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「男らしさの呪縛」~アンコンシャス・バイアス

11/19は「国際男性デー」。
Yahoo!ニュースの特集記事があったので「男らしさ」について考えてみようと思います。


「男性なら残業や休日出勤をするのが当たり前だ」
「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」
「男性は結婚して家庭をもって1人前だ」
「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」
 「男性は経済的・社会的に自立してこそ1人前である」
『社会的に弱さや感情を見せることをよしとしない「男らしさ」』

特に、わたしの世代や少し上の世代に多い「男らしさ」のイメージです。
思い当たるものがあるのではないでしょうか?

企業の上層部や管理職はまさにこの世代。
高度経済成長時代に「24時間働けますか」を体験した先輩方から教えこまれ、休日返上で働き抜いた親たちから育てられました。
良し悪し以前の「大人としての規範」として、「男らしさ」を刷り込まれてきたわけです。

歳を重ねて当時の先輩や親たちの世代になったいま、自分の身体が思うように動かなくなってきたり、病気を抱えながら働いている方も多いのではないでしょうか? そんな自分にとって、「男らしさ」は誰から言われるわけでもないのに、自分で自分を縛り付けるものになっています。まさに『呪縛』です。


現代だと、自分が有休や育休の取得をためらったり、部下が取得しようとすることを心の奥底で素直に応援できなかったり……なんてことが、実はたくさんあるのではないでしょうか?

その考えの根源にあるのは、自分でも気づいていない刷り込まれた価値観=アンコンシャス・バイアスです。

アンコンシャス・バイアスとは?
日本語では「無意識の思い込み」「無意識の偏見」などといわれる。誰もが潜在的に持っており、それ自体は必ずしも悪いことではないが、意図せず人を傷つけたり、自分自身を縛ったりする側面があると指摘されている。

男性の場合、「感情を表に出すことはよくない」というアンコンシャス・バイアスが大きいため、自分を縛る傾向が強く出るのでしょうね。
心身の悲鳴を無視して「働かねばならぬ」と考えてしまって、その結果悲しい結末に至るケースも多くなるのかもしれません。

2019年度には、女性の43倍にあたる84人もの男性が、脳・心臓疾患による過労死として労災認定がなされ、昨年の男性の自殺率は女性の2倍に達しています


もちろん、『男として(女として)の自分』を否定はしません。それがいまの自分を支える大切なものであれば、ぜひ大切にしてほしいと思っています。

ですが、何ごともほどほどに。「縛るもの」であったり、「人を傷つけるもの」であってはならないかと……本末転倒ですからね。

~べき
~ねばならぬ
~って当然
男なら~
普通は~
みんな~

こんな言葉の裏には、もしかすると自分でも気づいていない刷り込みがあるかもしれません。

アンコンシャス・バイアスは自分一人では気づきにくいものです。
ぜひ安心できる場で、信頼できる他者に相談してみてはいかがでしょうか?


日本キャリア開発協会(JCDA)では、キャリアの定期診断「キャリアドック」をスタートしました。

年に1回(初年度は2回)、キャリアカウンセラーとの対話で自身のあり方や成長の方向を確認するためのキャリアカウンセリングが受けられます。

アンコンシャス・バイアスに気づくきっかけになるかもしれませんよ。
興味のある方はぜひホームページをご覧ください!




明日も佳き日でありますように



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