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【社会人の意見を求む】これは会社の杜撰なルールの問題か、はたまた大きな犯罪か? 傍聴小景 #114(有印私文書偽造・同行使)
このnoteをお読みいただいている方やニュースをよく見る方は「執行猶予」という文字を目にすることが多々あると思います。懲役刑だけど、その「執行」を数年間「猶予」するからその間、別の過ちを犯さなければ、その懲役刑は受けなくていいというものです。 同じく猶予がつく言葉で「起訴猶予」という言葉もあるのですが、これは聞いたことがある人というのは少し絞られるのではないでしょうか。 被疑者が犯罪行為を起こしたことは明らかだけど裁判を受けさせるまでではないと判断することです。いわゆる微罪
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「疑わしきは罰せず」はやっぱり難しい。服役前科がまさかの弁護側の武器に 傍聴小景 #110(組織犯罪、詐欺)
こういった物書きをしていると、「疑わしきは罰せず」という基本原則を念頭に置いた上で発信をしなければならないと思っております。とは言え、法律のプロらが頭を悩ませる訳ですから、私が悩まないはずがない訳でして。 例えば全部なり一部なり事実関係を争う方がいます。 その主張に納得できる場合、「言ってることはわかるし、認めてあげていい気がするけど、判決ではどうなるかなぁ…」とドキドキします。 でも、たまに「言ってることはわかるんだけど、これで無罪になってもなぁ…」と思うこともあります
有料300制裁裁判、法廷録音で話題の裁判!ようやく迎えた尋問期日で見えてきた新たな真実(後編) 傍聴小景 #108(ストーカー規制法)
今回の話は前後編の後編です。前編を見ていないと話が伝わりませんので、どうか前編からご覧くださいませ。 今回は被告人質問。 ここまで来ると長かった裁判もようやく終わりが見えてきました。ただ、終わりが見えたはいいけど、前回裁判官が争点とした については、ちょっとモヤったまま進んでいます。被告人質問で明らかになるのでしょうか。 刑事裁判って、こういう違法性の要件を満たすか否かって話が、「証拠によって明らかだ」と双方主張するけど、キャッチボールとして議論されないのが、少し法律素
ゲストハウスに忍び寄る黒い影。性被害者が10名に至るまで発覚しなかった驚くべき理由 傍聴小景 #106(準強制性交等など)
20代で国内47都道府県は踏破しているので、それなりに旅好きと言っても問題ないだろうと思っている僕。そんな僕の前に驚きのニュースが流れてきました。 直接の記事引用などは避けますが「岡山 ゲストハウス 事件」などで検索してみてください。 岡山県でゲストハウスを運営していた男性が、女性宿泊客に対して薬物を飲ませて性的暴行をしたとされる事件です。 ホテルの様なセキュリティ面の安心はなくても、旅費を抑えつつも旅行、宿泊したい人を温かく迎えてくれるゲストハウスでのこのような事件は
有料500巧みな弁護人の尋問テクニックに驚嘆!迷惑な電車男の訴えとは!? 23年印象的裁判第2位! 傍聴小景 #105(威力業務妨害、建造物侵入)
今日のテーマは尋問です。 大変恥ずかしながら「質問」と「尋問」の違いをよくわかっていなかったのですが、いろいろ調べてみると といった説明がありました。 刑事裁判においては、証人「尋問」、被告人「質問」という使われ方をします。 被告人質問において虚偽の発言をすることで、何か罪に問われることはありませんし、黙秘権行使によって回答を拒むこともできます。 一方で証人尋問においては、尋問のはじめに嘘をつかない宣誓をして、裁判長からは虚偽の証言をしたら偽証罪にかけられる可能性を説明