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cakes終了とともにnoteを閉鎖します。

2012年から『ハジの多い人生』などの連載を続けていたコンテンツプラットフォーム「cakes」が、2022年8月末をもってサービス終了することとなりました。私にとっては文筆家デビューのきっかけをいただいた大恩ある媒体です。2014年に「note」を始めたのもcakesあればこそという経緯でした。上の画像は2013年末にピース・オブ・ケイク社(当時)で撮られた対談記事の写真。今度また次のローンチありますよ、と最初にnoteの噂を聞いた頃です。懐かしいね。この服、家で洗ってびよんびよんにのびたけどまだまだ着てます。

今現在のnoteにおいてはフォロワー数3690はまったく大きな数字ではないでしょうが、こう見えて私、昔はアルファnote民として鳴らしていたんですよ。新しもの好きのアーリーアダプター相手に高値をつけた有料記事がホイホイ売れて、毎月十数万円のお小遣いが発生していました。8年余の総額はいくらになるんだろう、怖くて数えていません。あの頃の臨時収入はすべて2015年からの渡米費用に溶けて消えましたね。

数年前から運営会社の度重なる炎上とその応対について主に倫理的側面から不信がつのり(※詳しくは各自ぐぐれ)、近年は積極的な利用を控えて放置状態でしたが、このたび10年目の大きな節目を迎え、自分にとっても大変よい機会が訪れたと思っています。「cakes」終了にともない「note」の個人アカウントからも撤退し、公開停止することに決めました。


■今月から過去記事を削除します。

あちこちにお知らせが届けられる新規投稿と違い、削除のプロセスは読者の皆様から見えづらくなると思います。ざっくり方針として、三日坊主に終わった月極有料マガジンあたりから先に作業にとりかかります。

「わたしは驢馬に乗ってnoteをうりにゆきたい」に代表される「noteそれ自体について書いたもの」「noteで読むから面白いもの」は、この最後の挨拶とともにしばらく残す可能性もあります。とはいえ、今のところはcakesの更新公開終了に合わせた7月8月いっぱいを目安に全記事削除を目標としていますので、何か駆け込みで購入したい記事がある方は、お早めにお手続きのほどお願いいたします。→マガジン一覧はこちら


■購入済の記事は見られます。

「過去お買い上げくださった購入者に断りなくアカウントを閉じてよいのか?」という点を気にしていましたが、noteは現在「削除された記事でも購入者はいつまでも閲覧できる」仕様となっています。まぁcakesだって定額課金読み放題だったのがサイトごと丸ごと消失してしまうのだから油断は禁物なのだが……。ひとまず私の「売り手」としての務めはここまでで終え、個別にご連絡などはせずにおきます。

購入済みの有料記事がクリエイターによって削除された場合、その後は閲覧できますか?

削除された記事の内容は、[購入した記事]もしくは[購入履歴]のページからアクセスするか、購入時に配信しているメールからご確認いただけます。

https://www.help-note.com/hc/ja/articles/360011270754


■もう一度、ブログに還ります。

削除した記事は、折を見て公式サイトのブログに転載予定です。ゆくゆく無料で読めるなら駆け込み購入しなくてもいいじゃん? とお思いの方もあるでしょうが、何を隠そう私はこの「よそで書いた過去記事をサイトに転載」という作業をずーーーーーっと放置し続けている……。1998年からのHTML日記も、2003年からのはてなダイアリーも、mixi日記も何もかも、数百本単位で埃をかぶっているので、note記事が今後いつどのように再公開されるかは保証しかねます。買うなら買ってください。

新しいサービスで遊ぶうち興が乗ってコンテンツを増やしても、諸事情で継続が難しくなったとき、データをエクスポートしてひとつところにまとめ上げる先は結局、「紙の本にして出版する」か「独自ドメインを保持したウェブサイトに置く」になる。だったら最初から本にするかブログに書けばいいのに! と、私もそう思います。それでもやっぱり面白い遊び場があればそこで何かを始めてしまう。懲りずに何度でも、何度でも。

noteも私にとって、とびきり素敵な遊び場の一つでした。「一度も会ったことないのに毎日一緒にいるようなインターネットの仲間たちと、likeでもトラックバックでもなく小銭を投げ合い、それが現実世界の財布に落ちて、チャリンと鳴る」悦びを最初に教えてくれた場所です。また別の課金プラットフォームでみんなと遊べたら楽しいだろうな、次の10年はどんな投げ銭の未来が待っているんだろうか、と夢想しつつ、当面は原点回帰、無料のインターネットに還ります。

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