台湾ご自愛旅（占いという名の説教編）
占いを信じている。
いや、占いに叱ってもらう、私はそういうスタンスで生きている。
四柱推命は、先人たちの知恵からなる統計学のようなものだと思う。他人の屍に自分の人生を照らし合わせ、ヒントを得る。贅沢な遊び。
学生時代、台湾の占い師に「あなたはね、人生で3人結婚を考える男性に出会うけど、レベルはどんどん下がるよ！高望みしたらだめ。1人目がいい！」と言われて今の夫と迷いなく結婚できたし、悔いはない。いつだってこの人が最高なんでしょ、と思って生きている。
今回は、ちょうど退職したタイミング。自分がどこに向かっているのか、どこに行きたいのか、さっぱり分からない。いつまでも制約条件の中でぐずぐずしている。宙ぶらりんな自分を、誰かにズバッと叱ってほしかった。
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台北駅からMRTに乗り、行天宮に向かう。行天宮は商売の神さまらしく、いつも熱心にお参りする人たちで賑わっている。
まずは占いより先に、境内に入りお参りとお祓いへ。
（確認のために調べてみたら、私はやり方が間違っていた。衝撃だ。台北ナビさんのサイトがとっても分かりやすいので、こちらでどうぞ）
↑ おみくじもお祓いも、すべて無料でできる。ボランティアの方々も親切で、居心地が良い場所。
「収驚」と呼ばれるお祓いのようなものは、正しくは驚いた心を取り戻すためのもの。何かに心が驚いて、魂が抜けているのを戻してくれる。赤ちゃんの夜泣きにもいいんだとか。確かに、赤ちゃんの産着を持参している人がいた。
お線香で体の周りをぐるぐるして、手のひらでトントンと背中をたたいてくれるのだけど、その優しいトントンに肩の力が抜け、心が穏やかになっていく。
さて。一通り終えたら、行天宮を出て地下の占い横丁に向かう。残念ながら、３年前に見てもらった占い師さんはもう居なかった。店舗に予約したらよかったな、と後悔したが、時間もないので顔がキツめの人を選んで席に着く。（残念なことに、日本語通訳の人も横についてくれたので、キツイのダブル）
以下、私が言われたことをそのままメモを見ながら思い出して書き写す。読み返せる説教にするのだ。
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お誕生日は？はい、あー、わかった。ちょっと手相見せて、うん、あなた、せっかち。とても正直だけど、せっかちね？あと優柔不断、考えすぎなことある。
仕事には強い。能力がとても強い。だけどー、理想が高い。理想が高すぎるね？わかる？
あとは、貴人、まわりの人が助けてくれる。いつも、ツライとき人が助けてくれる。あなたは貴人、それはいいことです。
そして、男っぽい。人間関係はいいです。さっぱりとしている。いまはツライ、この数年は仕事を何度か変わったり、あがったりさがったりする時。しんどいけど、40歳からは大丈夫、安定する。
仕事は、営業も、事務もいいよ。管理職もできる。独立とか起業、どう考えてる？あなた独立はだめよ、自分でわかる？会社で働いたほうがいい。
こどもは？男と女ひとりずつか、これはあなたに相性がいい。よかったね。
友達は、うし年・たつ年・さる年の人がいい。まわりにいる？いたら付き合うといいよ。
あと、いい方角は東南と西北。もし仕事を探すなら、東南と西北がいい。
運気をあげるには、青・白・紫。だめなのは黄色。財布？財布ならいいよ、でも服はだめ。
健康は、肩こり、目の疲れ、血圧低い、血流の循環が悪いね。50歳以降は関節がだめ、腰と足。
はい、良い年と悪い年を発表します。
2019、2021、2022…（以下略）
今年は、3月・6月・7月が辛かったね、ダメだった。今はもう抜けてるから大丈夫。
年内には次の仕事を決めるといい。でも、焦らなくていい。あなたせっかちだから、焦る。焦らなくていいから、大丈夫、40歳になったら安定する。
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すごくない？
冒頭のせっかちで噴き出してしまった。着座１分でせっかち。
お話していたのは、15分くらいだっただろうか。これで1000元（3500円）かかるのだから、考えようによっては高い。でもね、なんかスッキリする。
今はダメな時なんだなとか、こういう風にしたらいいかもとか、信じたいことを１つでも持ち帰れたらいい。２人から中国語と日本語で「焦るな、大丈夫」と何度も言われて、もうそれが脳内でリフレインして笑えてしまう。
「でも私もう36歳だし、焦る」と言ったら、「あなた！50歳・60歳、頑張ってる人たくさんいるよ。あなたまだ36！そんなこといったら可哀想！」と叱られた。もう占いだかなんだか分からない。だがそれがいい。
ちなみに、話の途中で仕事は先週辞めたと言ったら通訳に爆笑された。「ほら！ねえほら！先週だって！」と先生に伝えている。喜ぶな。幸い先生はクールに神妙な面持ちで対応してくれた。というか私は中国語で答えてるから通訳は必要ない。ただの野次馬である。
でも、それくらいのことなんだ。人生という流れでみたら、私はシナリオ通りにもがいてるだけ。大丈夫だから焦るな、私。
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