私は何者か、476
これくらいなら、解釈したまう。
それゆえに、不埒なプラチナ。
理解不能が最上級。ダイヤモンドか。
蝌蚪ぐるぐる尻尾の行方春の尻
ミトコンドリア混んどるわ春の道
たったひとつのことをいうため、幾つのことばを呑み、幾つため息をつき、幾つの夜を跨いだことだろう。
まだ、わたしは、何も言い得ていないのである。
人の言葉を借りるなど、素人ではあってもそうありたくはない。
拙くても、書く。
言い尽くされて、ジョンケージみたいに、音のない言葉を表現したとして、それは、もう、ひとりでいい。
真似はまねサルトリイバラサルもうイラネ
そのひとのあきらめ吐息花吹雪
花衣誰にも会わぬという奇跡
スキといふ知らせの音かハナムグリ
ジャスミンではなくて、レモンの木だった。白い花をつけて。
ジューンベリー背伸びのままで空支え
もう一度言ってほしい言葉スキ
窓ガラスにわたし素顔の春の雷
言い尽くすなどと畏れ多し花散る
尽くすとは尽くしたもののみ用いよ波交じる
わたしは何者か。
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