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エンゲージメントが高いと感じる自社の要因を自社が開発するHRテックツールの利用数値で証明してみた


こんにちは、株式会社スタメンの岡崎です。
このnote記事は、スタメンnoteリレーの7日目です!
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この記事を読んでもらいたい方

みなさんの限られた時間を頂戴するので、まずはじめに本noteがおすすめな方を記載しておきます。

・組織心理学領域を触れている/勉強している方
・HRテックサービス/その運営企業に興味がある方
・カスタマーサクセスの業務をされている方
・TUNAGをご利用いただいている皆様

それでは本題に移らせていただきます。


前回の振り返り〜組織心理学×HRテック〜

前回初めて書いたnoteは、組織心理学を軸にHR Techで行っていることを言語化してみましたが、想像以上にご覧いただいた方が多く、とても励みになりました。改めてありがとうございます。

▼前回の記事

今回はその勢いに乗じて、組織心理学を軸にしたシリーズにしてみました。

組織心理学×HRテックは親和性が高い

前回説明した通り、組織心理学とは組織のメカニズムを心理学的視点から、パフォーマンスや幸福度・離職率などに影響する要因を解明していくことです。
また、影響する要因が証明されるためには、【問題意識→課題提唱→仮説立案→検証・実証】の「検証・実証」が重要です。
ちなみに、学術的にも信憑性の高い「実証研究」が重要視され、その研究をもとに派生している研究が圧倒的に多いです。

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Q:なぜエンゲージメントが高い状態なの?
A:なぜですかね???
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だと、これまで行ってきた施策の良し悪しが分かりません。

ここで、登場するのがHRテックです。
HRテック(Human Resources Technology)とは、従来の人材管理システムに対し、AIだけではなく、モバイルやソーシャルメディア、アナリティクスなどの先進的な技術を組み込み、人事部門の業務に変革をもたらす技術のことです。
その中でも、テクノロジーを介すことであらゆる人事施策や取り組みを「データ」という定量的な指標で可視化・蓄積することができる点は、検証・実証をしていく上で非常に有用です。

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Q:なぜエンゲージメントが高い状態なの?
A:〇〇(施策)を週●回行っていることが大きな要因です、継続していきましょう!
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ということが言えると、信憑性が一気に上がりますね。
つまり、HRテックは離職率やパフォーマンスの要因を定量的に判断し、PDCAを回しやすくできる点で、非常に親和性が高いです。

組織心理学×HRテックの陥りやすい点

先ほど離職率やパフォーマンスの要因を定量的に判断し、PDCAを回しやすくできる点が良いと伝えましたが、それだけが重要というわけではありません。逆にそれだけに着目すると陥りやすい点もあります。
それは、分析(PDCAのC)ばかりで変えたこと(PDCAのA)が一つもない状態です。
例)
つまり、分析した上で次の改善アクションをいかに行えるかが重要であり、はじめてPDCAが回っているという状態を作ることが出来ます。

自社のエンゲージメントが高い要因

◆そもそもなぜ自社のエンゲージメントは高いと言える?

タイトルにもあるように、私はスタメンのエンゲージメントは高いと思っています。なぜかというと、自社のエンゲージメントサーベイ(TERAS)を使って数値を出しており、その数値が高いからです。

(参考)
※弊社が考えているエンゲージメントの定義と構成要素
▼エンゲージメントの定義
会社と従業員及び従業員同士の相互信頼関係

▼エンゲージメントを構成する8つの要素
会社理解・共感
事業理解・共感
組織理解・共感
上司との関係
仲間との関係
業務環境・待遇
承認欲求
成長機会

結局のところ、エンゲージメントが高いことと組織の成長への影響があることに正の相関があるかが重要であり、それすなわち「人的資本経営」であると思っています。

エンゲージメントと退職率の図
(出所:https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/column/00019/080400006/)

◆スタメンで行っているエンゲージメント向上施策と利用実態

では、エンゲージメントが高く成長も出来ているスタメンは何をやっているのか、どのくらいやっているのかを因果関係の仮説とともに一部公開します!
※適切な分析を行っておらず、有意な正の相関を学術的に証明できていないので仮説としています。
※集計時点での従業員の人数は、約100人です。

仮説①トップメッセージ(社長から全従業員への発信)が多い→会社理解・共感を高める
弊社では、TUNAG上でトップメッセージ発信をリリース当初から隔週1回ペースで発信しています。今年(2023年)から代表が変わりましたが、テキスト形式からラジオ形式に変えて続けています。
実際にTUNAGで集計したところ、2023年の発信数は、「17回」でした!(ちょっと少ない。。)
年間を週で換算すると52.14週間なので、発信できていない週もありましたが、しっかり発信してもらっています。(しかもラジオで行っているのでだいぶ大変です)
ちなみに、発信できていない週があった期間のサーベイでは、会社理解・共感スコアが明らかに下がってしまい、直近は欠かさず発信していただいてます。自社の実体験からもこの仮説は実証できるでしょう。

現代表のラジオ形式トップメッセージ

仮説②サンクスメッセージ、スタカネ、発信へのコメントが多い→承認欲求を高める
弊社では、感謝を送り合うことで称賛や貢献を可視化するためにTUNAGでサンクスメッセージを行ったり、部門ごとに成果を上げるとオフィスに置かれている「鐘」を鳴らし、称賛を投稿する通称:スタカネを行ってます。
また、TUNAGは投稿に対してコメントがつけられるようになっており、投稿に対してリアクションやフィードバックがいつでもできるようにしています。
そして実際にTUNAGで集計したところ、2023年の利用数はこんな感じでした。
・サンクスメッセージ:460件
・スタカネ:571件
・コメント:55,132件
特にコメントはとても多いですね。。!(調べたときビビりました)
ある店舗型ビジネスをされている導入企業様では、店長が毎週店内の従業員全員にサンクスメッセージを送っている店舗は離職がゼロだったというお声もありました。

称賛の鐘を鳴らした後にTUNAGに共有する「スタカネ」
(実際に各オフィスに鐘があります笑)

仮説③1on1が多い→上司との関係を高める
弊社では、目標面談や振り返り面談といった評価に関わる面談とは別で、業務やキャリア、プライベートの相談、雑談を上司と最低月1回以上で行っています。
また、上長は部下とのコミュニケーションの機会を作ることと、業務に偏らない内容にすることの2点を意識して実施してくれています。
そして、1on1の2023年の利用数は、「302件」でした。
私の部署では、以前上司との関係が改善傾向にあった際に、部長自ら隔週1回ペースで1on1を実施してくれ、スコアも大幅に改善されたことがありました。
つまり、業務やプライベート、キャリアなど話題は様々ですが、聞いてもらえること・相談できる環境があることが大前提として重要です。

話したことをアウトプットする1on1制度
(上長とのカジュアル2ショットも必須です!笑)

エンゲージメント施策が浸透する組織を作るための3つのポイント

本当は上記の仮説をもとに因果関係を証明することまで行いたかったのですが、正確な分析方法が必要になり「証明」と言えるところまで到達が難しいと判断しました。そこで今回は、前述のようなエンゲージメント施策が浸透する組織を作るためのポイントをまとめます。

①現在地、理想状態、達成期限を決める

エンゲージメントは、正直抽象度が高く曖昧な表現だと思っています。
そこで重要なのは、「自社にとってのエンゲージメントが高い状態とは、どのような状態かを言語化する」ことです。
様々な企業様を支援してきて、理念浸透が出来ている状態を目指す企業様もあれば、コミュニケーションが活性化している状態を目指す企業様もあります。
当たり前の話ですが、理想の状態と現状のギャップを的確に捉えて施策を打っていく必要があります。
また、よりスピーディに改善をするために必要なことは、下記2点です。
・言語化した理想状態をなるべく数字で(定量的に)表す
・達成する期限を決める
先程弊社のTUNAGの利用数値を出しましたが、例えば称賛文化ができている状態はサンクスメッセージの利用率が50%以上の状態と置き換えたり、従業員満足度調査のように「称賛文化が出来ていると思いますか?」という質問に対して、出来ている以上に答えた方の割合が50%以上いると置き換えたりできるかと思います。
また、人間というものはサボる生き物なので、期限をつけましょう。
そうすることでスピーディな改善ができること間違いなしです。

②施策の目的を常に意識する

弊社は様々な取り組みを行っておりますが、ただ楽しそうだから行っているわけではなく、全て「目的」を設定しており、全制度の目的を全従業員が理解できるようにしています。
特に後者の「全制度の目的を全従業員が理解できる」ようにすることが本当に大事です。
そのために、弊社では全制度の説明文に目的を記載しており、利用時に確認できるようにしています。
また、何か新しい施策がスタートするときには、週1回の全体会議での共有+TUNAGでの投稿で共有を必ずしています。

制度ごとに目的を記載
全体会議委員からのお知らせを発信しています!

③継続力(習慣を作る)

最後に一番当たり前の事かい!って感じですが、地道ですが最も最短な重要事項です。
では、気合と根性でやり続けるのか!というとそうでもありません。
大事なのは、継続できる仕組み(習慣)を作ることです。
弊社では支援をしている中で、機能面と運用体制面の大きく2つで仕組みを作るサポートをしています。

1.ミッション機能や依頼機能でやるべきことを可視化する
TUNAGでは、定期的に利用してもらう施策(制度)に対して、「(いつまで)に◯回使ってね」というミッションをツール上に表示することが出来ます。
そういった表示があるのと無いのでは、利用率は大幅に差が出ます。
最初は意識的に利用してもらうためのきっかけを上手く散りばめられると、施策もスムーズに浸透することができます。

ミッション機能

2.部署横断かつ参加型の施策とチームを作る
施策は常に「参加型」であるべきです。
理由は前回の記事で書いたことにも少し類似しますが、下のA~Cでは圧倒的にA→B→Cの順で施策が浸透しやすいからです。

A:ただ利用してもらう、見てもらう
B:目的を理解して利用してもらう、見てもらう
C:目的に共感してくれて、主体的に利用してもらう、見てもらう

Bの状態を作るために、運用体制面で2点を意識して設計していただいています。

①リアクションがしやすい仕組みと「アンケート」が回答できる仕組みを作る
TUNAGでは、各投稿に対してコメントができる仕様になっています。
ですが、コメント欄があるだけではなかなか積極的に使ってくれる状態をすぐに作ることは出来ません。
そこで、自社オリジナルのスタンプが作れる機能があります。
また、リアクションがしやすいスタンプを作ってもらうことで、リアクションしやすくすることができるだけでなく、自社への愛着をスタンプから醸成することができます。
さらに、投稿ごとにアンケートが作れる機能があり、投稿を閲覧するだけでなくアンケート回答で楽しんでもらったり、イベントの出欠確認が取れるようにしたりと、自然と参加型のユーザーを増やす仕組みを作ることが可能です。

投稿に対してコメントとリアクションが可能
アンケート機能(週1でラジオを配信している中での一工夫です!)


「委員会」や「プロジェクトチーム」を作って運営側を体験する
HRテックツールというものは、どうしても運営側とユーザー側の2つに別れてしまいます。
組織はすべてそうですが、受け身の環境になってしまうと積極層と消極層の2極化が顕著に現れます。
そこで、運営側の役割を体験してもらえる環境を作ることを提案しています。
弊社でも、部署横断で活動できる委員会や部活動を行っており、全従業員がどれか一つには所属している状態を意図的に作っています。
そうすることで、当事者意識を持つことを小さな単位で実現することが可能です。

委員会活動(9委員会あります)

こういった仕組みを作ることで継続できる状態を生み出せると考えていますが、仕組みの組み合わせで各社さんごとにより施策のPDCAを回し続けることができれば、理想の組織へすぐに近づくことができると思います。

総論

エンゲージメントという言葉のみで捉えると、概念的な捉え方しか出来ませんが、理想的な組織の状態やそれに対しての課題(ギャップ)、課題を解決するための施策に落とし込んでいくと業種・業態問わず共通点は山ほどあります。
弊社では、導入企業様同士のコミュニティも運営しており、で業種・業態・企業の枠組みを超えて一緒にエンゲージメントを高めていくことを徐々に実現できていると思っています。
(最近は導入企業の担当者様で立ち上がった運営プロジェクト「つならぼ。」もあり、好評を頂いております!)

▼詳しくはこちら

また、エンゲージメントが高いポイントを書いてみましたが、◆現在地、理想状態、達成期限を決める ◆施策の目的を常に意識する ◆継続力(習慣を作る)は、全て繋がっている(どれかが欠けると実現が難しい)と思いますし、それを支援していくことが我々カスタマーサクセスの本当のサクセスだなと改めて感じました。

最後までご覧いただきありがとうございました!
読んでくださった皆様は、真剣に組織のことを考えてトライしているような方々だと思ってますし、組織をより良くしたいという意志や理想は同じだなと勝手に感じてますので、ぜひ弊社に興味があれば他のnoteやブランドサイトを気軽に覗いてください!

最後にその他採用情報を以下のページにまとめております。
まずは気軽にお話できる機会が作れると嬉しいです。

ボリュームが多い内容になってしまいましたが、今回も読んでくださった皆様に少しでも参考になれば幸いです。

以上、ありがとうございました!

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