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味覚の秋、芸術の秋

11月13日の関東では3年ぶりの木枯らしが吹いて
「さむっ!!ちゃんと冬が来るのね~」
と思っていたら、また20℃超える日もあって。
「今年の秋は長いのね~」と、寒い冬が大嫌いな私はちょっと嬉しい。

今年、栗の美味しさに目覚めたので、笠間市という焼き物が盛んで栗の産地でもあるところへ行った。
家にある食器がだいぶ割れて減ったので、たたらの小鉢を買いたかったというのもあって行ったのだけど、B品が売ってそうと思って適当に入った店では特にいいのが無くちょっとがっかり…。それでもウチの近所の店では、たたらで使いやすそうなのが売ってないので3つだけ買った。

唯一希望するサイズのたたらの小鉢がコレしかなかったのだけど、栗模様。

今年は栗づいている。栗年だ。

昔、製陶所にいたので、B品理由は分かるし、正直好みでない…。
できれば好きと思うものにお金を払いたいところだけど、ガンバッテくださいの意味で仕方なく買う。
でも、高台が無いぶん軽いし重ねやすいし、土物なので普段用には非常に使い勝手よかったです。笠間といえば栗。小腹が空いたので道の駅へ。
私は笠間の栗のモンブランのジェラート。

奥に写っているのは特大のお揚げがのった稲荷うどん。多分、笠間稲荷つながりかと。

このジェラート色白で淡泊そうに見えますが、笠間の栗がふんだんに入っていて私が知っている、いわゆる「モンブラン」とは風味が別格で驚きの美味しさでした。
笠間では栗推しなデザートがあちこちで販売されています。死ぬ前に全部制覇してみたい。

そして笠間に来たら必ず入る、芸術の森公園内の陶芸美術館。
窯業校に居た頃はほぼほぼ土物を扱っていて、磁器物は上絵の授業の時に扱う程度でほとんど興味が無かったのだけど…、人の興味嗜好は本当に変化するものだなと思う。
今は磁器の繊細さの陰にある凄い技術に改めて感心してしまう。
それと、表面的な装飾が立つ器でなく、土やガラスの材質そのものの特性と轆轤と削りの技術だけで勝負しているようなものに尊敬の念がこみ上げてきてずーっと眺めていたい気持ちになります。
それにしても、この大鉢の繊細さ。
うっとりです。

釉薬の貫入と青磁の中に少しだけ鉄成分でさす口部の赤味がなんとも色気があってきれい
上絵といえば赤、緑を使うことが多い中、薄い黄色だけで描いた撫子が素朴でかわいい

そうはいっても土物も好き。いいものはいい。
一見、黒土に鉄釉をかけているだけの壺かと思いきや、馬の模様。

この馬は鉄釉か柿釉の抜絵の技法で描かれている?
いっちん(瀬戸ではこう言っていました)を使った黒く細い輪郭があるおかげで、軽やかで現代的な雰囲気になっている気がする陶箱

昔は一品一品見ては、頭の中で「土はこうで装飾技法はこうで釉薬はこうで焼きは酸化?還元?」と工程を辿る訓練をしていたけれど、だんだん色々なことを忘れてしまっているなあ…と、ちょっと寂しくもあり。
少し、小さい物からまた陶磁器を始めたい気もしたり。
(これはでも、現実逃避したいだけかもしれない…。)

私の秋の味覚といえば、かつてはサツマイモと柿でした。
サツマイモは畑にわんさかできて、だいたいどこかで芋掘りさせてもらえるのと、柿もこれまたわんさか実っていて野鳥と取り合いか、というような…。
買わずともド田舎ならどの木が甘柿か知っているので、食べたくなれば取りに行けばいいし、近所からももらうしで身近だったから。
だけど、大人になって、サツマイモは便秘気味の人には不溶性食物繊維が多いから食べない方がいいというのを知って以来あまり食べなくなり、柿は息子がヌメっとした食感が嫌いといって食べないので、ほぼ食べなくなってしまった。
今も昔も渋柿は本当にあちこちにあって、私が子どもの頃は近所でそこらじゅうに干し柿がぶら下がっていた。

ウチの干し柿はただ干すだけなのに、ある時、裏の農家の家に遊びに行ったら焼酎に浸けてから干すと言って剥いたそばから柿を酒の中にぽいぽい入れていくのを見て驚いた。
大人になってから、それが主流のやり方と知ったけど、何にもしないで干すだけでも、群馬は本当に北風で寒かったから大丈夫だったんだろうなあと、今は、ご近所さん数軒で干されているのを見てそんなことを思い出す。

今は、私にとって秋の味覚といえば、りんご。
ここがりんごの南限といわれる地域で気軽に行ける所にりんご園があるから。
もう、めちゃめちゃ美味しいのですよ!!
シーズン中は大賑わいです。

秋の終わりのりんご園

この園は、15年くらい前に「500円でリンゴ狩り食べ放題」ができると知ってそれ以来通っているのですが、現在は園内でマナーが悪くいたずらをする人が出てきてしまい、残念なことに直売のみとなってしまっています。
それでも、自然に近い農法で、雑草は手作業でむしり土に返して肥料に、実には袋をかけないで太陽をあてるなど、その分、虫や天候との闘いがあって大変なわりに見た目には悪いものも多いんですけど、本当に味の濃い美味しいりんごを作ってくれているので、せっせと通っています。
また、このりんご園の園長さんが、いいオジさんで!
いつも笑い顔。持って生まれた笑い顔?
「美味しいりんごを食べてもらいたいから」と、熱心に美味しいりんごの見方をお客さんに教えている。そして「あ、これは赤いけどお尻に少し緑があるからあんまり美味しくないよ。」ということも教えてくれる。
8月下旬の紅玉から始まって今はサンフジとぐんま名月になって、12月14日がおしまい。なので、私のりんごシーズンもここでおしまい。

りんご園のすぐ近くには味噌蔵があって味噌ソフトクリームがあります。

20種類くらいの味噌が売っていてソフトクリームの他に味噌ショコラというチョコと併せたスイーツもあって、甘い+しょっぱいやつで美味しい。

小春日和の気候なんでソフトクリームも寒くなく食べられ幸せ
シッポまでふんだんに。田舎のおばちゃんならでは「たっぷり食べな~」と(笑)。

そして初めての味覚。
小笠原諸島産スターフルーツ。
夫と同じ職場の人で以前焼き栗をくれたオジさまから、またいただいた。
これは、秋の味覚なのかどうか不明ですが…。
小笠原では今が旬なのでしょう。

へたと角っこだけ取れば食べられるらしい
芳香剤の香りがするような(^-^;。味は薄い。正解の味が分かりません。

焼き栗をくれたこのオジさまは、夫にしょっちゅう、饅頭やら団子、どら焼き、チョコ、大福、柿、梨…などの甘味や時々は巨大焼き鳥とか持ってきてくれるのですが、ほぼほぼ私の元へ通過してくるのです。

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