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「窓辺にて」


 今泉力哉監督「窓辺にて」を観たので感想を。予告編にパフェを食べるシーンがあり、パフェ好きとしてそして今泉監督なら観なければ!とずっと気になっていたのです。
 主演の稲垣吾郎さんは映画好きできっと今泉監督作品もお好きだろうなとは思っていましたが、想像以上に今泉ワールドにハマっていてびっくり。ポーカーフェイスなようで妻の浮気を知っても怒りが湧いてこない自分に悩みながら、誰に相談しようかと右往左往する姿はむしろ人間臭く愛すべき存在に。不倫カップルが2組も出てくるのに、誰も「奥さんと別れてくれないなら死んでやる!」と昭和の昼ドラのような台詞を言うこともなくどこか淡々としているのが妙にリアル。感情表現が豊かなことが必ずしもいいわけではないし、冷たく見えてもそれぞれ悩んだり考えたりしているもの。世間話をしているようで結構いいこと言うタクシーの運転手や、パチンコ屋で隣になった女性など脇役の存在も光っていました。

 「手放すこと」は何かを失うように感じるけれど得るものだってあるはず、という監督の前向きでどこか温かい眼差しを感じる作品でした。冒頭とラストに出てくる大森の喫茶店「珈琲亭ルアン」に久しぶりに行きたくなったし、チーズケーキやおにぎりなど食べるシーンも印象的でした。ルアンには薔薇の形のクリームがのったコーヒーゼリーがあったり、素敵な喫茶店なので機会があれば行ってみてください。

 残念ながら劇中で何度も出てくる玉城ティナ演じる小説家の作品「ラ・フランス」ではないのですが、新潟物産展に行ったときに買ったル・レクチェも洋梨繋がりでのせておきます。一見地味だけど食べてみると芳醇な香りにハッとさせられる、なんとなく今泉作品のようでもありますね。

 最近食べたものシリーズで、大好きなカレーのお店「Kalpasi」が焼き芋をプロデュースしたらしいと聞いて買いに行ってきました。今は都内のイトーヨーカドー敷地内にキッチンカーで期間限定オープンという形式だそう。しっとり甘い紅はるかにオリジナルマサラパウダーとキトゥルハニー付き。芋自体がしっかり甘いから私はマサラパウダーの方が好きでした。余ったスパイスはジャガイモや鶏肉などに合わせても絶対うまいやつ。お近くのイトーヨーカドーに来たときは買ってみてください。(出店情報はカルパシのインスタにて)

 見出し画像は稲垣さんが食べていたパフェとは違うけど、ロイヤルホストの紅玉リンゴのブリュレパフェ。物価高のこの時代に同じ値段でハイレベルのパフェを出してくれるなんて本当にありがたい。これからもシズラー共々課金し続けたいです。