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はたらけど はたらけど … [毎月勤労統計調査速報]

厚労省の《毎月勤労統計調査》が公表されました。
物価上昇の折、わたしたちの賃金はいったいどんな傾向を示しているのか…
早速見てみましょう。


(前年同月と比較して)
現金給与総額は279,304円(1.2%増)となった。うち一般労働者が363,444円(1.6%増)、パートタイム労働者が102,135円(1.9%増)となり、パートタイム労働者比率が32.29%(0.61ポイント上昇)となった。
 なお、一般労働者の所定内給与は325,894円(2.0%増)、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,284円(3.6%増)となった。

○共通事業所による現金給与総額は1.9%増となった。うち一般労働者が1.8%増、パートタイム労働者が2.8%増となった。

○就業形態計の所定外労働時間は10.0時間(2.0%減)となった。

微増・・・というか、ほとんど横ばいですね(--;


これを一覧表にしたデータがこちら。

確かに名目賃金は上がっているようですが・・・よくよく見ると、実質賃金の現金給与総額は前年比-2.4%と下がっています。

賃金の動きを年平均および月次でグラフ化したものがこちら。

そして実質賃金の内訳を要因分解したものがこちら。

令和5年1月は燃料代が急騰。電気・ガス・水道などあらゆるインフラの料金が急激に上がり、呼応するように悲鳴を上げていたころです。

それに比べると幾分持ち直した感はありますが、それでも消費者物価が高止まりしているため、給与を上げても追いついていない様子。

令和5年5月はG7広島サミットが行われていたころ。インバウンド需要回復に向けて政府も動き出していました。
また、令和5年4月1日より『月60時間超の法定時間外労働に対する割増賃金率を50%以上に引き上げ』が中小企業にも適用(猶予措置が終了)されることになったことも遠因かもしれません。

ただその後はご存じのとおり、原油価格調整のための補助金は一転して延長が決まり、所得税減税の方針は迷走を続け、物価上昇の波は止まらず……と苦しい状況が続いています。

その結果、名目賃金を上げても実質賃金は下がったまま。しかも物価上昇は止まらないというスタグフレーションへの兆しが見え隠れする状態に。


まさに
『はらけど はたらけど猶 わが生活 楽にならざり』
ですね。


石川啄木自身は、実はめちゃくちゃな生活をしていたようですが(笑)


こういう時代だからこそ、自ら資産運用をしつつ、複数の収入源を確保・準備しておくことは大切です。

キャリアとお金は切っても切れない関係です。このあたりの知識もキャリアコンサルタントとしては押さえておきたいところですね。




明日も佳き日でありますように

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