どう思う?を考える⑧「あ、共感とかじゃなくて。」展(東京都現代美術館/江東区三好)
共感されたいのだろうか。
いや違う、そうじゃないんだよね。
貴方の感じたこと、どう「思われたい」?
昨今承認欲求の塊だろう。
SNSから始まり、若者たちは「いいね」が欲しい。
そのためには「映え」る場所で「いい感じ」に写真を撮り、なかにはモラルマナーが崩壊してる。
10年前と比べると色々なツールが発達し、携帯(スマホ)も目まぐるしい進化を遂げている。まだまだ進化し続けるだろう。
さて、今回の「あ、共感じゃなくて。」展ではそんな、承認欲求や自分、他者、第三者目線で作品を通して「考える」機会だった。
どう思われたいのか、どう感じてほしいのか、自分はこうだけど、相手はどうなのか。
現代の様々な社会の現状にフォーカスされ、深層まで考えさせられる。
いろいろやっている、会社。
一見、何をしているのか、よく分からない展示と動画。
物を測ったり、スコップを引きずったり…謎の単語を読み上げたり…
しかし、「私たちにとってよく分からなくて」も、
彼らにとってはとても有義のあること。
一体何をしているのかは、じっくり見て、じっくり考える。
多くの人は立ち止まり、「なんだなんだ」といった感じでしばーらく眺めるものの、「?」というような何とも言えない表情で立ち去る。
魅力を感じるけど。
私たちは、長い人類の歴史のなかで「空想」を「理想」を「現実」にする。
漫画のような世界の話でも、現実味のあることが起きたりする。
何気ない日常のなかで「空想」しては
「何か」を追いかける。
ひとりぼっちでも。
今回の展覧会で一番印象に残った作品が、この真っ暗闇にぽつん、と置かれた一冊の写真集。
この作品、実は引きこもりの人々が「自ら」撮った、日常の風景たちが写真集となっておかれている。
私自身、前職を休職中~退職して数か月…いや1年と少し…引きこもった。
1人で外に出るのが怖い。
人にあるのが怖い。
そんな時期が私にもあったし、今も正直怖い。
彼ら、より期間ははるかに短かったと思うが、写真の数々は食い入るように見入ってしまった。
これが共感、なのか?
高い壁、乗り越えたい。
東京都現代美術館にある大きな吹き抜け。晴天が貫くほどに明るいホールに、そびえ立つのは黄色の大きな壁だった。
「神は人に乗り越えられぬ試練は与えない」とはよく耳にするが。
果たして本当にそうなのか。
そしてそのぶち当たる壁は一体どんな形をしているのか。
学校の教科書。
小学校の教科書がずらりと並んだエリアがあった。
懐かしい、ぼんやり覚えてるなぁ、と思いつつ更けているのも良い。
共感、とは?
人はどうしても誰かに認めてもらいたいという想いがあるのかもしれない。
しかしまずは、自分を認めてあげることから始まる。
共感してほしい、ではなく、認めてもらいたい。
向き合ってほしい。
真剣に。
東京都現代美術館で、あなたも少し考えてみてはいかがだろうか。
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