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「ニューヨエコ」感想文

倉橋ヨエコさんがヨエコさんとなって帰ってこられました。
アルバムがリリースされたのが9/20。
ヨエコさんのお誕生日でしたね。おめでとうございます!

以下、しみじみと聴いた感想文となります。
なお、音楽に対しての造詣が浅いため、トンチンカンなことを言っている可能性があります。
本当は、「原曲で入ってなかった(と思う)ストリングス(で合ってます??)」と書きたいレベルなんですが、それをやるとくどいのでさすがに止めてます。ご容赦ください。


1.友達のうた

めちゃくちゃ良い…………
好きな人に振り向いてもらえないなら、男の子になっても、友達でいいから傍にいたい」という切ない歌なんですけど、原曲で入ってなかったストリングスによって切なさがぐっ……と上がってて……。
「ピエロな事も言っちゃうわ」と「夏の陽」のセルフハモりが原曲でもめちゃくちゃ好きだったんですが、パワーアップしておられるよ~!!
と聴き入っていたら最後が!? あれっ!?!?
皆さんも聴いて、あれっ!?!? ってなってください。

あとやっぱり友達のうたと言えばnobodyknows+さんのラップも欠かせなくて、またお声が聴けて嬉しい!
全体の曲調と合わせてちょっとしっとりした感じになっててそれも良かった。

全体的に原曲の良さを残しつつ、パワーアップしてました。良かったです。
と言いつつ原曲も聴いてきたんですけどでもやっぱりこっちも好きだな。どっちも好きで最高ってこと。

2.夜な夜な夜な

個人的にヨエコさんの代表曲だと思っています。
というのも、私が初めてヨエコさんの曲を聴いたのが夜な夜な夜なだったんですよね。
こんなこと歌って良いんだ……!! と私の価値観に衝撃を与えて、肯定してくれたような曲です。

原曲のピアノと、あの不安な入りと心の底から響かせているようなお声が好きすぎましてね……。
夜な夜な夜なのピアノ、ほんとに良い。

それまで、というか今もなんですが音楽にそこまで興味が無くて、この曲が良かったからアーティストさんの他の曲も聞いてみようと巡ることをあんまりしたことがなかったんですよね。
夜な夜な夜なの衝撃が強すぎて、他の曲も聴いてみたい……!! と明確に思ったのは初めてのことでした。

そしてアレンジの方。さっぱりしてる……!!!!
原曲が豚骨味なら塩味って感じがするし、どしゃ降りだったのが雨上がり間近になった感じがする。おお……こうなるんだ……!!
原曲の方は割と"終わり"って感じなんですが(私はそれが……大好き!!)、アレンジの方は爽やかさが増してるからかそんな気持ちも受け容れているような感じがしました。

比較して爽やかに感じるだけでパンチは残ってると思う。
やっぱり夜な夜な夜なはいいな。

いや……でも……
やっぱり原曲の暴れ回ってるピアノ、大好きだったな……!!
前奏と後奏のピアノが特に印象的で、あれが夜な夜な夜なと強く結びついているのもあって。
でもどっちも良いです! 好みの話!

3.卵とじ

明るめ可愛めの曲の中での代表曲ですよね。
その路線だと「想い巡り」と「ラブレター」が私は特に好きです。ひたすらにひたむきでちょっと重いけど可愛いんですよ……。
その辺りと比べると「恋愛テム」の方が卵とじと同じ路線な気がする。言えない話だから。

鐘の音とクラップが入ってるのが華やかで良いですね~!
歌詞にめっちゃ合う。正統派進化の印象を受けました。
強いて言うなら原曲は優しさが強くて、アレンジはうきうきが強いかも。

「かじかむつま先」の音の上がり方が好きなんですが、アレンジのも良かったな。
アレンジの「ころころ」の歌い方がめちゃくちゃ可愛い。

4.昼の月

これね~!! これ!! アレンジに入ると思ってなかった!!
他のラインナップは、あ~なるほどね!! と納得度が高かったんですが、これは昼の月!??!?! ってなりました。好きだったので嬉しい。

これは……もう……本当に歌詞がすごくないですか!?
こんなに鮮烈に赤裸々に孤独を描けるのがやばい。

ただ実はけっこう前向きで、それでも生きてやる! とパワーを貰えるというか、背中を押してもらえる曲だと思っています。
誰にも愛されなくっても ああ生きてやる 生きてやる」がほんと……
まあ人間ってやっぱり死んだら終わりですし、そう簡単に死ねないし、やっぱり生きるしかないですからね。
こういう心境で生きてる人がいるということ、なんかすごく励みになったな、最初に聴いた時。

歌詞が好きすぎるという話を延々としてしまいますね。
じゃんじゃん! という最初の入りが特徴的ですよね。健在で嬉しい。
「もう見ない」のハモり、「この種たちを飛ばす」の上がり方が相変わらず気持ちいい~!

ジャズっぽさが上がってて深みが増したように思いました。
あとやっぱりストリングスが良いな。盛り上がりもばっちりあって良いですね。

5.今日も雨

私は昼の月もポガティブ枠に入れてしまうんですが、まあポガティブの代表曲と言ったらこれですよね~!! で納得の選出でした。

アレンジ、さっ、爽やか……!!
入りからしてもうめ~~~ちゃくちゃ爽やか!!
ドラムのシンバルが爽やかに拍車をかけつつ雨のエッセンスもあって良いですね。

アレンジとしては一番好きなアレンジかも。
アレンジの方向性が今日も雨に合いすぎてる。今日も雨のアレンジならこうあってほしいみたいな。

でも、原曲のギターのじゃーんじゃーんじゃじゃじゃ……の入りを聞くと今日も雨だ~ってなったので、そこだけちょっとだけ寂しいかも。
アレンジの入りもめっちゃ好きなんですが。いや本当に合ってるなこのアレンジ……。

間奏もすごくいい。このアルバム、全体的にストリングスがものすごく良い仕事しておられる。
爽やかでしっとりしつつ、お声に力強さもばっちり残っていて嬉しくなっちゃった。

6.ドーパミン

完全新曲です。
Youtubeに公式で上がってるから皆さん聴きましょう。

この部分はほぼXでポストしたことの再放送なんですが、この曲が今のヨエコさんなんだなあ……と思いました。
インタビューで社会や人に貢献したいと仰ってましたけど、辛かったことも受け容れて、生きて、こんなにも前向きな新曲を歌ってくださること、それだけですごい勇気づけられるし救われました。

外は朝日を白々しく遺す」、いいですよね……。
白々しく遺すって何? すごすぎ。ワードチョイスがもう強すぎ。
「不安のお山」の「朝よそんなに輝くな」と似たキレを感じる。

あと、「痛い痛い痛い」の繰り返しは「薬箱」を思い出しますね。
あちらの痛いは少し気怠いような、どうしようもない、泥や微睡の中での痛みみたいな印象があるんですが、こちらの痛いは重みが……もうね……。
でもそれを受け容れて許して一緒に生きていく歌なんですよね。
薬箱の時はあんなに薬を求めていたのになあ……。

「そんなのはあなた望んでない」と他者が出てくるのがすごく印象的でした。
倉橋ヨエコさんの曲は、「私」と「怖い世界/振り向いてくれない人」を歌っているものが多かったので。
これはmachiさん名義の「Country Color」の歌詞にも「みんな」と出てきて、おお……!? となったのですが。

なんというか、今までは自分のことで精いっぱいだったんだけど、人に頼っていいこととか、人への思いやりや感謝とか、そういうものを感じました。
感慨深くなりました。ほんとに。しみじみと、勇気づけられる良い歌です。
これはあれこれ書くよりもとにかく聞いてほしくなります。

7.楯

楯、この歳になって聴くとめちゃくちゃ響いてしまう……。
歳を取ると感じ方って本当に変わるんですね。
10年後、20年後になるとまた違うんだろなあ。

大切な人とかペットって永遠に生きていてくれるわけではなく、絶対に別れる時が来るので、そういう時に後悔は避けられなくとも、少しでもそれが小さくなるような生き方を心掛けたいものです。
と、楯を聴いた時から思っていたことですが、改めて向き合ってしみじみと思いました。
曲の背景のこともあり、両親に連絡を取りたくなる歌です。

アレンジは原曲よりももっと楽器が控え目、シンプルですね。
ドラムとかストリングスとか色々あったのがピアノだけになってるのかな?
これはヨエコさんの歌声が前面に出る構成で正解だと思う。歌声だけで充分に感じ入るものがあるので。
アカペラでも良いくらいでは? と思いつつ、でもピアノの寄り添い方が優しくて好きですね。
アルバムの最後を楯で締めてるのもいいなあ。余韻がある……。

終わりに

私がヨエコさんを知ったのは廃業後だったので、私の中に「ヨエコさんの新曲」という概念はありませんでした。
それがこの2023年になって、まさかの新曲を聴けたこと、そしてまた新曲を楽しみにできること、こんなに嬉しいことはありません。
生きてたら良いことあるもんだなあ。
どうかお身体に気を付けて、心身にご無理のない範囲で、また歌を聴かせてもらえることを楽しみにしています。

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