見出し画像

009 実家の両親の終活②~老老介護から認認介護へ?

前回の話

「ご両親とも、今のままでは限界かもしれません」

ケアマネージャーさんの言葉の意味は「主に車いす生活で介護が必要な父親が今のまま在宅で過ごすのは無理」という意味でした。母がいわゆる「老老介護」を行っているのですが、その母も高齢化しており、体はまだ何とか動くものの認知症の心配が出ているからです。

父が老人ホーム入所を断った!
つまり二人の介護が必要であり、そんな状態の二人が今の状況で生活するのは限界であるというということ。夫婦で入れる老人ホームへの入所が理想ですが、昨年、条件的に入所可能なホームをケアマネさんが見つけてくれたのに、話が進んでから父親が断ってしまったのです。自分はそういうところに世話にならず、自宅で一生を終えたいと考えているようでした。

体が動かない状況の父は頭は割にしっかりしており、心情的に「自分が母に面倒を見てもらっている」よりも、「自分が認知になってきた母の面倒を見ている」という気持ちが強いようで、「自分より母を入所させてやってほしい」と言っているとのこと。

さすがに「父は何を言っているんだ?」という気持ちになり、とにかく実家に帰ることにしようと、近所で暮らす弟と叔父(父の弟)に連絡を入れました。実は1年以上前に父と電話で話した時、私と弟、叔父の4人で話がしたい、と言っていたからです。そんなことを父が言うのは初めてだったので、よほど伝えたい思いがあるのかと、気にはなっていました。

併せて父が「他県の人間と接触するのはデイサービスの担当者から禁じられている」と言っていたその施設の担当者ではなく、施設の経営者に電話で事情を確認することにしました。これについては父に情報解釈の誤解があったのですが、先方も伝達内容に不備があったようです。経営者さんと話をして、現場の方に今回の対面(もちろん感染対策は万全で)を理解してもらえるよう伝え、その結果、父も対面で会うことに納得しまして。

母を同席させない作戦
さて次の問題は母。男4人で話をしたいのですが、何せあらゆることに口を出し、面倒なことを言っては場を滅茶苦茶にしてしまうのが得意な母です。…これは50年前からなのですが。今回も余計なことでクチバシを挟まれては困るので、急な話でしたが妻にも同行を依頼することに。我々が会談している間、母を連れ出して買い物にでも行ってくれないかと。

叔父や弟から私に与えられたミッションは「父を説得すること」。もちろん老人ホームに入所させるのが目的です。2人はこれまで散々父に話してきたのですが、ことごとく失敗。どうしてもガンとしていうことを聞かないとのこと。性格的に父親に似て怒りっぽく意固地で頑固で平気で机をひっくり返すような性格の私に話がくるのは必然だったのかも。そんな評価は全然嬉しくないのですが。

しかし、このままでは父も認知症となり「老老介護」ならぬ、認知症同士の夫婦の「認認介護」に陥りかねません。そうなるともう完全に手遅れ。今でも十分に遅いような気もしますが、まだ手を打てる余地はありそうです。

打ち合わせは皆がスケジュール調整をしやすい日曜日の午前に設定し、念のために土曜日の夜に帰省することに。ミッションを与えられた私でしたが、まずはしばらく会っていない父の言い分をとりあえず彼の気が済むまで聞いてやろう、と決めていました。

次回「老人との対話には傾聴が必要」(仮)へつづく。

終活問題に関するご相談は、経験豊富なあらゆる専門職の揃っている一般社団法人プリエンド協会までどうぞ。

岡橋秀樹

一般社団法人プリエンド協会 代表理事
公式ホームページ】【Googleサイト
公式FBページ】【公式twitter
岡橋FB】【岡橋Instergram


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?