見出し画像

第4回:藤山はるいち(漫画家)「デジタルとアナログ」「ドラマCD制作/音声コンテンツの未来」

2019/10/9(水)・10/16(水)配信

エンタメ調査室は、毎週水曜日更新のポッドキャスト番組です。ゲーム、音楽、スポーツ、アニメなどエンタメ業界で活躍する方々をゲストにお招きして様々なお話をお伺いします。

パーソナリティ:大木康平(@Unaggy

制作・執筆:藥師神豪祐(@hell_moot

ゲスト:藤山はるいち先生(@hfzz) / 漫画家

クライアントワークと独自サービス

仕事には大きく分けて①クライアントワークと②独自サービスがあります。第4回後編の冒頭部分では、この整理について藤山先生にお伺いしました。

①はいわゆる「受託」と呼ばれるもので、例えば、特にIT関連のベンチャー企業では、大きく資金調達をする道をとらない場合、創業当初は①受託でお金を稼ぎつつ、②自社独自のサービスを開発していくことが多いです。

アートの世界では逆に、これまではやはり②独自の表現をすることが基本となっていました。しかし、最近では、テクノロジーの発展によりマッチングがしやすくなったこともあり、①直接ファンなどの依頼に応じてイラストを制作するケースが増えてきたとのことです。

料金を支払ってイラストレーターに制作依頼をすることはコミッションと呼ばれます。藤山先生からは「Skeb」という広く利用されているイラストコミッションサービスについてもご紹介いただきました。

このクライアントワークと独自サービスという整理は、①を中心業務とする事業者が②を始めてみたり、②を中心業務とする事業者が特定の顧客用にカスタマイズした①を始めてみたりするきっかけになるかもしれません(例えば本番組も、①の典型であるバックオフィス事業者(法律事務所)が、エンタメ分野の知見やつながりを活かして②Podcast番組を始めた事例として整理できるかもしれません。)。

「スモールチーム組成」「芸能事務所/エージェント」

藤山先生からは、高校時代の映画制作の話や、ご著書『クズ×キリ男子 ~俺たちのカースト最下層ライフ~』のドラマCD制作過程についてもお話いただきました。ドラマCD制作を決めた藤山先生が、ゼロから声優、収録、編集、広報、HP担当を次々にアサインしていくスモールチーム組成の話は非常に参考になると思います(詳しくはぜひ配信でお確かめください!)。

芸能分野でも、従来の「事務所」型ではなく、アーティスト自身がリスクを負ってエージェントを雇う「エージェント」型に注目が集まっています。「エージェント」型では、藤山先生がドラマCD監督としてチーム組成されたのと同様に、アーティスト自らがスモールチームを組成していくこととなります。

アメリカでは主流となっているエージェント型では、アーティストが自らマネージャ、マーケティング 、PR、弁護士、税理士などを雇います(アーティストは、お金を受け取る側ではなく、自らが各専門家に対してお金を支払う側となります。)。

そのため、例えば自分やエージェントが現場に行く経費などは当然にアーティスト持ちになり、事務所などが面倒を見てくれることはありません。

しかし、自らがリスクを負う代わりに、エージェント型では、自分が本当にやりたい表現を追求することができることが多いでしょう(前述の整理に当てはめれば、事務所型では、アーティストは事務所の意向を反映した①クライアントワークを行う側面が強く、エージェント型では②自らの表現ができる場合が多い、と整理することができるかもしれません。)。

第4回後編ではそんなスモールチーム組成の貴重な一事例が聴けます。ぜひSpotifyなどの各配信サイトからお確かめください!

【Spotifyで配信中📡】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?