今のところ、

酒とタバコ
あと、
水と太田胃酸があれば

大概のムカムカは水に流せる気がしている。


まだ30年しか生きてはいないが
人生は多分、
なるようにしかならないのだと思う。

ただ、そこに

起点と多少の小悪魔力
あと、
賭けとバンジー力があれば

大概の困難はチャンスになるような気がしている。















つい先日、
リュックを洗う為のタライを求めて
近くの小さなリサイクルショップに行った。

個人経営のフリーマーケットのような優しいお店。

タライは流石に見当たらない。

それっぽいものも置いてなさそうだった。

うーん、どうするかなぁ。
ホームセンターで正規で買う程の所持金もないしなぁ。

今思えば風呂で洗えばよかったのだが、
お金もないと頭も回らなくなるものである。


なんとしても見つけたい。



一応、
店のおばちゃんに聞いてみることにした。






"タライはないねぇ。
あ、でも！
ちょうどいいのがあるわよ！"





といって
店の外に案内された。

















おばちゃんが指差すそれは




















赤ちゃんのシャワーベッドだった。















"これね〜、赤ちゃんのお風呂なんだけどちゃんと水も抜けるからタライより便利かもしれないわよ〜。"








用法も容量も知らない私は
ただただ、
5リッターのリュック専用の桶に見えた。


やっぱりピンチはチャンスだ

いや、
年配女性の知恵は時に
想像力を豊かにしてくれる。

というより容易に超えてくる。




私は150円でこの特許を手に入れた。

名高くなった頃に
これを商品化することにする。











意気揚々と肩に担いで帰った。
産後の肝っ玉母ちゃん気分だった。


早速シャワーベッドに湯を溜める。
それだけのことなのに
なんだか心が和らいでいく。

お湯の湯加減も慎重になる。

なんといっても

タライで洗うより、
遥かに優しくなれた。

25年ぶりのおままごとは

私を癒してくれた。

ワンルームにはデカすぎるが
そんなことももう
幸せな悩みに感じられる。








なんか知らんが、あったかい。

なんて穏やかで、平和なんだ。

赤ちゃんの力は凄いなぁ。




















分かったことは、

本人不在でも

癒しの効果はしっかりと発揮するということ。
















もし、
心がすさんでやさぐれて
涙で枕を濡らしてしまう
怒りで当たり散らしてしまう

そんな夜があるのなら


是非一度、
ベビー用品を手に取ってほしい。

なんでもいい。
愛でられるものであればあるほどいい。


きっと

母なる性は覚醒し、

優しい眠りへと
いざなってくれるから。





















私の早すぎる嫁入り道具、
いらっしゃい。

因みにこの後、
洗濯カゴとなった。

oki