ドントブリーズ_ホラーショーheader

ツルガキ!傑作ホラー『ドント・ブリーズ』は「偉大なる3人のロッキー」に捧げられた壮大なオマージュだ!完結編

やっと完結編や。

ホラー映画の紹介ひとつで、まさかここまで長引くとは思わんかったな。

第1回目が、ポリスの名曲『ロクサーヌ』だったね。


映画の男主人公アレックスが女主人公ロッキー(本名ロクサーヌ)に寄せる想いと、スティングが娼婦ロクサーヌに歌い上げる内容が、そっくりそのまんまやった。

てか、アレックスは歌詞そのまんまの言動をするんやったな。映画を通して。

あとミュージックビデオのイントロ部分が、そのまんま映画の元ネタになっとる。

ちょっとオモロイ発見やったで。未読の人は下の画像をクリックや!

そして第2回が、不朽の名作『ロッキー』だったね!

女主人公ロッキーのキャラクターが、映画『ロッキー』のロッキー・バルボアとエイドリアンから作られたっちゅうハナシやったな。

テントウムシのタトゥーも、エイドリアンから来とった。これも目からウロコやったで。今まで何遍もこの映画観たけど、あの帽子がテントウムシやったなんて、全く気がつかんかったわ。

「ロッキーに投げられたのはリンゴかオレンジか」問題も面白かった!

ボクシング映画の名作『ロッキー』の物語が、あの「黄金の林檎」から作られていたってのは驚きだったね!

そして最終回が『ロッキー・ホラー・ショー』だ。

おかえもん!どこに居たの!?

ふふふ。ちょっと隣の部屋で『ロッキー・ホラー・ショー』を観てたんだ。YouTubeで300円で売っててね。たぶん観たのは25年ぶりくらいだよ。あの頃は青くて気がつけなかったことにも、今はたくさん気がつけた。ホントにサイコーな映画だね。

原題は『ROCKY HORROR PICTURE SHOW』。オリジナル舞台版とはちょっと違うみたいなんだけどね。

あとで観る!

マジ超お薦めだから。

しかし久しぶりに観て、改めて思ったよ。

『ドント・ブリーズ』は『ロッキー・ホラー・ショー』そのまんまだったってね(笑)

この2つの映画を続けて観たら、マジ笑えるから。

笑わせるための映画やないやろ?

そういう楽しみ方があってもいいんじゃない?

脚本&監督のフェデ・アルバレスも、それを意識して作ったと思うよ。

てか、それが目的だったと思う。

1回目は純粋にホラーとして楽しめて、2回目以降はパロディとしても楽しめる…ってね。

だって、最初のシーンから最後のシーンまで、完璧なるパロディになってるんだから。ストーリー、設定、セリフ、小道具、カメラワーク…。でもそれを気付かせないようになっている。

『ドント・ブリーズ』は『ロッキー・ホラー・ショー』への、とてつもないオマージュ作品なんだよ。フェデ・アルバレスの満面の「ドヤ顔」が目に浮かぶね。

そこまで言うか!

予告編で、ロッキーが白い服着てベッドに寝転ぶカットが入るんけど、あれをわざわざ入れたのも『ロッキー・ホラー・ショー』への敬意を表している。

なんでやねん?

あれは最初の空き巣シーンでのものなんだけどね。

ロッキーは侵入した家でその家の娘の部屋に入り、娘の服に着替えて、ベッドに横たわる。そして目を閉じて夢想するんだ。

「もし自分がお金持ちの家の娘に生まれていたら…」ってことを。

社会で見下されることもないし、何か問題が起きてもお金で解決できちゃう人生をね。だからロッキーは、老人に捕まってたお金持ちの娘を「自業自得」って思えなかったんだよ。もし自分が同じ立場だったら、同じことをするって思ってたから。

だから、そこでの衣装は白いものしか有り得ない。着替える服は「白」じゃなきゃダメなんだ。

この映画が『ロッキー・ホラー・ショー』へのオマージュだからね。

わざわざ予告編にあのカットを入れたのは、観客にそれを伝えるためのサインなんだね。『ドント・ブリーズ』ってタイトルも『ロッキー・ホラー・ショー』へのオマージュなんですよ…って伝えるためのね。

どうゆう意味!?

この映画のタイトル『DON’T BREATHE』は、『ロッキー・ホラー・ショー』の劇中歌『DON’T DREAM IT』から取られたものなんだよ。

どんな歌?教えて~!

素晴らしいバラード曲なんだ。

それじゃあ、「女性*」であるラバーン・コックスが、「男性*」のフルター博士を演じた2016年バージョンでどうぞ。

(*コックスもフルター博士もトランスジェンダーです)

KISSのメイクしたフレディ・マーキュリーみたいだった変な博士を、おっぱいボインボインの「女優さん」が演じてるんだ!

1975年版にはあった、プールでの「おっぱいポロリ」が無い!!!

ところで、キングコングの手のひらみたいなセットだけど、これはどんな歌なの?

マッドサイエンティストのフランク・N・フルター博士が、「倒錯」した愛を『キングコング』に重ねて、みんなに「カモ~ン!」って訴えてる歌なんだ。

オリジナル版のキングコングに主演した女優フェイ・レイになりきってね。

こんな歌詞だよ。


フェイ・ウェイは、いったいどうなったかしら?

薄いサテンでギリギリ隠したその火照った体

今にも剥き出しになってしまいそうなその欲望

もう、ちょー泣けてくる

だから彼女と同じ格好がしたかったの

おんなじように生きたかったの

ヤバいくらいの快感にこの身を捧げて…

Swim the warm waters of sins of the flesh

すべてを超越した、官能的すぎる悪夢…

ずっとしまってあった、みだらな白昼夢…

あんた、まだわからないの?

DON’T DREAM IT, BE IT

夢に思ってるだけじゃダメ

考えてばかりじゃなくて、行動するの

ありのままを、あるがままに


おお!「考えるな、感じろ!」みたいやんけ!

「ありのままで」だね。元祖レリゴーだ!

そう。

映画のタイトル『DON’T BREATHE』は「息をするな!」って意味だよね。息をしたら音で盲目老人に居場所がわかってしまうから。だから息を潜めて、なるべく音を立てないように、アレックスとロッキーは老人から逃げ回っていた。

でも逃げてるだけでは、いつか捕まる。

どこかで勇気を出して、しっかり息をしながら立ち向かわなければならない。

「DON’T DREAM IT」の歌詞が「BE IT」と続くようにね。

そういえば歌詞に英語のままの部分があるよ。どうして?

すっごくエロチックで深い歌詞なんだけど、僕の腕ではカッコよく訳しきれない。

「本能を”制止”しないで…」とか、「”生死を賭ける”くらいに…」とか、「地球の”静止”する日が来ても…」とか…

「せいし」って言葉がキーワードなんやな。

イグザクトリー!

だから『ドント・ブリーズ』でも、「sins of the flesh」を「warm」するシーンがあるわけだ。

あの盲目老人は、マッドサイエンティストのフルター博士なんだね。だから最初の実験台は殺されちゃって、ロッキーが次の実験台になったんだ。

そうなんか。

『ロッキー・ホラー・ショー』での最初の実験台はエディーっていう青年なんだけど、色白ぽっちゃりでね。「体がイケてない!」って理由でフルター博士に捨てられるんだ。博士はエディの脳味噌を半分摘出して、筋肉もりもりの人造人間ロッキーに移植する。お払い箱になったエディは冷凍室で冷凍保存だ。

でも脳味噌が人並みの半分しかないから、人造人間ロッキーは筋肉もりもりマッチョのくせに自分に自信が無い。

どっかで聞き覚えのあるハナシやな。

スタローンの『ロッキー』だよ。あの映画も『ロッキー・ホラー・ショー』の影響をモロに受けているからね。

「体が終わってる!」ってトレーナーに捨てられたり、ママに「お前は頭が悪いんだから…」って言われたり、「冷凍室の死体」が出てきたり…

『ロッキー・ホラー・ショー』は1973年にイギリスで初演されて、1974年にアメリカ進出を果たしロサンゼルスで公演される。大ヒットを記録して1975年には映画化された。

スタローンはニューヨークでずっと芽が出ず、ポルノまがいの映画や芝居に出演していた。でも1974年に出演した映画での演技がちょっと注目され、ハリウッドで挑戦するためにカリフォルニアへ渡る。ちょうどLAで『ロッキー・ホラー・ショー』が公演されている頃だ。そして1976年に自ら脚本を手掛けた『ロッキー』で大ブレイクする。

なんか偶然のような気もするけど…

絶対に観に行ってるはずだよ。あの当時『ロッキー・ホラー・ショー』はLAで大ブームになってたから。演劇・映画関係者は、ほとんどみんな観に行ってる。

しかも、スタローンのお母さんは占星術師で美容家だ。そしてスタローンは小さい頃から読書や演劇・映画が大好きで、自分でも数多くの脚本を書いてる。ギリシャ神話をベースに映画ネタをふんだんに散りばめた『ロッキー・ホラー・ショー』が気にならないはずがない。

『ロッキー』に出てくる有名なシーン、「生卵一気飲み」も「美術館前広場での両手挙げポーズ」も『ロッキー・ホラー・ショー』にヒントを得たんだと思うよ。

フィラデルフィア美術館の階段駆け上って両手挙げるシーンも!?

あのロッキーは、これだよね。

(YouTubeより)

ちょっと拡大してみようか。

フルター博士が用意した「ロッキーを”男”にするための部屋」だ。階段をのぼった先には、両腕を挙げて地球を支えてるアトラスがいる。

スタローンは、これを見て「あのシーン」を思いついたに違いない。もしくは幼い頃のフィラデルフィア美術館の記憶と「このシーン」が繋がったか…

さすがにこれは偶然やろ。

「ロッキー」って名前も、実在のイタリア系ボクサー「ロッキー・マルシアノ」と、犬を連れた聖人「聖ロクス」から付けられたんとちゃうんか?

確かにそれもあるだろうけど、「ロッキー・バルボア」というキャラクターはこのアトラスが土台になってるんだ。だから「黄金の林檎」も出て来た。

そして亀も。

亀も!?

ワイは鶴だけに亀にはウルサイで!

しかもあの亀、コンビやったよな!

確かカフとリンクや!

日本語で言うところのカフスボタン…つまり中田カウス・ボタン師匠や!

ロッキーのペットが亀だったのには理由がある。

遅咲きってこと?

それもあるけど、一番の理由は「ロッキーがアトラスだから」だ。

ハァ?

西洋では、アトラスが天球を支えているとされてきた。

一方、東洋では亀が支えてるとされてきた。

こんな感じにね。

ロッキーがアトラスであることを観る人の潜在意識に訴えかけるために、亀が選ばれたと僕は考えている。

この絵が描きたかっただけじゃないの…?

まあ、これ以外にも『ロッキー・ホラー・ショー』と『ロッキー』は関係性が深いから、暇な人は探してみてね。

本題は『ドント・ブリーズ』だから、話を元に戻そう。

危うく『ロッキー論』になるとこやった…

とにかく、『ドント・ブリーズ』は『ロッキー・ホラー・ショー』へのオマージュで溢れている作品だ。

エレベーターみたいにゆっくり2階へ上昇するシーンとか、地下室の電気制御装置とか、暗闇で相手を間違えてしまったりとか、ロッキーの服をハサミでチョキチョキしたりとか、死んでいる人間の入った容器に液体を注いだりとか、最後に老人が「going home」したりとか…

いちいち挙げたらキリがない。もう両方とも観てくださいとしか言いようがないね。

『ドント・ブリーズ』はセルビデオもレンタルも出てるし、YouTubeでも400円で観れる。8月にはWOWOWで放送もされるらしい。

ぜひ観て頂戴。『ロッキー・ホラー・ショー』共々、いい映画です。

そういや舞台もあるらしいな、ロキホラ。

フルター博士はやっぱり古田新太なんだね。ちょー似合ってる。

これはこれで楽しみだな。

さて、ここまで長々と僕の話に付き合ってくれて、どうもありがとう。

いつものことだ。気にすんな!

ではまた。いつかどこかで。

ばいば~い!



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