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私は何者か、477


朝、銀色の大きな輸送車とすれ違った。その、硬いけれど妙に滑らかな脇腹へと吸い込まれそうになる。


濡れたアスファルトのうへの桜の花びらを避けたり、踏んだり。


時間は僅かずつ経過して、なにか、本質的なものから離れたり、くっついたりしながら、満開のその花びらは枝から離れ、舞いながら、つぎに地上に敷き詰められて、我ら、しばし留まり、この指先の置きどころを思案するのである。つまり、本質の質を問うのである。

川は流れ続ける。澱むことを嫌い、ゆく。

何も、なにもかもが少しもじっとしていない。

近ごろ、取り残されている。ベッドのうえに脱ぎ散らかした衣。気持ちの欠片もそのあたりに散らかっている。

修復などできまいに。


外を見る。


どれくらいの、外か。


ずいぶん、外れているな。


わたしは何者か。

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