます。
今回も前回同様に、傍聴席の左最前列3列が、耳の不自由な方とそのノートテイクの方のためにキープされておりました。今は申請の上ですが、将来的にはもっとそういった特性の方でも傍聴しやすい環境が整ったりするのでしょうか。

裁判所によっては、有名事件でなくても常設として記者席が設けられているところがあったりしますからね。空席率の方が高いのに。

で、あれば障害をお持ちの方向けの席が「検討」されてもいい気はします。今はその声が恐らくないor少ないため検討の必要もないとされていますでしょうが、それはそもそも傍聴できるものという認識がないからでしょう。

僕としては、作って欲しいと熱望するものではないですが、検討するきっかけであったり、全国の裁判所に同じような要望があった場合に、どう対応すべきかが周知されて欲しいなとは思います。


まだまだ裁判は始まらず

開廷時間となり弁護人と被告人が法廷に入ってきました。被告人はいつも以上に足取りが重いように見えます。

判決を聞くだけかと思いきや、そう簡単には始まりません。始まるわけがないじゃないですか。
弁護人が立ち上がって意見を述べました。

ノートテイクの人は第一言語が手話ではない
弁護人として、ゆっくり喋ってはいるが、書き起こしなどが間に合わないのが実情とのこと。パソコンでの書き起こしの方が、傍聴するに際し、正しい情報を伝えられるとのこと。

この公判の直前ではあるがパソコンテイクの許可を求めたが不許可であった。なぜ不許可なのか理由を教えて欲しい。理由によっては実現できる方法も検討できる。

まさか判決の直前までこんなやりとりがされていたとは。

同じ傍聴人であっても、間に人が入ることによって得られる情報量や正確性が変わってくるということを問題視しているわけですね。

この一つ一つの事象を詰めること自体、なんだか検察官の証拠調べみたいでなかなか興味深いです。裁判の中に、もう一つ裁判がある感じ。

もしくは被告人質問での「どうしてこれが犯罪かわかりますか?」という質問にも似ている気がする。
規則、法で決まっているからでなくて、それがどうして決まっているかを知らないと本質が理解できておらず、またするのでは?という質問ですね。

これらが説明されないと、不許可にされた方は思いのモヤモヤを吐き出す先もないですもんね。

裁判官が答えます。

事前に申請を受けましたが、(弁「書き起こしが間に合わないのでゆっくりでお願いします」)
申請では机、パイプ椅子を持ち込む前提のものでした。それでしたら、傍聴席、法廷での安全性、災害時の対応(?)などに支障があると判断しましたので不許可としました。

これ以上、議論はしませんよ。

最後に釘を差すあたり裁判官も弁護人の性格をわかっておられる。まぁこんだけやっていれば、傍聴席全体も把握していることだけど。

上記説明に対し、一言言いたそうな感じはあったものの、さらに別の説明を求めます。

弁:
(恐らく弁護人が)LINEを使って、打ち込んで、その方の電子機器の画面に映させるという方法も提案したと思いますが

裁:
法廷内では通信機器の使用が禁止されていますから認めません

弁:
個別具体の事情として認めていただくことはできないのでしょうか?

裁:
本件、判決を言い渡す期日で例外を設ける必要はないと考えました

被告人:
判決の日でなければいいのですか?

裁:
そうは言ってません。
どうするんですか、弁護人、続行(別の日に裁判を続ける)することになりますよ

被告人も交えての大論戦。入廷時の体調の悪そうな感じはどこへ行ったのか。

ここまで来て判決が出ないというのもレア過ぎる。弁護人としてはそれでも構わないという主張でしたが、なんやかんやあって進行に同意することになりました。


判決の言い渡しのため、裁判官に証言台に向かうよう言われる被告人。
どうしたらいいかキョロキョロしていましたが、弁護人に行くように促されます。

弁護人「残念だけど、頑張ったよ充分」

ここまで長らく、文字通り頑張ってきましたが、ついに進行に従うことに。

しかし、ただ抗っていたわけでなく、被告人の意思に沿った活動をしてきただけのこと。ここでの進行に応じた姿勢も、抗い続けることで被告人への不利益もありうると判断したものと勝手に解釈しました。(それは、良く言い過ぎかな…?)

証言台の前に座る被告人。

判決の前に裁判官が口を開きます。

「判決主文の後、その理由についてはモニターに表示をします

前回、論告弁論は書画カメラを使ってモニター表示がなされましたが、判決文についても同様の対応を取るとのこと。

この対応からも、裁判官が単なる弁護人に対する個人的な感情でダメダメと言っていたわけでないことが感じられます。
逆を言えば、それでもなお録音が認められないのは、どれだけハードルが高いのか?という話になります。

モニター表示については、弁護人も礼などを述べつつ、ようやく判決が言い渡されます。


判決主文

被告人を懲役6月に処する。この裁判が確定した日から3年間その執行を猶予する。

懲役6月(求刑通り)、執行猶予3年の判決となりました。

以下、その判決の理由となるのですが

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