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No.974 「シルバー川柳に『ほ』①」(2001年~2005年編)

シルバー川柳の第1回(2001年)から第22回(2022年)までの入賞作のうち、私なりに紹介したい秀作を一方的に決めてしまおうと言う、「言語道断」で「要らん世話有り難う!」の世界です。でも、栄養ドリンク以上に勇気も元気も得られます。泣いて笑って、笑って泣いた第1回目の特設コーナーへ、ようこそ!世の中には、すごい歌詠み老人がいるものです。
 
第1回(2001年)秀作5句
「すらすらと嘘が言えますボケてない」
(静岡県 78歳 男性)                    
「残るのも先に逝くのもいやと言う」
(埼玉県 77歳 男性)
「人恋し恋とは違う人恋し」
(宮城県 75歳 女性)
「主治医には内緒鍼灸まむし酒」
(東京都 63歳 男性)
「逝く日まで恋をする気の紅を買う」
(大阪府 61歳 女性)
 
第2回(2002年)秀作5句
「云いすぎてゴメンが云えぬ夜の長さ」
(京都府 81歳 女性)
「医者よりも様子良く聞く見舞い客」
(茨城県 80歳 女性)
「還暦は鼻たれ小僧おらが村」
(香川県 80歳 女性)
「おんぶした子をリストラでまた背負い」
(福岡県 78歳 男性)
「驚いたあの人あの年あの色気」
(群馬県 78歳 男性)
 
第3回(2003年)秀作5句
「より添うて今は夫により添われ」
(大阪府 82歳 女性)
「体力が落ちても押せる横車」
(静岡県 80歳 男性)
「年金に安・近・短の旅学び」
(東京都 73歳 男性)
「夕陽浴び花摘む妻の背のまるさ」
(愛知県 66歳 男性)
「脳みそに移し変えたい顔のしわ」
(兵庫県 65歳 男性)
 
第4回(2004年)秀作5句
「定年後関白の座をそっと降り」
(兵庫県 78歳 男性)
「『呆けちゃった!』難を逃れる名セリフ」
(新潟県 64歳 女性)
「座る時立つ時ひざが手を頼り」
(東京都 80歳 女性)
「離れ住む子らに病む日も無事と書き」
(東京都 74歳 男性)
「介護され初めて気付く親不孝」
(東京都 69歳 男性)
 
第5回(2005年)秀作5句
「化粧品リフォーム詐欺と妻は言う」
(神奈川県 61歳 男性)
「年金と相談をして義理を欠き」
(神奈川県 66歳 男性)
「老いて子に従うのにも一苦労」
(大阪府 82歳 男性)
「かじられたスネで支える身の重さ」
(愛知県 78歳 男性)
「いびきより静かな方が気にかかり」
(三重県 52歳 女性)
 
いかがでしたか?いずれ劣らぬつわものぞろいなので、ああでもないこうでもないと、歌集の撰者の苦労の一端を垣間見る思いです。それでも、私には楽しくて学びの多い作業です。

明日は、第6回(2006年)~第10回(2010年)までを予定しています。


※画像は、クリエイター・宇ヨンさんの、タイトル「【お仕事】女の園・知られざる美容部員の世界」の1葉を忝くしました。何か、物語が生まれそうです。お礼を申し上げます。